2022年11月現在、ドル円は仮想通貨を想起させるような、値動きの激しい展開が続いています。
ドル円に注目が集まっており、これからトレードしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし短期トレードで儲けることは、簡単ではありません。
そこで今回は、プロトレーダーである筆者が短期トレードの難しさや、長期トレードとの違いを解説していきます。
※本記事は11月11日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
1.FXの短期トレードとは
FXでの短期トレードには、スキャルピングやデイトレードがあります。数pipsを細かく何度も積み上げて収益を得るトレード手法です。
スキャルピングは、値動きが激しい相場では、数秒~数分でエントリーから利益確定まで完結してしまう程、スピード感のある取引です。短期トレードでは、ローソク足を1分足で利用するトレーダーも存在します。
デイトレードは、1日でエントリーから決済までを完了させる取引手法です。
2.短期トレードと長期トレードの違いを2つ紹介
2-1.チャート上での騙しが多い
短期トレードでは長期トレードに比べて、トレンドが発生したのかを、テクニカル分析での判断が難しい傾向があります。
短期トレードでは、1分足~5分足の短いローソク足を利用します。ローソク足は短くなるほど、チャートが一時的に大きく動きやすくなります。
トレンド発生のシグナルなのか、「騙し」と呼ばれる一時的な動きなのかの判断が難しくなります。エントリー後に一時的な動きだったと分かり、損切せざるを得ない状況も少なくありません。
2-2.期待値が大きく異なる
ローソク足は短ければ短い程、騙しが頻繁に発生します。そのため短期トレードでは、エントリー回数が増加する傾向があります。
FXでは、通貨を買った瞬間にスプレッド分の損失が発生します。エントリーが増加すれば、スプレッドも増加し、利益を得にくくなってしまいます。
短期トレードはテクニカル分析での騙しが多く、エントリー回数が多くなった結果、期待値が低下します。
一方で長期トレードの場合は、短期トレードと比較するとエントリーから損切りか利益確定までの距離は長くなります。コストは低くなる傾向があります。期待値は高くなりやすいでしょう。
また短期トレードは長期トレードと比較し、利益の幅やリスク管理等も難しくなります。
3.FX初心者が短期トレードで大きく儲けることは難しい
プロトレーダーである筆者としては、FX初心者が短期トレードで大きく儲けることは難しいと考えています。
トレードでは、リスク管理とメンタルコントロールが大切です。知識だけでは、収益を出すのは難しいでしょう。
トレーダーや投資家とアナリストの違いは、リスク管理を行って入るべきところでエントリーを行い、トレードを避ける場面ではとことん避ける点です。感情的に一喜一憂すれば、短期トレードで大きく損してしまう可能性もあります。
次のトレードで取り返そうと、感情のままにトレードすることは危険です。まずはエントリーの回数を分散し、リスク管理を行いましょう。損失が出た場合でも最小限の損失でカバーできる可能性があります。
資金の積み増しは、トレンドに乗ってから行えばいいのです。資金効率も良くなります。エントリーの分散は、プロトレーダーである筆者も行っています。
2022年11月現在、24年ぶりの為替介入が行われるなど、これまでにない動きが見られます。自分だけが儲からないと思っている方は、ドル円で儲けようとせず、長期投資の視点で別の通貨ペアにも目を向けてみましょう。
4.まとめ
ここでは短期トレードの注意点や長期トレードとは異なる部分について解説しました。
値動きが激しい時はすぐに飛びつきたい気持ちになるものです。しかし気持ちを抑えつつ、ルールを決めて淡々とトレードを行うことが必要になります。
短期トレードは時間軸が短く、lot数も大きくなるため気持ちに焦りや迷いが生じやすくなります。メンタルコントロールを維持するのが難しいと知っておきましょう。
投資は余剰資金で行い、長期的な目線でFXトレードを行いましょう。
中島 翔
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