ビットコインのマイニングプール大手AntPoolを運営するBitmainが、イーサリアム用のASICマシンの最新版を発売する予定であることを4月24日に発表した。イーサリアム2.0によるプルーフオブステーク(PoS)への移行が進められている中、2021年後半のリリース予定となっている。
Bitmainがリリースを予定している最新モデルは「Antminer E9」だ。1秒あたり最大3ギガハッシュの処理性能を誇るという。(GPUの最高スペックは1秒あたり約100メガハッシュと言われている)
現在のイーサリアムは、コンセンサスアルゴリズムにプルーフオブワーク(PoW)を採用している。ビットコインのPoWと異なり、イーサリアムのPoWは専用のEthash(イーサッシュ)と呼ばれ、ASICマイニングに対する耐性を持たせているのが特徴だ。
そのため、イーサリアムの誕生後しばらくはASICによるマイニングは実施されていなかった。しかしながら、昨今のマイニングメーカーはEthashを回避する方法を見つけているようだ。
イーサリアムは、「イーサリアム2.0」と呼ばれる過去最大のアップデートに向けて開発が進められている。イーサリアム2.0の目的は、PoSへの移行とシャーディングの実装だ。
PoSへと移行することでマイニングが不要となるため、このタイミングでのBitmainの発表には懐疑的な意見が寄せられている。Bitmainの戦略としては主に次の2つが想定できるだろう。
- イーサリアムのマイニングが無くなっても、別のPoW系ブロックチェーンのマイニングにマシンを使用できる
- イーサリアム2.0の開発は始まったばかりであり、あと数年はイーサリアムマイニングは行われると想定
Bitmainの運営するAntPoolは、2番目に大きいビットコインのマイニングプールとなっている。イーサリアムの価格高騰に伴い、マイナーが獲得する報酬も上昇し続けていることから、近年はイーサリアムへのマイニング市場にも積極的に参入していた。
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】Antminer E9 Introduction: Ethereum Miner
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