FXで利益が出る人と出ない人の違いは?ファンドマネージャーが解説

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FXは少額から始めることができ、また自分の腕次第でリターンが期待できる投資です。しかし、FXを始めてみたものの「なかなか利益が出ない」、「負けが続いている」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

世の中には勝ったり負けたりを繰り返しながらも、最終的に利益を出せる人と、途中勝った時期もありながら最終的には利益を出せずに資金を減らしてしまう人の2種類の投資家が存在します。

どんな勝負事にも運の要素はある程度存在しますが、投資の世界では、著名なエコノミストがどれほど分析しても経済予想が当たるとは限らず、政治的発言はいつ何がでるか誰も予知できません。

この記事では、投資の世界で利益が出る人と出ない人の違いを解説します。

目次

  1. 利益を出せる人と出せない人の違い
    1-1.勝てる投資家
    1-2.負ける投資家
  2. 具体的な考え方や取引方法
    2-1.エントリーのタイミング
    2-2.資金管理
    2-3.リスクテイクの意味
    2-4.最低限必要な情報
    2-5.市場のポジションの偏り
    2-6.トレンド市場とレンジ相場の局面判断
  3. まとめ

1.利益を出せる人と出せない人の違い

1-1.勝てる投資家

勝ち続ける投資家の共通点は、3つあります。

1つ目は自己分析がよく出来ていて、自分の投資スタイルや癖を分かっているということです。自分が何を知っていて、何を知らないのかを理解し、何が得意で何が苦手かも正確に把握しています。そして、分からないことがあると、一旦素直に受け止めて、投資を自重することができます。

2つ目は、自分なりの勝てるルールを持っているということです。前述の自己分析にもつながりますが、自分が得意な相場を理解しており、エントリーのタイミング、損切りのタイミング及びやり方について独自の手法を持っています。

3つ目は、勝てるルールを確実に実行する強い意志を持っているということです。

1-2.負ける投資家

自分のことや相場のことを理解していない、勉強不足・準備不足な人です。相場に対してもあやふやな戦略のまま、直感でエントリーしてしまいます。

戦略が決まっていないため、ポジションを降りるタイミングが分かりません。常にダラダラとポジションをホールドしたり、意味のない売買を続けてしまいます。

また、負ける投資家に共通して言えることは、自分の感情をコントロールできないということです。「儲けたいという欲望」を抑えられない、もしくは「儲け損なう恐怖」に負けて、ついエントリーしてしまいます。当初のエントリー材料がなくなったにもかかわらず、根拠のない願望を持ち続け、いつまでも損切りできません。冷静になれない投資家は高い確率で損をしてしまいます。

2.具体的な考え方や取引手法

2-1.エントリーのタイミング

勝ち続ける投資家は、自分の得意な相場・苦手な相場・癖をよく理解し、投資プランを明確に決めています。狙っている相場展開や値幅が決まっているため、おのずとエントリータイミングも決まります。エントリータイミングがくるまでじっと待てるため、自分が勝ちやすいチャンスの時にしか売買しません。

ファンドマネージャーのようなプロと個人投資家が比較されることがあります。プロは他人のお金を預かって運用するのが仕事です。競争相手の運用会社も多くあります。

ファンドには決算があり、短期間で収益を上げることが求められます。1年間の運用成績が悪ければ他の運用会社に乗り換えられてしまうことがあるからです。

相場が悪い時はしのいでいかなければならず、上昇相場のときはポジションが少ないと、「持たざるリスク」を意識せざるを得ません。プロの場合、「儲け損なう恐怖」と戦い克服しなければないのです。

一方で、個人投資家は期間収益を気にする必要はありません。他人から評価されず、自分のことだけに集中すれば良いのです。相場の雰囲気が悪い時に敢えてエントリーする必要はありません。むしろ、「儲けたいという欲望」をコントロールすることが大事になります。

つまり、プロはどんな状況になっても常に運用し動き続けなければならないのに対して、個人投資家はいつでも運用を休むことができるということが最大のメリットです。「チャンスはいくらでも転がっている」と余裕のあるマインドで、自分の得意なパターンが来るまで待つことが出来るのかが、勝つ為には重要になってきます。

2-2.資金管理

勝てる投資家の場合、取りに行く相場の展開や値幅が決まっているため、エントリーした瞬間に利食いポイント・損切りポイントが決まります。リスクシナリオもあり、その場合の投資行動も含めて全てのプランがある程度出来上がっています。

リスクシナリオまで含めたプランのなかで、適切な売買サイズで取引します。適切な売買サイズとは、自分の資金量と性格を考慮した上で、損失が出たとしても冷静さを失わないサイズのことです。完全にリスクをコントロールした取引を重ねることで、何度か負けることがあったとしても、最終的には資金が増え続けるようになっています。

一方で、負ける投資家の場合、エントリーに対して一貫性や根拠がありません。売買サイズも適切でないため、自分の精神コントロールが上手くできず、仮に取引プランがあったとしても、その通りに取引を実行できません。また、明確な損切りポイントを知らず、自分の資金が苦しくなってから何となく損切りします。

それでも損切りできるだけまだ良く、当初決めたはずの損切りを先延ばしにする人もいます。このタイプの投資家は、明確な利食いポイントがあっても、相場の反転が怖くて予定より早めに利益を確定してしまい、利食いの後で後悔する傾向があります。利食いと損切りポイントのバランスが合っていない取引を続けていくと最終的に資金は減ってしまいます。

2-3.リスクテイクの意味

上がっているから買い、下がったから売る投資家は十中八九損をします。投資はそれほど単純なものではありません。

相場が上がっているときは、原因があります。そこで自分が見つけた上がる材料が既に相場に織り込まれているのかを考えなければなりません。

多くの個人投資家は、既に織り込まれた材料を元にエントリーしてしまい、損をしてしまいます。現代は情報が駆け巡るスピードが速く、殆どの材料が即座に相場に織り込まれています。

リスクテイクとは、既に分かり切った材料を元に相場にエントリーすることではなく、まだ不確定な要素を自分なりの視点で材料に加えて今後の展開を想像しエントリーすることです。

2-4.最低限必要な情報

市場参加者はある程度同じ情報を共有しながら、その解釈や予測で他の参加者の先を行って利益を得るものです。しかし、そもそも他の市場参加者の知っている情報を知らなければ、スタートラインにも立てていないことになります。

何故相場が上がっているか理解できていない状況では、相場の成熟度を見誤ることになります。

2-5.市場のポジションの偏り

市場のポジションの偏りを鋭く読める人は、おかしい位置でエントリーをしなくなり、偏ったポジションが解消される前にいち早く逃げることが可能です。結果として、勝率が上がり損失が限定的となることが多く、勝てる投資家になるために最も必要な能力の一つと言えるでしょう。

2-6.トレンド市場とレンジ相場の局面判断

一方向に動くトレンド相場と狭い価格帯を行き来するレンジ相場では、有効な手法も考え方も違ってきます。トレンド相場で勝ったからといって、レンジ相場でも同じ手法を使えば、負ける可能性が高まります。相場の見極めが大切です。

3.まとめ

人間の心は弱く、早く利益を確定したくなったり、損失はできるだけ回避したくなったりします。この心理をプロスペクト理論と呼びます。無意識にプロスペクト理論の心理が働くことでなかなか損切りができず、損失を膨らませて負けてしまうのです。

これを避けるためには、自分なりの損切りルールを決めておくことが重要です。そのためには、定期的に自分のトレードを振り返り、癖や得意な相場・苦手な相場を認識し、独自の投資スタイルを確立しなければなりません。

自分がどのような時に、精神コントロールが上手くできなかったのかを把握し、苦手な局面ではトレードしない勇気が必要です。

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HEDGE GUIDE 編集部 FXチーム

HEDGE GUIDE 編集部 FXチームは、FXに関する知識が豊富なメンバーがFXの基礎知識から取引のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」