PayPalが暗号資産の出金機能を提供開始する予定であることを、5月27日に明らかにした。米暗号資産メディアCoinDesk主催のカンファレンスConsensusで発表している。
PayPalの暗号資産・ブロックチェーン事業責任者を務めるJose Fernandez da Ponte氏によると、リリース時期については明確になっていないものの、出金機能を実装する計画を立てているという。
現状のPayPalでは、PayPalプラットフォーム内での暗号資産売買や決済での利用が可能となっている。対応している通貨は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)だ。
PayPalで暗号資産の出金機能が開始された場合、PayPalプラットフォーム内に閉じて流通していた暗号資産が外部へ出てくることになり、市場全体の流動性が高まることが期待できる。
Ponte氏はPayPalの方針について、「PayPalを顧客にとって可能な限りオープンなサービスにすることで、より多くのオプションを提供していきたいと考えている。この考えが前提にある限り、暗号資産の出金機能を提供することはごく自然な流れだと言えるだろう。」と言及した。
PayPalは、暗号資産市場への参入に伴いPaxosと提携することで事業を開始している。そのため、Paxosへの依存度が高く柔軟に事業を展開することができていない状態だった。そこで2021年に入り暗号資産カストディ企業のCurvを買収することで、自社完結型の暗号資産事業を行うための基盤を整えてきている。
セッションの中では、5月初旬に報じられたPayPalの独自ステーブルコイン発行計画についても触れられている。当時の報道では、パブリックブロックチェーンAvalancheを開発するAva Labsなどをはじめ、複数のプロトコル開発企業と共にステーブルコインに発行に向けて調査しているとされていた。
これに対してPonte氏は、「それについては答えるのは時期尚早だ」と述べている。同氏はステーブルコインへの発言に合わせてCBDCへの見解についても触れ、「ステーブルコインとCBDCのどちらかが支配的な存在になることは考えにくい」と発言した。CBDCの一般利用が開始された際には、PayPalが民間への普及をサポートする役割を担うことになるとの構えを示している。
【参照記事】CoinDesk PayPal Will Let Customers Withdraw Crypto, Exec Says
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