暗号資産による取引が可能な市場の開発に取り組む日本暗号資産市場株式会社は1月27日、日本円・BTC・ETHで購入可能な前払式支払手段ERC20トークン「JPYCoin(JPYC)」を発行および販売開始した。日本におけるブロックチェーンを活用した決済手段と物の取引の活性化を目指すとしている。
JPYCoinは、1JPYCあたり1円で取引される日本円連動のステーブルコインだ。前払式支払手段として扱われ、まずは総額1億円分が発行されるという。
日本暗号資産市場は、JPYCoinの特徴を次のように説明している。
- 誰でも購入可能
- 日本円・BTC・ETHで購入可能(リリース時は日本円のみ、BTC・ETHでの購入は順次追加予定)
- 購入単位は1万円から選択可能
- 物や金券の購入に1JPYC=1円で利用可能
暗号資産の誕生により、ビットコインやイーサリアムを使った決済手段が登場したものの、ボラティリティの大きさから一般的な決済手段として普及しているとは言えない。そこで誕生したのがステーブルコインだ。
ステーブルコインは、ボラティリティを抑えるために法定通貨や他の暗号資産を担保に発行される。2020年末には、GMOインターネットグループが日本円建てのステーブルコイン「GYEN」を発行すると発表していた。これは、ニューヨーク州金融サービス局より配布されるライセンス制度の元で発行されるという。
今回の日本暗号資産市場によるJPYCoinは、国内における初の日本円建てステーブルコインと言えそうだ。日本暗号資産市場は、2020年8月にも同様のステーブルコイン「ICHIBA」を発行している。両者の違いは事業者向けか個人向けかだという。
ICHIBAは事業者向けの前払式支払手段であり、商行為目的でのみ購入できるものだったため使い勝手が良いとは言えなかった。一方のJPYCoinは、ERC20トークンでありながら誰でも利用できる前払式支払手段扱いのステーブルコインとなっている。
JPYCoinは、1万円、10万円、100万円の単位で購入することができるという。今後は、JPYCoinが使えるスマートコントラクトなどを開発することで、日本のブロックチェーン業界の発展に貢献していくと言及した。
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