アクサ・インベストメント・マネージャーズは2020年以降、注目する主要分野に気候変動、生物多様性の喪失、ダイバーシティ、公衆衛生を挙げる。5月26日に日本語版を発表した「2019年アクティブオーナーシップ・スチュワードシップ報告書」は、主要統計データや当社のエンゲージメント事例、現在投資家が直面している最も重要な環境・社会・ガバナンス(ESG)課題に加えて、今後10年間に焦点になると思われる課題に関する見解を紹介。2020年以降について、「この10年は責任投資が注目を集めてきたが、次の10年は環境と社会を中心に幾つかの分野において “移行(トランジション)の10年” になる」と指摘している。
アクサIMが2019年に行なったエンゲージメント(投資対象企業との建設的な対話)の40%以上は、気候変動に関するものだった。同年は217の発行体とエンゲージメントを行ない、6016の株主総会に投票、6万4439の企業決議に投票した。
2020年以降、アクサ IM のスチュワードシップ・チームが注目する主要分野は、気候変動、生物多様性の喪失、ダイバーシティ、公衆衛生を挙げた。アクサIMのインパクト戦略・責任投資のグローバル統括責任者のマット・クリステンセン氏は「今後10年は、世界的な課題を解決する上で、考え、意気込み、要望を具体的な行動に移していくため、投資および企業コミュニティの能力が問われる。このように企業の行動を促すことで、企業は、株主、ステークホルダー、そして社会全体に対して長期的な価値を創造し続けられる」とコメントする。
そのうえで、アクサIMは主要テーマと自社の姿勢を示す。気候変動では、運輸業界など TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)フレームワークの受け入れが遅れている産業の企業へのエンゲージメントに注力することで、機関投資家の気候変動アクション・イニシアチブである「Climate Action 100 +」3への積極的な関与を継続する。生物多様性の喪失は、生物多様性の喪失問題へのエンゲージメントを強化する計画。 企業に対して、生物多様性や種の絶滅に関連した企業行動をさらに注視しかつ開示するように働きかけることで、アクサ IM は、投資先企業および広範な市場でベストプラクティスを促進していく。
ダイバーシティでは企業の事業分野や事業計画の枠を超えたダイバーシティの推進を促す。また、一部の市場においては、ダイバーシティの水準を高め、ダイバーシティ政策の拡大も促進する。公衆衛生では、発展途上国での医薬品のアクセス改善に関するランキングである「Access to Medicine Index」4の外部審査委員会における唯一の投資家代表として、公衆衛生問題へのエンゲージメントを強化していく。また、薬価形成および関連した透明性への注視を継続する。
【関連サイト】アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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