FXを始めとする投資は、証券会社に資金を預託する必要があることから、企業としての信頼性も重要なポイントになってきます。今回解説する松井証券は1918年に創業しており、長年の経験からサービスを提供しています。
本記事では、取引条件やスペックを踏まえ、「松井証券に向いている・向いていないトレーダー」という観点からどのようなユーザーにマッチしているかどうかを説明します。現在FX口座の開設を検討している方は参考にしてください。
目次
- 松井証券のFXについて
- 松井証券のFXのメリットは?
2-1.最小1通貨からの少額取引ができる
2-2.高水準のスプレッドでスキャルピングができる
2-3.ロスカット水準を50%~90%に設定できる
2-4.初心者向けの情報コンテンツが豊富 - 松井証券のFXのデメリットは?
3-1.取扱い通貨ペア数が20種類とは比較的少ない
3-2.スワップポイントは他社と比較して高くない
3-3.中上級者向けの情報コンテンツが少ない - スキャルピングトレードとは
- 松井証券のFXが向いているトレーダーは?
- まとめ
1.松井証券のFXについて
最小取引単位 | 1通貨 |
主要通貨スプレッド | ・ドル円0.2~0.9銭 ・ユーロ円0.5銭 ・ポンド円1.1銭 ・豪ドル円0.7銭 ・NZドル円1.2銭 |
レバレッジ | 最大25倍 |
スワップポイント | ・ドル円買い:212円 ・ユーロ円買い:141円 ・ポンド円買い:230円 ・豪ドル円買い:103円 ・NZドル円買い:133円 ・ランド円買い:16円 |
取引ツール | PC ・FXトレーダー・プラス スマホ ・松井証券のFXアプリ |
分析ツール | マーケットラボ ・QUICK情報 ・ネットストックトレーダー ・ネットストックトレーダー・プレミアム |
デモ口座 | 利用可 |
ロスカット水準 | 50~90% |
最大注文数量 | 1注文200万通貨 |
スキャルピングトレード | 可 |
※スプレッドは原則固定
※2024年6月18日時点
松井証券のFXは、2021年2月にNetFXが終了し、サービスをリニューアルしました。業界最狭水準のスプレッドに加えて、松井証券のFXの最小取引単位は1通貨に設定されており、100円から取引可能です。そのため、少ない金額から投資を始めれば、トレードに失敗した場合でも損失が少なく済みます。
また、松井証券のFXの取引ツールは初心者でも扱いやすいシンプル仕様となっています。テクニカルチャートは高精度の分析に役立つ移動平均線・ボリンジャーバンド・RSIが利用でき、インターバンクの価格を最短0秒でチャートに反映する高機能サーバーを実装しています。中上級者にとっても、メイン口座として愛用していくことのできるスペックとなっています。
一方、取扱い通貨ペアは20種類と少ない印象であり、スワップポイントに関しても特筆して高い水準ではない点は注意しましょう。
2.松井証券のFXのメリットは?
ここからは松井証券のFXのメリットについて見ていきましょう。投資する上で関わる部分となるため、理解しておくと良いでしょう。
2-1.最小1通貨からの少額取引ができる
松井証券の最小取引単位は1通貨に設定されていることから、数千円あれば安全圏、数百円でも十分有効なトレードが可能です。取引単位毎の必要証拠金は以下の通りであり、FX会社で多く採用されている1,000通貨とは大きな差があることが分かります。
通貨単位 | 必要証拠金(ドル円) |
---|---|
1通貨 | 6円 |
1,000通貨 | 6,000円 |
10,000通貨 | 60,000円 |
※1ドル=150円、レバレッジ25倍の場合
投資信託の積立のように、まずは500円程度から始めるというのも有効な投資戦略となりますので、少ない金額から始めたい初心者とってメリットのある仕様です。
2-2.高水準のスプレッドでスキャルピングができる
スキャルピングは上級者向きのスタイルと言われており、FX会社のサーバーに負荷がかかることなどから禁止ている場合もありますが、松井証券においては利用が認められています。
また、業界最狭水準のスプレッドと一緒に利用することで取引コストを抑えながら細かく取引を積み重ねていくことができるでしょう。
2-3.ロスカット水準を50%~90%に設定できる
FX会社の多くは100%に設定されているロスカット水準ですが、松井証券では50%~90%の間でトレーダーの自由に設定することができます。
最下限にしてロスカットまでに余裕を持たせれば効果的なリスクヘッジに繋がる一方、最大限にしてロスカット執行後に残る資金を少しでも多くする等の調整もできるため、トレーダーにとっては大変便利なサービスとなっています。
2-4.初心者向けの情報コンテンツが豊富
松井証券のFXは、FXを検討している方に向けた動画など、コンテンツが豊富です。そのため、どのように情報収集をすれば分からないという初心者の方でも、手軽に情報収集することができます。
3.松井証券のFXのデメリットは?
次に、口座開設前に把握しておくべきデメリットについて解説していきます。
3-1.取扱い通貨ペア数が20種類とは比較的少ない
国内のFX会社では30種類程度の通貨ペアを取り扱っている場合もありますが、松井証券は20種類となっているため、マイナー通貨をトレードしたい方にとってはデメリットとなります。
一方で、ドル円やユーロドル等のボラティリティの高いメジャー通貨は揃っており、ランド円やトルコリラなどの新興国通貨もトレード可能です。そのため、一般的な通貨をメインにしているトレーダーや初心者のトレーダーにとって大きな問題には繋がりにくいポイントです。
3-2.スワップポイント水準は他社と比較して高くない
松井証券のFXのスワップポイントは決して低くはありませんが、裏を返せば高い水準ではなく、スワップトレーダーにとっては少々マッチしていないスペックとなっています。
しかし、あくまでも水準の高いFX口座と比較した場合のデメリットのため、通常のトレードスタイルであればそこまで気にする必要性はありません。むしろスイングトレードで長期保有する場合のコストに関しては問題なく抑えられる水準を保っています。
3-3.中上級者向けの情報コンテンツが少ない
松井証券のFXは、初心者向けに「FXのススメ」や「マネーサテライト」といった情報コンテンツを展開しています。他社と比較しても充実した内容になっていますが、ある程度スキルの身についた中上級者には物足りない可能性があります。
しかし、専門性の高い情報については、無料で専門家の情報を見ることができるため、それらを併用すれば大きなデメリットにはならないでしょう。
4.スキャルピングトレードとは
FXトレードには、様々な時間軸があります。スキャルピングはその中でも、一番短い時間で取引を完了させるトレード手法です。
スキャルピングは数秒から数分で売り買いを完了させ、細かな値動きを狙って1日に何度もトレードを繰り返し、小さな利益を積み上げていきます。短い時間でトレードが完了するため、ファンダメンタルズ分析ではなく、テクニカル分析のみでトレードするトレーダーが多い傾向があります。
ただし上級者向けの手法であるため、FX初心者の場合は、トレードに慣れてから挑戦しましょう。
5.松井証券のFX、向いているトレーダーは?
松井証券には創業から100年以上経営しているという実績があり、最小取引単位とロスカット水準も低く設定されていることから、資産を守りながら運用したいトレーダーや少額からFXを始めてみたいトレーダーは松井証券が向いています。
その上、利便性の高いツールや情報が豊富なため、初心者が最初に解説するFX口座としても使いやすく、ある程度スキルが身についてからも長く愛用していけるスペックとなっています。
また、スキャルピングトレーダーにとっても、狭いスプレッドと合わせて利便性が高い仕様になっています。
反対に、松井証券はトータルバランスに優れたスペックを提供している一方、スワップポイントや取扱い通貨ペアに関しては平均的な水準となっています。
したがって、スワップトレーダーやマイナー通貨も並行してチャレンジしたい方は松井証券は向いておらず、上級者向けの自動売買ツールを利用したい方には物足りない可能性があります。
6.まとめ
今回は特徴やメリット・デメリット、松井証券のFXに向いている・向いていないトレーダーを解説してきました。
松井証券のFXは、マイナー通貨やスワップポイントを目的としたトレーダーにとっては物足りないかもしれませんが、100年以上続いている運営体制やスプレッド、最小取引単位等は業界でも高い水準となっています。
これからFXを始める方の中には、「資産を失うかもしれない」という不安をお持ちの方もいると思いますが、松井証券のFXであれば1通貨(数百円)の少額で始めることができ、ロスカット水準なども利用すればローリスクで取引することができます。
記事を参考にまずはデモトレードの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
中島 翔
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