資産運用大手のアクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社は6月10日、「ポートフォリオ・マネージャーが語る新型コロナへの影響」として、フィンテック、クリーンテック、ロボテックの3分野への見解を公表した。
「新型コロナウイルスの感染拡大の悪影響にもかかわらず、フィンテック分野は堅調な事業トレンドと強靭な成長見通しを有しているため、依然として極めて魅力的」。フィンテック戦略ポートフォリオ・マネージャーのビンセント・ヴィナティール氏はこう語る。「コロナ危機が、フィンテック戦略の3つのサブテーマであるキャッシュレス・ビジネス(デジタル決済や決済インフラ等)、フィンテック技術基盤(セキュリティ、ブロックチェーン等)、次世代金融リーダー(新サービスを導入し、市場をリードしていく金融機関)の成長を加速させる」と、コロナ危機をフィンテックの奇貨と見る。「フィンテック戦略は、バランスシートが強固で構造的に成長が見込める企業にフォーカスしており、新型コロナ危機後の世界を見すえたポートフォリオ」という確信は揺るがない。
クリーンテックについても同様に前向きだ。クリーンテック戦略担当のアマンダ・オトゥール氏は「クリーンテック戦略の構造的な長期成長機会に関して引き続き確信を持っている」と語る。同社の戦略の第一のサブテーマは「持続可能な輸送」で、直近では最近の自動車市場の低迷の影響を受け停滞しているが、長期的には電気自動車への移行の恩恵を受ける」という予測に基づく。第二のサブテーマの「リサイクルと廃棄物削減」についても「新型コロナ危機で資源物回収の自動化投資が促進されれば、長期的な投資機会となる」と、むしろ好材料とみなしている。第三のサブテーマ「責任ある栄養摂取」は、持続可能な食料サプライチェーンの必要性を重視しており、新型コロナで大きな問題となっている中国の食料サプライチェーン関連に注目。第四のサブテーマの「スマート・エネルギー」の関連企業は、安定的な収益体質により堅調に推移していることも、同社の確信を支える。
ロボテック戦略では、ポートフォリオ・マネージャーのトム・ライリー氏は「新型コロナ後もロボット・自動化のトレンドは変わらず、一部の分野では加速すらしていて、ロボテック戦略への追い風になっている」と自信を示す。同社ではロックダウン(都市封鎖)や在宅勤務の拡大によるeコマース企業の躍進を背景に、ロジスティクス自動化への大きな設備投資を予想している。なお、新型コロナの感染拡大で緊急性の低いロボット手術が停滞したが、これについても収束後には加速を予想している。
【関連サイト】アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社

HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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