一般社団法人日本暗号資産取引業協会(以下、JVCEA)は2月20日、JVCEAに所属する会員の2018年12月分取引データを公表した。この統計資料は、国内の仮想通貨交換業社16社とみなし業者2社から提出された報告などをもとに作成されている。
公開された資料によれば、2018年12月の現物取引金額は7,774億円、証拠金取引8兆4,152億となっている。仮想通貨交換業者がユーザーから預かる預託金残高は計2,786億円(仮想通貨2,069億円、現金716億円)だった。仮想通貨口座数は約287万口座で、月内に取引がある稼働口座は161万口座となった。現物取引高が多かった仮想通貨は、1位がビットコイン(BTC)で4,051億円、2位がXRPで3,051億円、3位がビットコインキャッシュ(BCH)で300億円、4位がイーサリアム(ETH)で213億円と続いている。
証拠金取引利用ユーザーがレバレッジを利用しているかは明かされていないが、低迷する仮想通貨市場では売り(ショート)から取引を開始できる証拠金取引が人気であることが考えられる。また、時価総額が上位3位を占めるイーサリアムとXRPにおいて、10倍以上の取引高の差があることは、日本におけるXRPの人気の高さをうかがわせる結果であった。
しかし、JVCEAは2018年4月に開催された「仮想通貨交換業等に関する研究会」で、国内取引の顧客数350万人、預かり資産口座を約162万口座との発表もしている。今回公表された数値とは大きく異なる数値だが、データの詳細を発表していないため、それぞれの統計を「盲信」してしまわないよう注意が必要であろう。
JVCEAは2018年10月24日、金融庁より自主規制団体としての認定を受け、自主規制業務を含む全業務を正式に開始した。日本経済新聞によると、月事開示についても2018年10月まで遡って調査することが報じられている。より詳しい統計データの開示によって仮想通貨市場の透明性が高まり、ひいては健全な発展と利用者保護に向かっていくことを期待したい。
【参照URL】会員の仮想通貨取引状況表(月次)
【参照URL】2018年12月度 現物取引高上位仮想通貨
【参照URL】仮想通貨取引についての現状報告
【参照記事】仮想通貨業界、資産残高などの開示を開始 口座数は減少
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立花 佑
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