ダイバージェンスで利食い(利確)する方法は?FXの利益確定で重要なポイントも

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FXに慣れてくると、エントリーよりも利益確定のタイミングのほうが難しいと感じる人は多いのではないでしょうか。

投資の世界には、平均的な損失の幅よりも平均的な利益の幅を大きくしないとトータルで負けてしまうことを意味する、リスクリワードという言葉があります。リスクリワードを大きくするには利益確定のタイミングが重要です。

本記事では利益確定のタイミングを判断するための重要な考え方と、利益確定のタイミングを図る手段としてダイバージェンスを紹介します。

目次

  1. 利益確定を行うタイミングで重要なこと
    1-1.利益確定は一気に全てのポジションで行わない
    1-2.エントリー時に決めた利益確定の位置である程度利益は確保しておくこと
  2. ダイバージェンスの基礎
  3. ダイバージェンスでトレンド転換を図るには
    3-1.テクニカル指標と併用すること
    3-2.移動平均線のゴールデンクロスとデットクロスを利用する
    3-3.利益確定のタイミングはエントリーのタイミング
  4. まとめ

1.利益確定を行うタイミングで重要なこと

まず利益確定を行うタイミングを考える上で大事なことを解説します。

トレーダーである筆者の私見も交えて解説しており、考え方が全て正しいというわけではありません。投資は自己判断で行いましょう。

1-1.利益確定は一気に全てのポジションで行わない

最初のポイントは「利益確定は一気に行わないこと」です。利益確定のポイントまで到達すると全てのポジションを処理する、もしくは指値を置いていく投資家がいます。

決めたルールを淡々と守っているという意味では正解でしょう。一方で価格がさらに突き抜ける可能性があることを忘れてはいけません。

特に指値の場合は相場がどのような動きをしているのか確認できないまま注文が通ってしまうため、臨機応変に利幅を伸ばすことが難しくなります。細かく分けながら利益確定しましょう。

まだ利益が伸びるのではないかと判断できる場合は、ポジションを半分程度残して利幅を追求することも一つの手法です。

1-2.エントリー時に決めた利益確定の位置である程度利益は確保しておくこと

全てのポジションを利益確定しないという前述の考えと相反すると感じるかもしれません。しかし、エントリー時に定めた利益確定の水準あたりである程度利益を確保することで、その後の利幅を伸ばすための心理的な安心感が生まれる効果があります。

相場が反転することも考慮し、利益をある程度確保しつつ、残したポジションで利幅を追求する可能性も踏まえてトレードを行いましょう。

2.ダイバージェンスの基礎

ダイバージェンスについて説明します。ある程度トレードを行っている方向けの記事になるため、概要のみ記載します。

ダイバージェンスはローソク足の動きと、テクニカル指標の動きが逆行している現象を意味しています。下記がダイバージェンスの一例です。
ダイバージェンスの一例
※図はTradingViewより筆者作成

ローソク足は高値を切り上げながら上昇している一方、テクニカル指標で表示しているRSIは下落しています。このような場合テクニカル指標の動きを参考に、相場は上昇圧力が弱まっていると判断します。

RSIが高値を切り上げていないことから、相場はそろそろ上昇トレンドが終わると予想するということです。

3.ダイバージェンスでトレンド転換を図るには

3-1.テクニカル指標と併用すること

次にダイバージェンスでトレンド転換を図る方法について解説します。

ダイバージェンスでおおよそのトレンドの反転タイミングの目星がつくようになります。しかし、一つのテクニカル指標だけで判断するのは危険です。

ダイバージェンスでトレンド転換を図るために、MACDやストキャスティクスを利用する方法があります。下記表をご覧ください。
MACDやストキャスティクスを利用する方法が
※図はTradingViewより筆者作成

テクニカル指標一つだけの場合は判断を見誤る可能性が高くなります。2つ以上のテクニカル指標を利用してトレード判断を行った方が賢明です。

3-2.移動平均線のゴールデンクロスとデットクロスを利用する

次にトレンド転換を捉えるために移動平均線を利用する方法を解説します。下記のドル円の日足チャートをご覧ください。
ドル円の日足チャート
※図はTradingViewより筆者作成

矢印はダイバージェンスの位置を示しており、ローソク足が下落する過程で、RSIは切り上げています。このタイミングで下落方向から上昇方向にトレンドが変化する兆しがあることが分かります。

では買い戻して利益確定を行いながら、ポジションを全て解消するタイミングはいつでしょうか。ここでは移動平均線を利用して判断します。

赤色の○印がポイントです。25日単純移動平均線と62日単純移動平均線を表示させており、2本の移動平均線がゴールデンクロスしたタイミングを示しています。

ダイバージェンスが発生し、その後ゴールデンクロスした場合、すぐに下落トレンドに戻ってくる期待が小さくなってしまいます。一旦全て撤退するタイミングと考えられます。

方向感を捉えつつ、利益も淡々と細かく利益確定した上で、全て決済するタイミングを計るときに利用できる方法です。

また、62日移動平均線をローソク足が上抜けしてきたタイミングで全て決済するという考え方もあります。

赤色の丸印の少し手前の位置でローソク足が陽線となり、移動平均線を上抜けしてきています。移動平均線よりも上の位置にローソク足が上昇してきたということは、上昇圧力が強まっていると判断できます。一旦ポジションを全て決済する判断ができるのです。

3-3.利益確定のタイミングはエントリーのタイミング

これまで利益確定をどこで考えるかに焦点を当てて解説してきました。実は利益確定するタイミングは、新しくポジションをドテンで保有できるタイミングでもあります。

先ほどの移動平均線で利益確定を行うタイミングで、決済と同時に新しくポジションをロングで持ち直すこともできるのです。当然損切りのラインは最初から決めて行う必要はあるものの、トレンドに乗っていけば売りでも買いでも利益を大きく出すことができるでしょう。

4.まとめ

ここではダイバージェンスで利益確定のタイミングを測る方法を解説しました。長期的な資産運用を行う上でダイバージェンスは便利な判断材料です。他のテクニカル指標と併用して活用してください。

なお、ダイバージェンスは短期的なトレードでは利用できないことに注意してください。長期的に、日足等で利用しましょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12