著名DeFi開発者Andre Cronje氏、暗号資産業界から引退か

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暗号資産Fantom(FTM)関連プロジェクトの開発に携わるAndre Cronje氏は3月6日、同僚のAnton Nell氏と共に、暗号資産業界から身を引く意向をTwitter上で表明した。この発表に伴い、FantomエコシステムのTotal value locked(TVL)は急落している。

暗号資産関連データサイトDefiLlamaによると、Fantom DeFiエコシステムのTVLは24時間で20%以上減少した。この推移は、Fantom財団のNell氏が今回のツイートを公表した時間帯と一致している。

また、Fantomのネイティブトークン「FTM」や同氏らが開発を担ってきたyearn.financeのトークン「YFI」の価格も13〜15%程度下落した。Fantomの取引手数料は、トランザクション急増の影響を受けて、一時的に1万Gwei(編集部注釈:イーサリアム上でトランザクションを実行する際に必要となる手数料である「ガス代」の単位)を超えていた。現在は、2,000Gwei程度に下がっている。

同氏らは現在のところ、暗号資産業界から身を引くことの理由などについて公にしていない。なお、Cronje氏は、昨年にもDeFi業界から身を引くとの報道がされていた。

Nell氏のツイートによると、暗号資産業界からの撤退のみならず、最近リリースしたSolidlyを含む25のアプリとサービスを4月3日に閉鎖することも同時に公表している。Solidlyのリリースは、Fantomが一時的にレイヤー1チェーンの中で3番目に大きなDeFiエコシステムとなったことに大きく貢献していた。

Cronje氏の引退報道を受けて、SolidlyとそのイールドオプティマイザープロトコルSolidexは、Fantomエコシステム内で最もTVLが減少するという結果になった。

なお、今回Nell氏が閉鎖を発表したのは、これらのDeFiプロトコルへと繋がるフロントエンドのアプリケーションやウェブサイトであり、プロトコル自体ではない点に留意する必要がある。

Fantom財団によれば、同氏らの引退はFantomネットワークの死期を告げるものではないとのことだ。また同財団は、チェーン上の開発はCronje氏の撤退によって影響を受けることはないと述べている。

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【参照記事】Fantom TVL slumps as colleague tweets Andre Cronje is quitting DeFi

最終更新日時:2022年3月10日19時09分:Gweiに関して編集部注釈、および関連記事リンクを追記しました。

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宮﨑 龍三

慶應義塾大学総合政策学部3年。大学では国際政治・経済を専攻中。株式会社techtecでライターインターンとして働く他、仮想通貨ウォレットを内蔵したメッセンジャーツールアプリ「Links」を運営する株式会社Linksにもインターンとして参画している。仮想通貨を含めたブロックチェーン技術以外にも、機械学習、経済学など多種多様な分野への関心が強い。Twitter:@ryuzo10121