米CPIショックで米国株は崩れたか。9月利上げ1%の予想が浮上。FXのポイントを解説

昨日は世界の投資家から注目されていたアメリカのCPIが発表され、予想以上に強い数字となり、物価上昇が鈍化するという市場期待を完全に裏切った数字となったことを受けて、株式市場は急落、米国債金利が大幅上昇し米ドルは急騰する動きとなった。

CPIの結果は、①総合CPI(前年同月比)+8.3% (市場予想+8.1% 前月+8.5%)②総合CPI(前月比)+0.1% (市場予想-0.1% 前月0.0%)③コアCPI(前年同月比)+6.3% (市場予想+6.1% 前月+5.9%)④コアCPI(前月比)+0.6%% (市場予想+0.3% 前月+0.3%)となり、総じて市場予想を上回った。

価格の動きは下記の表のようになっている。ドル円、米国債金利10年、NYダウのチャートだ。

ドル円、米国債金利10年、NYダウのチャート

※図はTradingViewより筆者作成

CPI発表後金利は急騰し、ドル円は一気に144円台まで急騰した。NYダウは31,000ドル台後半から一気に急落し、引けまで反発する動きもなく下落基調を辿っており、1,200ドル超の下落を見せている。

この動きには2つの材料があり、①市場がこれまでの経済指標から物価が今月は鈍化するという期待を強く持っていたこと②物価が鈍化する→株高に進むとの連想から先んじて株式市場でロングポジションを構築していたこと、この2つが考えられるだろう。

CPI以外の経済指標では原油価格の下落や、地区連銀のレポート等から物価鈍化の兆しが見られる数字やコメントが出てきたことによって、市場は8%を割れるかもしれないという雰囲気だった。そして物価が鈍化するとFRBの利上げペースは鈍化すると想像された。利上げペースが鈍化した場合は株高方向で推移することになるため、その動きが先週からの株高につながっていた。

先週からの株高はショートカバーのフローも入っているが、上昇の背景の中心にはこの物価上昇圧力が鈍化するとの見通しがメインだろう。

しかし今回予想に反して物価上昇が止まらなかったことによって、ネガティブサプライズとなり、市場の値幅が大きくなったということになる。また、現在はFOMC前ということでブラックアウト期間に入っており、高官からの発言というのは禁じられていることから、利上げが強まる見通しのトレンドがFOMCまでに反転することは考えにくい。

本日のPPIが発表されるが、CPIのイメージが強すぎるため、PPIも上昇すると株式市場は下落方向で反応しやすいと予想される。

ナスダック100指数

※図はTradingViewより筆者作成

金利上昇に弱いNASDAQをみると、9月のレジスタンスラインまで肉薄しており、ここをwれると11,000ドル付近がターゲットに入ってくる。ドル円も145円付近まで到達していたが、朝方財務省高官からの円安牽制発言も出ており、日銀が明らかに145円以上は警戒していることが把握できたため、投資家としてはこの水準は意識しておきたい水準か。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12