テクニカル分析に興味があるものの、上手く活用できていないFX初心者は、多いのではないでしょうか。
本稿では、プロトレーダーの筆者が、テクニカル分析を利用する際のポイントと、トレンドを判断する方法を解説します。2023年11月現在のドル円市場のポイントも解説しますので、是非参考にしてみてください。
※本記事は2023年11月14日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- テクニカル分析のポイントを4つ紹介
1-1.テクニカル分析に必勝法はない
1-2.トレンドの転換点の予想に活用
1-3.短期・長期で指標を使い分ける
1-4.ファンダメンタルズ分析と併用する - テクニカル分析の活用方法
2-1.ダイバージェンスでトレンドを判断
2-2.ドル円のトレンドを分析 - まとめ
1.テクニカル分析のポイントを4つ紹介
テクニカル分析を利用する上で、知っておきたいポイントを4つ紹介します。
1-1.テクニカル分析に必勝法はない
テクニカル分析には、必ず勝てる組み合わせは存在しません。テクニカル分析はあくまで勝率を上げるためのものであり、必勝法を探すためのツールではありません。
もしも必勝法があれば、投資のプロたちが使い続けており、市場から撤退する人はいないでしょう。必勝法を探すよりも、リスク管理の方法を学び、長く相場で利益を出す方法を考えましょう。
1-2.トレンドの転換点の予想に活用
テクニカル分析は、天井と大底を当てるためではなく、トレンドの転換点を予想するために利用しましょう。
トレードを行う際には、短期的に反対方向で推移する可能性も考慮し、エントリーを分散する、ドローダウンの幅を考えるなど、リスク量を調整してください。
1-3.短期・長期で指標を使い分ける
短期的な視点と中長期的な視点では、利用しやすい指標が異なります。テクニカル分析を行う際には、まずは短期目線のトレードか中長期目線のトレードかを明確にしましょう。
中長期的な視点で使いやすい指標として、MACDがあります。プロトレーダーの筆者としては、MACDは5分足のチャートでは機能しないと考えます。
テクニカル指標は、時間軸ごとに使い分けましょう。
1-4.ファンダメンタルズ分析と併用する
テクニカル分析のみで、トレードはできるという意見もあるものの、ファンダメンタルズ分析を取り入れた方が、勝率は上がるでしょう。
プロトレーダーの筆者は、ファンダメンタルズ分析でトレンドを判断し、エントリーポイントをテクニカル分析で見付けています。テクニカル分析のみでトレードするよりも、無駄なトレードが大きく減少しました。
2.テクニカル分析の活用方法
2-1.ダイバージェンスでトレンドを判断
※図はTradingView[PR]より筆者作成
上記では、ユーロドルのチャートに、ダイバージェンスを表示しています。ダイバージェンスとは、オシレーター系の指標が、相場とは逆方向に動く状態を指し、トレンド転換の兆候を捉えるために利用します。
教科書的には、「RSIが70以上なら割高であるため売りから入る」、「ストキャスがデットクロスしたタイミングで売りから入る」などと言われています。筆者は、オシレーター系の指標を参考にして、買われ過ぎだから、売られ過ぎだからとポジションの方向性を決めてエントリーすることは多くありません。RSIが70以上からロングでエントリーすることも多くあります。
しかし、オシレーター系の指標の活用方法の中でも、ダイバージェンスは利用しやすく、高い確率でトレンド転換を捉えてくれると感じています。
上記のチャートをご覧ください。ローソク足が上昇している中、オシレーター系の指標であるRSIとストキャスティクスが切り下げています。オシレーター系の指標が高値切り下げ型となっており、上昇トレンドから下落トレンドに転換するタイミングが近づいていると判断できます。
2-2.ドル円のトレンドを分析
2023年11月現在の、ドル円の日足チャートをご覧ください。
※図はTradingView[PR]より筆者作成
オシレーター系の指標は、RSIのみを表示させています。ドル円が、2022年の最高値の水準まで迫っている点が、チャートのポイントです。
2022年の最高値の水準は、大きなレジスタンスラインとなると判断できるため、上昇トレンドが、このレジスタンスラインで止まるかどうかにまず注目します。
ファンダメンタルズを考えると、日米金利差が拡大している中では、円買い圧力が継続的に高まるとは考えにくく、押し目でドル円を買いたい投資家が多い状況です。
しかしテクニカルで見ると、ローソク足が上昇している中で、RSIの上値は切り下がっています。オシレーター系の指標と相場が逆の動きをしており、そろそろトレンド転換すると考えることができます。
2022年のレジスタンスラインまで到達しかけており、上昇が止まりやすい位置となっています。また2023年11月現在の円安水準では、為替介入について「スタンバイしている」というコメントが財務省高官から出ていることから、いつ為替介入が発生してもおかしくない状況です。
参考:ブルームバーグ「為替介入にスタンバイ、1ドル=151円台で「背景に投機」-財務官」
そのためロングポジションの構築を狙うよりは、ショートポジションを構築した方が、大きい値幅を取れる可能性があるため、リスクリワードが良いと判断することもできるでしょう。
ただし、ダイバージェンスの発生を根拠に、無闇にエントリーすると損失を被る可能性が高くなります。あくまでもエントリーのヒントとして、ダイバージェンスを利用しましょう。
エントリーの際には、事前にターゲットと損切りの位置を決めてから、複数回に分けてエントリーしましょう。ターゲットと損切りの位置を設定する際には、利益と損切の幅を2:1や3:1のように、利益の幅が大きくなるように設定してみてください。
3.まとめ
本稿では、テクニカル分析の考え方と活用方法を解説しました。
筆者の見方を参考にしつつ、色々な視点から分析し、トレード戦略を立ててみてください。
中島 翔
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