円安はいつまで?円安転換材料と2022年下半期の注目通貨ペアを3つ紹介【2022年7月】

2022年7月現在、日本と海外の政策金利の差が拡大するという思惑から、円安が継続しています。日本と他国の金利差の拡大が主要因です。

世界的に止まらないインフレーションを背景に、世界各国で政策金利を引き上げています。一方で日本は、日銀が目標としている物価目標2%は達成しているにもかかわらず、緩和姿勢は維持され、政策金利が引き上げられる兆候がありません。

物価上昇が抑えられていること、いい物価上昇ではなく、コストプッシュ型の悪い物価上昇であることが、緩和路線を維持している理由です。

円安論調が強まり、機関投資家も個人投資家も円安方向の目線で固まっている中、円安はいつまで継続するか、プロトレーダーである筆者が解説していきます。また、今後注目の通貨ペアも紹介します。

※本記事は7月4日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 円安が転換すると考えられる材料を2つ紹介
    1-1.米国利上げペースが後退
    1-2.日銀金融政策の変更
  2. 下半期注目の通貨ペアを3つ紹介
    2-1.ドル円(USD/JPY)
    2-2.スイスフラン円(CHF/JPY)
    2-3.ポンドドル(GBP/USD)
  3. まとめ

1.円安が転換すると考えられる材料2つ

円安トレンドが転換する材料を2つ解説していきます。

1-1.米国利上げペースが後退

最初の材料は「米国の利上げペースが後退すること」でしょう。円高圧力というよりは、米ドル安の動きからドル円中心にクロス円が動いているため、ドル円が下落するとクロス円全般が下落するという考え方です。

マーケットは、7月のFOMCで、米国が0.5%か0.75%の利上げを行うことを織り込んでいます。しかし、今月のPCEデフレーターの数字からインフレ懸念が若干鈍化しました。また住宅市場でも販売価格が高値で売れなくなってきており、在庫が増加しているニュースが出ている等インフレが落ち着いてくる兆しが出てきています。

7月CPIの結果次第では、9月以降の米国の利上げ織り込みが低下する可能性があります。米国債金利が低下し、期待インフレ率も大幅に低下していることから、トレンドが続いた場合はドル円は下落傾向になり、クロス円は調整ムードになる可能性があります。

1-2.日銀金融政策の変更

日銀は、世界とは真逆に緩和路線を続けています。一方で、消費者が感じる物価上昇も上昇してきており、消費マインドに影響を与えています。

実質所得は伸びておらず、日本の物価上昇が景気に悪い影響を与える可能性があるという側面が強まっています。緩和路線を転換するようなニュースが出た場合は、円ショートの巻き戻しが誘発され大きくクロス円は円高に振れることでしょう。

日銀の政策転換は、指値オペがヒントになります。

現在日銀は日本国債の10年金利を0.25%に抑え込むために、金利が上昇する場合は国債の買い入れオペを行い、金利を押し下げています。しかしオペレーションの持続性には疑問があるとして、海外ヘッジファンドの一部が日本国債のショート(金利上昇方向)でポジションを大きく保有し始めています。日銀がギブアップすることに賭けているということです。

仮に日銀が金利上昇の押さえ込みを諦めた場合は、利上げ方向に転じる可能性が考えられます。日本円は上昇し、クロス円は円高方向に振れるでしょう。

また黒田総裁は来年3月までの任期となっています。任期満了前に総裁を変更する可能性もあり、黒田総裁が辞任となれば円高に振れる可能性があります。

2.下半期注目の通貨ペアを3つ紹介

下半期に注目の通貨ペアを3つ解説します。

2-1.ドル円(USD/JPY)

まず1つ目はドル円になります。

2022年7月現在、135円という水準ですが、この数カ月で大きく円安に振れており、更なる円安予想もあります。行き過ぎた予想が出始めている以上、一旦上値は重くなりやすいでしょう。

円安が調整する材料もあるため、淡々とショートポジションを積んでおき、120円から130円まで円高に振れることに賭けてみるというFX戦略もあるでしょう。

ただし、現時点では逆張りのトレードになることは知っておきましょう。スワップポイントもドル円ショートはマイナスとなります。レバレッジ含めてリスク管理には注意しましょう。

材料が出始めてからエントリーを行うというスタンスでもいいでしょう。

2-2.スイスフラン円(CHF/JPY)

2つ目の注目通貨ペアはスイスフラン円です。

スイスフランは欧州通貨の中ではリスク回避通貨です。キャリートレードを行う場合に売られる通貨ペアとして知られています。つまり日本円と同じ性質を持っているということです。

2022年7月現在、スイスは利上げが行われており、日本円との動きが逆になっています。スイスフラン円は、何十年振りぶりの水準にまで円安が進行しています。

逆の値動きになってはいるものの、スイスフランはリスク回避通貨という点では日本円と大きく変わりません。円高材料がで始めると真っ先に売られる通貨として選ばれる可能性があります。

スイスフランに馴染みのない方も、一度チャートをチェックしてみてください。

2-3.ポンドドル(GBP/USD)

3つ目の注目通貨ペアは紹介するのはポンドドルです。

イギリスは輸入国であり、現在の食料品の高騰も含めた物価上昇は国内経済の物価に大きく影響を与えています。見通しでは10月以降物価上昇率が二桁に到達すると予想されています。二桁の物価上昇は政府としても容認できる水準ではないでしょう。

現在でも既に国内で賃上げを求めるストライキが起きていたりする中、悪い物価上昇になっており、実質賃金は上昇していません。株価や経済を悪化させてでもインフレを止めに行かざる得ない展開が予想されます。政策金利の引き上げから、イギリスポンドの上昇が起きる可能性があるのです。

現在既に通貨安となっており、輸入国として輸入物価も上がってしまっています。近いうちに歯止めをかけるでしょう。

米国は既に市場から大きな利上げを行うと織り込まれています。これから利上げを行うイギリスのイギリスポンドをロングし、利上げが一旦止まる可能性がある米ドルをショートにする、GBP/USDのロングというFX戦略も選択肢の一つでしょう。

3.まとめ

今回は円安トレンドが転換する際の材料を2つ紹介しました。円安を妄信せず、円高になる可能性も理解した上でトレードを行いましょう。

また、下半期の注目通貨ペアを3つ紹介しました。紹介した通貨ペアは、2022年7月時点では逆張りのトレードになります。リスク管理には十分注意しましょう。

レバレッジを掛け過ぎず無理のない範囲で、材料が確認できてからエントリーを検討してみてください。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12