暗号資産とFXの違いは?メリット・デメリットを初心者向けに解説

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FXも暗号資産も両方興味があり、やってみたい思っている方は多いのではないでしょうか。2022年8月現在、仮想通貨は現在冬の時代を迎えています。底が見えない一方で、今が投資を始めるか考える機会と捉えることもできるでしょう。

ここでは仮想通貨とFXの投資に関しての違いを解説していきます。

※本記事は8月24日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 1.暗号資産とFXの違いは?
    1-1.暗号資産とはインターネット上でやりとりできる財産的価値
    1-2.FXとは外国為替取引
  2. 暗号資産とFX取引の違いを5つ紹介
    2-1.値動きが大きく異なる
    2-2.流動性(取引量)が異なる
    2-3.通貨金利
    2-4.流出リスク
    2-5.税金
  3. まとめ

1.暗号資産とFXの違いは?

まずは暗号資産とFXの違いを確認していきます。

1-1.暗号資産とはインターネット上でやりとりできる財産的価値

日本銀行の「Q.暗号資産(暗号資産)とは何ですか?」によると、暗号資産はインターネット上でやりとりできる財産的価値です。資金決済に関する法律では以下のように定義されています。

  1. 不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
  2. 電子的に記録され、移転できる
  3. 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない定義付けがされています。

日本では、暗号資産の取引は金融庁、財務局の登録を受けた暗号資産交換業というライセンスを取得している暗号資産取引所が事業として行うことが認められています。その他の場所では、売り買いの提供は認められていません。

暗号資産は元々ボーダレスな世界の中で生まれています。日本の暗号資産に慣れているユーザーには、海外の暗号資産取引所を利用する場合もあります。

1-2.FXとは外国為替取引

FXとは「foreign exchange」の略であり、外国為替取引を指しています。外国為替取引とは各国の通貨を売り買いする取引であり、為替レートを変動を利用して利益を出すための取引です。

FXの場合はレバレッジという仕組みがあります。レバレッジを利用することによって、自己資本以上のリスクを取って運用することができるため、資金効率がいいと言われています。

外国為替市場の取引量はとても多く1日に巨額の資金が動いています。投資家は機関投資家やヘッジファンドと言われる為替差益を狙ったプレイヤーや、貿易のための企業のフロー、個人投資家のポジション等様々なプレイヤーが入り混じって出来上がっている市場です。

2.暗号資産とFX取引の違いを5つ紹介

暗号資産とFX取引の違いについて説明します。

2-1.値動きが大きく異なる

最初の違いは値動きの幅です。

下記は、2020年ごろからのビットコインとドル円のチャートです。
ドル円とビットコインチャート
※図はTradingViewより筆者作成

右軸が動いた幅をパーセンテージで示しています。ご覧のようにビットコインは一時600%を越える場面もある一方、ドル円は最近の円安で大きく動いたと言っても20%超に留まっています。

為替の世界で20%は大きい値幅です。反対に、暗号資産市場の20%は一日で動く標準的な値幅です。ドル円が1年間かけて動く値幅を、暗号資産は1日で動くことがある点は認識しておきましょう。

2-2.流動性(取引量)が異なる

暗号資産とFXでは取引量が異なります。値幅にも関連しています。取引量は流動性とも言われます。流動性が低い投資対象は、値幅が大きくなる特徴があります。

FXの場合は、売りたい・買いたい水準で取引を指定することができます。一方で暗号資産の場合は、急な変動が起きた場合、損切り注文(逆指値注文)を入れていたとしても、異なる価格で注文が成立することがあるのです。暗号資産の場合、価格が1万分の1に急落することもありえます。急に売れることもあるため、暗号資産の方が流動性リスクは高いでしょう。

FX投資家にとって暗号資産の値幅は大きく、リスクコントロールで失敗してしまうこともあります。リスクコントロールに注意して取引を行いましょう。

2-3.通貨金利

暗号資産とFXの次の大きな違いは、金利の有無です。

FXの場合は各国の政策金利に連動してスワップポイントが計算され、高金利通貨をロングにすれば日々スワップポイントを享受できます。2022年8月現在、日本は緩和路線を継続しているのに対して、世界中の中央銀行がインフレ対策のために政策金利を引き上げています。海外通貨をロングして日本円をショートするポジションを取れば、スワップポイントを受け取ることが可能です。

一方で暗号資産の場合は金利が存在しません。保有するだけで得られるものはなく、利益を出す方法は、売買しかないのです。長期的な資産形成を考える上で、金利は大事な要素のため、これらを把握した上で取引をしましょう。

2-4.流出リスク

流出のリスクの有無も異なる点です。

FXの場合は投資家保護の観点により、入金している日本円は守られる、保険のような制度があります。海外FXは対象外となるものの、日本のFX会社での資産は守られているのです。詳しくは「外国為替証拠金取引について 証拠金の管理方法」をご覧ください。

一方で暗号資産取引所は、財産がインターネット上にあるためハッキングのリスクが存在します。ハッキングとは、インターネット上にある暗号資産が入っているウォレットに勝手に侵入し、送金されるなどで財産を奪われることです。暗号資産特有のリスクと言えるでしょう。

日本の暗号資産取引所では、個人投資家保護の観点から、厳しいセキュリティや対策が講じられています。しかし、個人のウォレットで管理する場合は自己責任になります。

2-5.税金

2022年8月時点、FXの場合は税金が申告分離課税で計算されるため、必要なのは20.315%の税金のみとなります。暗号資産の場合は雑所得で計算されるため総合課税です。利益が出れば出るほど課税され、最大55%も課税されます。

少額の利益の場合なら問題ないものの、暗号資産の場合は急激な価格の変化で予想外の利益が出る可能性もあります。多額の利益が出た場合でも、累進課税であることを知っておきましょう。

3.まとめ

暗号資産とFXの違いについてまとめました。両社の違いは、メリットとデメリットと捉えることもできます。筆者個人としては、FXの方が初心者にとって取り組みやすい条件が揃っていると考えます。

資産運用の場合は大きな値幅は必要ありません。また、セキュリティやウォレット管理のリスク等暗号資産特有のリスクも存在するため、想定外の損失を被る可能性があります。税金面でも、FXの場合は20.315%のみが課税対象となる一方で、暗号資産の場合は計算が複雑なケースもあります。税金面まで理解してから取引を始める必要があるのです。

資産運用で長期的な運用を行う場合、FXのスワップポイントは強い武器になります。初心者はまず、FXで長期的にスワップポイントを得る資産運用を検討してみましょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12