FXのテクニカル、マルチタイムフレーム分析のやり方は?使い方をプロトレーダーが解説

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相場の世界では色々な分析手法があります。テクニカル分析だけでも千差万別あるため、これから投資を行おうと考えている方の中には、どのような手法を使ってトレードするか迷われる方もいるでしょう。

一人一人の個人的な性格や生活等からトレードスタイルも異なってきます。一方で相場において大切な共通項はいくつも存在します。

ここでは筆者が大切にしている「マルチタイムフレーム分析」を解説します。

※本記事は7月29日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. マルチタイムフレーム分析
    1-1.マルチタイムフレーム分析の概要
    1-2.マルチタイムフレーム分析の基本的な行い方
  2. マルチタイムフレーム分析の注意点
    2-1.長い時間足の方向性には逆らわないこと
    2-2.マルチタイムフレーム分析のみでトレードしないこと
  3. TradingviewのMPTCを利用しよう
  4. マルチタイムフレームを取り入れた手法紹介
    4-1.MPTCと移動平均線を併用する方法
    4-2.フィボナッチと移動平均線を併用する方法
  5. TradingviewはみんなのFXで利用可能

1.マルチタイムフレーム分析

1-1.マルチタイムフレーム分析の概要

マルチタイムフレーム分析とはチャート上で色々な時間軸で設定を行う分析手法です。一つの時間軸でトレード判断やトレンド判断を行うのではなく、色々な時間軸をみながらトレンドを判断し、短い時間軸でエントリーのタイミングを図るようにします。

マルチタイムフレーム分析は「木を見て森を見ず」にならないことがメリットです。FXのチャート分析を行う際、よく「騙し」というものが発生します。

特に短い時間軸でチャートを分析すればするほど騙しの回数は多くなります。大きな時間軸から相場の方向性を判断してチャートを俯瞰してチェックすることで、相場で予想する方向性を間違える回数が減少し、無駄なエントリーを減らすことができます。

1-2.マルチタイムフレーム分析の基本的な行い方

次にマルチタイムフレーム分析の行い方について解説します。基本は時間軸の長いチャートから見ていくことになります。

マルチタイムフレーム
※図はTradingViewより筆者作成

上記はドル円の日足チャートです。移動平均線を2本を載せており、ゴールデンクロスしているため明確な上昇トレンドが分かります。

4時間足
※図はTradingViewより筆者作成

次に4時間足です。直近は上昇トレンドの中でその前は横ばいで推移していることがわかります。

15分足のチャート
※図はTradingViewより筆者作成

最後に15分足のチャートです。15分足のチャートで見ると上昇トレンドから横ばいに変化しています。

つまり日足と4時間足チャートでは上昇トレンドであるものの、5分足では横ばいで推移しています。そのため、大きなトレンドは上昇トレンドの中にいるということを理解しつつ、15分足でエントリーポイントを探るというのが基本的な見方です。

あくまで基本の見方であり、マルチタイムフレーム分析は単純に長期足や中期足でトレンドを捉えつつ、短い時間軸のチャートでエントリーのタイミングを伺います。

2.マルチタイムフレーム分析の注意点

2-1.長い時間足の方向性には逆らわないこと

初心者がマルチタイムフレーム分析を行うときに、注意すべき点は「長期の時間足のトレンドに逆らわないこと」です。まずはトレンドフォローでエントリーをしていくのがセオリーであり、損失を出す可能性を低くするにはこの方法が最善策でしょう。

トレンドフォローでも、どのような方向性でエントリーすればトレンドフォローなのかわからない方もいると思います。その場合は上記では日足チャート、もしくは日足チャートと4時間足のチャートが合致してれば、その方向性のみでエントリーするということが大切です。

上記のチャートの場合は日足、4時間足共に上昇方向のため、15分足ではショートでエントリーしないということになります。常に日足の方向性と4時間足の方向性が合致しているか確認してからエントリーするといいでしょう。

2-2.マルチタイムフレーム分析のみでトレードしないこと

次の注意点はマルチタイムフレーム分析のみでトレードを行わないことです。基本的には、一つのテクニカル指標でトレードができるというわけではありません。

投資初心者の場合は常に一つの材料だけでトレードすることはせずに、マルチタイムフレーム分析で方向性を定めましょう。短い時間足で分析を行う場合にチャート上で移動平均線やオシレーター系のテクニカル指標等を併用して、より精緻な分析を行うように心かげてください。

3.TradingviewのMPTCを利用しよう

次にマルチタイムフレーム分析を一つの画面で利用する方法について解説します。

Tradingviewの機能の中でMPTCというものがあります。MPTCとは「マルチタイム期間チャート」と言われるものです。

マルチタイム期間チャート
※図はTradingViewより筆者作成

上記のようにMPTCを表示させて期間を設定すると、その期間内における高値と安値が箱の形で現れるようになります。例として上記は1日の高値と安値を箱で囲われており、チャートの設定した時間軸は1時間足です。

つまり日足の方向性をMPTC(箱で示された範囲)で確認しながら1時間足も一緒にチェックすることができるため、エントリーのタイミングを図りやすくなります。

4.マルチタイムフレームを取り入れた手法紹介

4-1.MPTCと移動平均線を併用する方法

次に上記のチャートで表示しているように移動平均線とMPTCの組み合わせは初心者でも利用しやすいでしょう。

MPTCでは日足を見ると上昇トレンドとなっています。どこでロングポジションを構築していくべきか判断する必要が短い時間足のチャートで考える必要があります。

上記のチャートでは移動平均線の25日(青色)と50日(黄色)を表示させており、黄色の移動平均線で綺麗にローソク足が下げ止まっていることがわかるでしょう。つまり上昇トレンドで判断している場合は黄色の移動平均線にタッチすればエントリーするというルールでトレードを行うだけでもトレンドに乗れるということが上記のチャートから理解できます。

4-2.フィボナッチと移動平均線を併用する方法

フィボナッチと移動平均線を併用する方法
※図はTradingViewより筆者作成

上記はみんなのFXを利用したTradingviewです。最初の黄色の移動平均線である青色の○印が最初のエントリーポイントになります。

しかしここで全て利用できる証拠金を利用して、エントリーすることは絶対に行ってはいけません。常にリスク分散をする必要があり、エントリーも時間分散と価格分散を行うということが必要ということを理解しておきましょう。

もしもこの水準から、さらに下落した場合はフィボナッチの紫の○印が次のエントリーポイントになります。複数回ポイントを決めてエントリーすることで損失は最小限に留めることができ、また利益が出た場合は大きく利益を伸ばすことが可能になります。

5.TradingviewはみんなのFXで利用可能

みんなのFXではTradingviewを利用することができるようになりました。テクニカル分析においてTradingiviewはとても便利であり、筆者も重宝しています。

残念ながらMPTCの利用は無料版ではできませんが、その他の機能でも使いやすい機能が揃っているため是非利用しながらTradingviewに慣れてもらうといいでしょう。

みんなのFXの場合は口座開設のみで無料で利用できるため、利用開始の検討を進めてみてください。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12