米バイデン大統領、暗号資産関連の大統領令に署名

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米バイデン大統領は3月9日、暗号資産に関する大統領令に正式に署名した。暗号資産などのデジタル資産に特化した米大統領令は初の事例となる。

バイデン大統領が署名した大統領令では、デジタル資産とその基盤技術のリスクに対処し潜在的な利益を活用するためのアプローチ概要が示され、「消費者と投資家の保護」「金融安定性」「不正資金」「世界の金融システムにおける米国のリーダーシップと経済競争力」「金融包摂」「責任あるイノベーション」という6つの事項にわたってデジタル資産に関する国家政策が打ち出されている。

大統領令のファクトシート(概要報告書)では、具体的に以下の7つの施策が挙げられている。

  1. 消費者、投資家、企業の保護
  2. 米国と世界の金融安定性の確保とシステミックリスク対策
  3. デジタル資産の違法活動への利用を防ぐこと
  4. 技術と経済で米国がリーダーシップをとること
  5. 安全な金融サービスに公平にアクセスできるようにする
  6. 技術をサポートし、デジタル資産の責任ある利用・発展を実現
  7. CBDCの可能性を探ること

ファクトシートでは、「デジタル資産の台頭は、世界の金融システムと技術的フロンティアにおける米国のリーダーシップを強化する機会を生み出すだけでなく、同時に消費者保護、金融安定性、国家安全保障、気候リスクにも大きな影響を与える」としており、デジタル資産の領域で技術的なリーダーシップを維持していく重要性について述べている。

米国政府は、各省庁や議会と協議してデジタル資産のリスクを避け、責任あるイノベーションを導く政策を確立していくとしている。また、同盟国やパートナーとの連携によるデジタル資産の国家安全保障上のリスクへの対応や、民間セクターとの協業によるデジタル資産の技術的進歩の研究や支援などに、引き続き取り組んでいくとのことだ。今回の大統領令に関して、バイデン大統領は「責任ある決済システムやデジタルアセットの開発を通して、世界の金融システムにおける米国のリーダーシップを強化していくべき」とコメントしている。

ファクトシートでは、昨年11月に時価総額が3兆ドルを突破したことやアメリカ人の約16%(約4,000万人)が暗号資産への投資経験があると回答するなど、デジタル資産の急速な発展の現状についても言及がされている。

【参照記事】FACT SHEET: President Biden to Sign Executive Order on Ensuring Responsible Development of Digital Assets | The White House

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宮﨑 龍三

慶應義塾大学総合政策学部3年。大学では国際政治・経済を専攻中。株式会社techtecでライターインターンとして働く他、仮想通貨ウォレットを内蔵したメッセンジャーツールアプリ「Links」を運営する株式会社Linksにもインターンとして参画している。仮想通貨を含めたブロックチェーン技術以外にも、機械学習、経済学など多種多様な分野への関心が強い。Twitter:@ryuzo10121