FXのトレードで行うべきリスク管理の考え方は?プロトレーダーが解説

FXではレバレッジを利用しながら資金を効率よく運用できるため、資産を大きく増やしたいと思っている個人投資家の方も多いでしょう。レバレッジは使い方によってはとても強い武器になる一方で、使い方を間違えると大きな損失を被ることになります。

レバレッジを掛ける際には「リスク管理」が大事です。そこで今回はFX初心者でも簡単にリスク管理が行える方法を解説します。内容は筆者個人の考えであり、全て正しいわけではありません。一つの考え方として、参考にしてみてください。

目次

  1. リスク管理の概要
  2. リスク許容度を把握する方法
  3. リスク許容度を意識してトレードを行うには
  4. 慣れてきてから行うべきトレード方法
  5. まとめ

1.リスク管理とは

最初にFXにおけるリスク管理について解説します。一言に「リスク管理」という言い方をしますが、具体的には何を指しているのでしょうか。リスク管理とは「自分自身のリスク許容度を理解して、その範囲内でトレードをすること」です。

では自分自身のリスク許容度とは一体どの程度あるのかと思われるでしょう。筆者は「リスク許容度=相場を気にしなくてもポジションをしっかりと決めた水準まで保有できる量」という理解でトレードを行っています。

リスク許容度は個人差があります。一概にこのくらい行えばいいということはありません。トレードを行いながら自分自身のリスク許容度について考えてみるといいでしょう。

2.リスク許容度を把握する方法

リスク許容度を把握する方法を紹介します。

例として100万円程度を入金した時にドル円の1lot保有したとしましょう。1pips100円程度の動きであれば気にならない方も多いでしょう。lot数を徐々に増加させていくと、どこかで相場が気になるというlot数に到達します。

気になっているということは自分自身の精神状態にストレスがかかっているということです。これ以上のlot数で取引すると冷静な判断やトレードを行うことができなくなってしまう可能性があります。精神的なストレスが掛かるlot数がリスク許容度の目安です。

精神的なストレスが掛かるlot数を最大のlot数として決めれば、トレードが行いやすくなります。

3.リスク許容度を意識してトレードを行うには

次にリスク許容度を意識したトレード方法について解説します。

例として上記で把握したリスク許容度が10lotとなった場合、ドル円1pipsで1000円程度の値動きが発生するlot数となります。「相場が上昇している中、25日移動平均線までローソク足が戻ってきた際にロングエントリー」という条件でエントリーを行うと仮定して下記のチャートをご覧ください。

ロングエントリー
※図はTradingViewより筆者作成

オレンジの○印がついている点が25日移動平均線にタッチしているタイミングです。FX初心者でやりがちなのは最初の○印のタイミングで10lotでロングエントリーを行うということです。

相場でトレードする場合において必ず頭に入れておくべきことは「リスクシナリオ」です。リスクシナリオに対してどのように対応するかはテクニカル分析以上に重要となります。上記のトレード方法は10lotという最大のlot数でいきなりエントリーしてしまっているため、少しでも下落すると徐々に焦りが生じてしまいます。

そのため行うべきことは10lotを5分割か10分割で考えてエントリーを行うことです。損切りラインを設定しておき、その間まではゆっくりとロングでポジションを増やしつつ計画的に損益分岐点を低下させていきます。損切ラインを割ってしまったら損切りを行うという方法を徹底しましょう。

2つ目のオレンジの○印が62日指数平滑移動平均線で筆者が愛用している移動平均線です。この移動平均線を下抜けするまではゆっくりトレンドに沿ってロングポジションを淡々と増やしていくという方法があります。

FX初心者の方は最初1lotずつ細かくポジションを増やしていくことを意識しましょう。1lotずつ決めたルールでポジションを取りながらリスク管理して見てください。FXでは「負けないこと」が一番大事であり、大きく博打を打って利益を出すようなことは控えるようにしましょう。

上記の場合、25日移動平均線で予想通り下落が止まり反転して上昇した時に「lot数が少なかった」と感じる人もいるでしょう。エントリーチャンスはまたタイミングを見てから行えばいいことです。

通貨ペアを変える事で色々なタイミングでエントリーのチャンスが到来するため、しっかりと待ちながら保守的なトレードを心がけましょう。

4.慣れてきてから行うべきトレード方法

先ほどは最初のエントリーチャンスからゆっくりと損切りラインに向けてポジションを増やしていくという方法を紹介しました。機関投資家等プロの投資家が利益を極大化する場合は、トレンドに乗った時はそのトレンドで大きくリターンを得るような方法でトレードを行うことが多いです。

例として下記のチャートをご覧ください。

チャート
※図はTradingViewより筆者作成

これは先ほどと同様のチャートになります。一点赤色の水平線と緑の○印をご覧ください。

仮にオレンジの○印でロングポジションをとり、2つ目のオレンジの○印のポジションまでlot数を増やし途中で反転して予想通り上昇してきた場合を想定します。緑の○印の位置は短期的なレジスタンスを抜けてきていることから、このタイミングでlot数を増やしてもいいという位置になります。

トレンドに沿ってトレードする場合は、このように上昇してからより上昇を見込めると判断して利益を最大化するという方法があります。

最初は高い位置でポジションを増加させるため、ポジション全体の損益分岐点は引き上がってしまうことになります。このタイミングで損切りラインも引き上げることができます。損切りラインを調整することで全体の損失の位置を調整します。

ただしこの手法はトレードに慣れてきた方向けです。まだポジションを増加させることに不安がある場合は、保有しているポジションをそのまま保有しつつ、損切りラインだけ引き上げるという方法があります。

心理的に不安にならないことを目指しましょう。評価損益があまり気にならずにしっかりと保有できるくらいのlot数でトレードしましょう。

5.まとめ

ここではトレード方法の一つとしてリスク管理から考えたポジションの取り方を解説しました。

実践してみると、この心理的な揺れ動きや不安感のことを説明しているのだと理解できることでしょう。今回は筆者が体感したことや、周りで失敗している初心者の例も踏まえて解説しています。テクニカル分析以前に大切なことでもあるため是非最初に理解してもらいたい内容です。

最初は上手く利益が出ない時間が続くものです。最初から成功する人はいないので、継続して試行錯誤しながらFXのトレードと向き合いつつ、資産運用の一つとして利用してみてください。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12