国際連合(UN)が、気候変動対策にブロックチェーンが有効だと唱える声明を6月20日に公表した。主に3つの市場でブロックチェーンが効果的だという。
国連は、ビットコインなどの暗号資産による環境への悪影響についてここ最近さらに多くのメディアで取り上げられており、ボラティリティの大きさも懸念材料の一つだと主張した。一方で、その根幹にあるブロックチェーンは持続可能な世界の実現に向けて大きな利益をもたらす可能性があるとの見解を示している。
国連は、透明性、気候ファイナンス、クリーンエネルギーの市場において、ブロックチェーンが効力を発揮する可能性が高いと主張。次のように説明している。
- 透明性:各国から公表されている温室効果ガス排出量のデータは信頼性が低い。ブロックチェーンを活用することで、正しいデータを改ざんされない形で公表することができる
- 気候ファイナンス:ESG投資の文脈から、企業や産業が低炭素技術へシフトできるよう資金が流入する
- クリーンエネルギー:風力や太陽光などの再生可能エネルギーの供給源は、性質上既に分散化されているため、ブロックチェーンとの相性が良いと言える
ビットコインのようなPoWを採用しているブロックチェーンを動かす場合、マイニングによる膨大な電力消費が懸念されている。この問題に対しては、イーサリアムがPoSへの移行を進めており、PoSへの移行により99.95%の電力を削減できるとの調査結果も公表していた。国連の声明でもこの点について触れており、業界の多くのプレイヤーは消費されるエネルギーが無炭素であることを保証したいと考えていると言及している。
2021年4月には、Energy Web Foundation、Rocky Mountain Institute、Alliance for Innovative Regulationsの3つの組織が中心となってCrypto Climate Accordを発足させている。これには、ConsenSysやWeb3財団、Rippleなどが参画している。
【参照記事】Sustainability solution or climate calamity? The dangers and promise of cryptocurrency technology
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