FXを資産形成に活用する方法は?通貨ペアのレートの作り方や分析のポイントも

「FXは投機」という認識を持っている人は、多いのではないでしょうか。おそらく、リーマンショック前に、多くの個人投資家がロスカットに見舞われた経験から、投機のイメージが定着してしまったのでしょう。FXのリスク管理を正しく行うことで、資産形成ツールとしても使用できます。

今回は、通貨ペアを分析する際のポイントと、投機ではなく「資産形成」としてFXを利用する方法を解説します。

目次

  1. FXの通貨ペアのレートの作り方とは
    1-1.通貨単体の強弱に注目する
    1-2.通貨ペアは自分で合成できる
  2. FXの通貨ペアを分析するときのポイント
    2-1.金利動向
    2-2.対ドルでのレンジを把握しておくこと
    2-3.長期的な高金利通貨のショートには注意が必要
  3. 高レバレッジに気を付ける

1.FXの通貨ペアのレートの作り方とは

1-1.通貨ペアでなく、通貨単体の強弱に注目する

ドル円やユーロドル等、通貨ペアでチェックしている人は多いのではないでしょうか。特に、テクニカル分析では、「ドル円が上昇する」や、「ユーロドルが下落する」というように、通貨ペア単体での値動きに注目しがちです。

FXは通貨の強弱がレートとなって動いており、動く材料が様々です。ファンダメンタルズ分析にも目を向けると、「日本円が下落するからドル円が上昇する」、「ユーロが上昇するからユーロドルが上昇する」というように、通貨ペアでなくユーロやドルといった通貨単位の動きが見えてきます。

中長期的な視野で考える時は、「強い通貨、弱い通貨」という視点が重要になります。強い通貨と弱い通貨を組み合わせることで、ポートフォリオのバランスを取ることができます。強い通貨同士を選択するとレートが全く動かない状態となってしまうため、長期的に利幅が取りにくくなってしまいます。

米ドルが金利の先高観から上昇しやすい状況を例に説明すると、日本円も株安等の材料によって買われやすい地合いとなった場合はどちらも強い通貨となり、ドル円のレートは小動きになってしまいます。

1-2.通貨ペアは自分で合成できる

取り扱っていない通貨ペアに投資したい場合は、自分で合成することが可能なFX会社を利用しましょう。

AUD/USDを例として解説します。豪ドル/円:80.00、ドル円:111.00とします。豪ドルをロング(買い)し、米ドルをショート(売る)するポジションを取りたい場合、豪ドル/円を買い、ドル/円を売れば、合成ポジションを作成できます。このとき、豪ドル円÷ドル円=AUD/USDのレートとなります。上記の例では、80.00÷111.00=0.7207ドルとなります。

FXの基礎知識としてレートの作り方を覚えておくといいでしょう。

2.FXの通貨ペアを分析するときのポイント

2-1.金利動向

資産形成として長期的に保有する通貨を選択する場合は、「金利動向」が大切な要素になります。金利が今後引き上げられる見通しが強まっている場合は、その通貨が強まる可能性が高くなることから、金利動向に注意を払いましょう。

アメリカの政策金利の動向が世界中に影響を及ぼすため、まずアメリカの金利動向をチェックしましょう。

ただし例外として、「日本円は金利が上昇すると行って円高で推移するわけでは無い」ということを覚えておきましょう。

日本では、低金利環境下が継続しています。円安の恩恵を受け、輸出企業を中心に経済が回復しました。金利以外では、株価も通貨の強さを決める大きな要因です。株高になると通貨高となる国が多い中、日本は株高では円安になります。

そのため日本では、政策金利引き上げ時に円高になると安易に判断できない点に注意が必要です。金利が上昇すると通貨高になる傾向は、日本以外の国だと理解しておいてください。

2-2.対ドルでの長期的なレンジを把握しておくこと

FXの世界では、対ドルの為替レートが中心となって推移しています。

例えば各国の中央銀行は、自国の為替レートを対ドルでチェックし、経済への影響がないようにコントロールしています。対ドルで自国通貨がレンジの上限になると、為替介入を行う場合があります。自国通貨安へ誘導したり、一方で大きく対ドルで下落しておりレンジの下限まで到達している場合は、自国通貨安が進みすぎているため、一旦上昇させるオペレーションを行うこともあります。

どの国の通貨でも、まずは対ドルの水準を確認しましょう。

2-3.長期的な高金利通貨のショートには注意が必要

高金利通貨をショート(売る)で長期的に保有する場合は、注意が必要です。スワップポイントが年間で数%の幅でマイナスとなり、損益分岐点がその通貨金利差分悪化するからです。高金利通貨には、トルコリラや南アフリカランド、メキシコペソがあります。これらの通貨をショートするという選択肢は、チャートとしては面白く見えても、金利があまりにも高いため不利な取引を強いられる可能性が高くなります。

通貨を選択する場合は、可能な限り金利の高い通貨をロングできるようにしましょう。もしくは金利先高観がある通貨で、通貨ペアでスワップポイントがマイナスとならない組み合わせがおすすめです。

3.高レバレッジに気を付ける

FXはレバレッジを25倍まで利用することができますが、25倍はリスクが高くなります。無理のない範囲で利用することが大切です。長期的にスワップポイントを得ながら利用するといった使い方など、資産形成のツールとして活用しましょう。

現在は、コロナ環境下で、世界的な緩和政策の低金利状態です。FXでスワップポイントを稼ぐことは、難しいと考える人もいるかもしれません。しかし、通貨によっては金利先高観がでてきており、長期投資として利用する選択肢もあります。例えば、日本では大規模な金融緩和が長期化するという見方が広がっているため、円をショートし、海外の通貨で今後コロナからいち早く回復しそうな国の通貨を長期保有し、スワップポイントを稼ぐという手法もあります。

FXは投機というイメージが強い方もいるかもしれませんが、金利を稼ぐといった取引の仕方もあるため、積立のような使い方として検討してみてください。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12