昨日の米国総合PMIと新築住宅販売件数が予想対比悪化したことによって、米ドル安の動きが強まり、ドル円も137円台半ばから、一時135円台後半まで急落する場面も見られた。
米国総合PMIの速報値は、①総合PMI 45.0(前回47.0)②サービス業PMI 44.1(市場予想49.2 前回47.3)③製造業PMI 51.3(市場予想52.0 前回52.2)という結果になった。サービス業、製造業ともに予想対比悪化しており、また前回からも数値は低下しているという軒並み悪いと言わざる得ない数字となった。
総合PMIが2020年5月以降で最も低水準となっていることや、節目となる50を下回っていることも、経済活動が完全に縮小方向に入ったと判断できる状況で、需要の減退から人員採用にも影響が出ると指摘されている。今後の労働市場に波及してくるか考えつつ、他の経済指標の数字は確認したいところ。
7月の新築住宅販売件数も前月比で大幅減少しており、2016年以来の水準となった。足元の政策金利の引き上げから、住宅ローン金利の上昇によって一気に買い控えが起きている状況だ。
数値は①新築住宅販売件数(前月比)-12.6%(市場予想-2.5% 前回-8.1%)②新築住宅販売件数(件数)51.1万件(市場予想57.5万件 前回58.5万件(下方修正))と、前月比で大幅な落ち込みが市場心理を悪化させている。
住宅市場では中古住宅販売や新築住宅販売が落ち込んできている中、買い控えしている買い手が賃貸市場に流れてきているということで、家賃自体の落ち込みが都市部でも見られていないのは面白い動きとなっている。
景気悪化に伴う実質所得の減少から、引き続き不動産市場と住宅販売市場は低迷すると予想されているため、今後既に現在購入している人たちの、住宅ローン市場でのデフォルト等には注意しておきたい。
市場は上記の通り、22:45発表の総合PMIと23:00発表の新築住宅販売件数の2段階で反応している。現在のジャクソンホールを待っている状況ではトレンドを作るような動きにはなっておらず、引けにかけてはドル円は136円台後半まで持ち直している。しかし、ドル円のチャートが短期的に若干崩れているため、26日のパウエル議長のコメントまではドル円の高値超えはないのではないかと考えられる。
中島 翔
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