SEC理事「クリプトママ」が暗号資産の証券性に言及。リップル訴訟後としては初となるコメント

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「クリプトママ」として知られる米国証券取引委員会(SEC)理事のHester Peirce氏が、Forkastのインタビューに答える形で暗号資産の証券性について言及した。

今回のインタビューは、2020年末より話題になっているSECによるリップル社提訴の問題を受けてのものだろう。この訴訟では、XRPが証券に該当するか否かによって結果が変わってくるため、SEC理事の意見には多くの注目が集まった。

そんなPeirce氏は、暗号資産擁護派として業界の発展に長年貢献してきた人物だ。同氏は、特定の暗号資産について言及することは避けたいとした上で、暗号資産の証券性について次のように述べている。

「これはデジタル資産に関する問題にとどまらず、『投資契約』と呼ばれる非常に自由度の高いカテゴリに分類されます。そのため、問題は単純ではなくより広範なものなのです。別の機関によって証券ではないと判断された場合でも、SECが証券と判断すれば、それは証券法の範疇では証券として定義されることになります。現時点で、何が証券に該当するのか判断するのは非常に難しいです。私は、この問題がより明確になることを願っています。」

Peirce氏はこれまでに、DeFiに関する規制の必要性やセーフハーバールールの適用などを訴えてきた。セーフハーバールールとは、規制における特例のことを意味し、緩和された特定の条件を満たすことで法令違反とはしない制度のことである。

セーフハーバールールが存在することにより、黎明期の産業におけるイノベーションを促進させることができると期待されている。Peirce氏は、暗号資産におけるセーフハーバールールとして、プロジェクトが独自トークンを発行してから3年間は証券法の適用外とする、といった提案を行なっていた。トークン発行直後のプロジェクトは、証券法に準拠するための資金や人材が揃っていないことが多く、このままではベンチャー企業を潰してしまう恐れがあるといった主張を展開している。

Peirce氏は、「SECに提訴された場合、賠償金を支払うことによる和解で収まるケースが多いものの、中には法廷決着にまでもつれることもあります。」とプロセスについて言及した。リップル社の訴訟では、2021年2月25日にまずは審理前会議が開催されることが決定している。

Peirce氏は既に2025年までの任期が決まっており、引き続き言動に注目が集まりそうだ。

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株式会社techtec リサーチチーム

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