スイス証券取引所(SIX Swiss Exchange)がイーサやXRPに連動するETP(上場投資商品)立ち上げに向けて取り組みを進めている。各メディアが報じている。SIXは2月26日にビットコインETP、3月5日にイーサ(ETH)に連動するETPの立ち上げを発表していたが、3月11日にはXRPのETP立ち上げも進んでいることがCoinDeskにより報じられている。
ETPは、Exchange Traded Product(上場取引型金融商品)の略称で、ETF(上場投資信託)、ETN(上場投資証券)、ETC(コモディティ上場投資信託)を総称する金融商品だ。ETPは原資産よりも流動性が高いという特徴をもっている。そのため、投資分散目的や一時的なポジション構築といった目的で、機関投資家も利用しやすい。
ETPを組成したAmun AG社CEOのHany Rashwan氏は2018年11月、複数仮想通貨ベースETP上場の報道があった際に、「仮想通貨のETPは従来のETPと同様に厳しいポリシーに適合するよう構築されている。これにより投資家は適切な規制が敷かれた環境下での取引が可能となる」と発言していた。
スイスのツーク州は、フィンテック企業が多く進出しており、「クリプトバレー」と呼ばれている。スイスでは、仮想通貨取引向けの銀行口座を解説するガイドラインやICOのガイドライン策定にいち早く取り組んだ他、ブロックチェーンを用いた住民投票の実証実験を行うなど、金融規制とフィンテック企業のビジネス環境を両立させる取り組みが進んでいる。
SEC(米国証券取引委員会)のビットコインETFに対する厳しい姿勢と対象的なSIXの動きは、スイスの仮想通貨ビジネスに対する期待の裏返しとも言える。規制と新興のはざまで揺れるスイスの取り組みは仮想通貨・ブロックチェーンにどのような影響を与えていくのか、今後の動きに注目していきたい。
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立花 佑
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