米証券取引委員会(SEC)が、NFT(非代替性トークン)プロジェクトの有価証券性を調査していることがわかった。3月2日、米メディアのブルームバーグが報じている。
SECは、NFTの作成者や暗号資産取引所を精査することで、資産の一部が同委員会の規則に抵触していないかどうかを調べている。関係者によると、「本調査の焦点は、絵画やスポーツの記念品などの所有権を示すために使用されるNFTが、従来の証券のように資金調達に利用されているかどうかにある」という。
過去数カ月にわたり、SEC執行部門の弁護士は複数のプロジェクトに対して、トークン販売に関する情報を要求する召喚状を送っている。また調査の一環として、SECは資産を簡単に売買可能な単位に分解する「フラクショナルNFT」に関する情報を求めているとされている。
NFTの人気は昨年爆発的に上昇し、数百万ドルの売り上げや著名人による売買で注目を集めた。NFTの支持者は物理的な収集品の表現としての役割に加え、複製できない本物のデジタル証明書としての価値を謳っている。
昨今、NFTを含むデジタル資産の法的扱いが争点となっている。今回の調査により、デジタル資産が有価証券であると判断された場合、株式と同様の規則が適用されるため、デジタル資産を展開することが困難になると見られている。
SECは、1946年の連邦最高裁判決に由来するいわゆる「Howeyテスト」を適用して、NFTが証券に該当するのかを判断している。この枠組みでは、投資家が企業から利益を得ることを意図して資金を投入する場合、その資産はSECの管轄下に置かれることになっている。
暗号資産に肯定的なSECのHester Peirce氏でさえ、NFTに関しては一定の基準を満たす必要があるとの見通しを示している。
また共和党員のPeirce氏は12月、CoinDesk TVの番組「First Mover」内で「NFTの広がりを考えると、その一部は我々の管轄内に入るかもしれない」と発言している。また、NFTが証券規制体制とぶつかる可能性についても考慮する必要があると言及した。
【参照記事】SEC Scrutinizes NFT Market Over Illegal Crypto Token Offerings – BNN Bloomberg
宮﨑 龍三
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