Web3.0業界に集中的に投資を行っている米大手ベンチャーキャピタルのCoinbase Venturesは1月27日、2021年に行った投資先ポートフォリオを明らかにした。
Coinbase Venturesは、米暗号資産取引所大手Coinbaseのベンチャーキャピタル部門だ。2021年には約150件の新規投資を行い、Coinbase Venturesのポートフォリオに含まれる企業は合計で250社となった。
2021年1月末時点でのCoinbase Venturesのポートフォリオは以下の図の通りである。
最も投資されているカテゴリーは、「DeFi」と「CeFi」だ。DeFiカテゴリーでは、レイヤー1として位置付けられているSolanaやPolkadotなどに展開されているプロジェクトに積極的に投資している。
CeFiカテゴリーでは、暗号資産運用や暗号資産専用の確定申告プラットフォームなどを行う企業に対しての投資実績を持つ。Coinbase Venturesは、暗号資産業界には今後、国ごとにローカライズされたプラットフォームが必要であると考えていることもあり、2021年には特定の地域だけでなく、あらゆる地域の暗号資産関連プロジェクトに投資を行うという。
次に投資件数が多いカテゴリーが「Protocols & Web3 infrastructure」である。2021年には、イーサリアムのレイヤー2ソリューションであるOptimismやArbitrumなどのプロトコルへ投資している。
また、ブロックチェーン上でデータストレージとしての役割を担うArweaveや、DAO(自律分散型組織)の設立をサポートするSyndicateなどのWeb3.0のインフラストラクチャーにも積極的に関わってきた。
「NFT/Metavarse」カテゴリーでは、Coinbase Venturesはそれらの「実用化」という視点から投資を行ってきた。単なる絵画としてNFTを位置付けるのではなく、ゲーム内で使用するNFTアバターや、音声ファイルをNFT化したものなどの実際に利用され得るNFTを開発する企業に注目している。
また、Coinbase Venturesは2022年の暗号資産業界の展望についても触れている。同社によると、2022年はDeFiやNFT、DAOなどの実用化が進んでいくとしており、今後もWeb3.0業界に集中的に投資を行っていくとのことだ。
【参照記事】Reflecting on Coinbase Ventures’ record year in 2021
仮想通貨取引を始めるなら
宮﨑 龍三
最新記事 by 宮﨑 龍三 (全て見る)
- ウクライナ政府、ロシア侵攻を表現したNFT発行を計画 - 2022年3月18日
- 米バイデン大統領、暗号資産関連の大統領令に署名 - 2022年3月11日
- 米Circle社、DeFi API製品の開発を延期 - 2022年3月11日
- 著名DeFi開発者Andre Cronje氏、暗号資産業界から引退か - 2022年3月9日
- 米証券取引委員会、NFTの有価証券性を調査 - 2022年3月8日