イーサリアム(ETH)の24時間あたりのバーン量が、9月4日に初めて発行量を上回った。供給量が制限されることでデフレ的な性質が強まる結果となっている。
EIP-1559によって新たに実装されたイーサリアムのデフレ要素が定着している。EIP-1559では、イーサリアムの新規発行量を減少させることを目的に実装された。しかし、現在は新規発行量を減少させるどころか総発行量まで減少させる結果となっている。
EIP-1559は、トランザクションごとに発生するガス代の一部がバーンされる仕組みだ。また、イーサリアムのブロックサイズを拡張することで、より多くのトランザクションを処理することができるようになっている。この仕組みが実装されて以降、わずか1週間で1億ドル相当のイーサリアムがバーンされていた。
今回、バーンされるイーサリアムの量が新規発行量を上回ったことで、市場に流通するイーサリアムの総量が減少している。これは、初めてのことになるという。
暗号資産メディアDecrytpによると、24時間あたりにバーンされたイーサリアムの量は14,000ETHを超えている。一方で、新規発行量は13,000ETHを下回っており、1,000ETH以上の差が生じていた。
なお、8月5日にEIP-1559が実装されて以降、現在までに220,000以上のイーサリアムがバーンされている。これは、約8億6,000万ドルに相当する。
これまでに最も多くのイーサリアムをバーンしたのは、NFTマーケットプレイスOpenSea(34,000ETH)で発生するトランザクションだ。NFT関連では、人気ブロックチェーンゲームAxie Infinity(7,900ETH)も上位にランクインしている。DeFi関連では、Uniswap v2(12,700ETH)やTether(10,700ETH)、USD Coin(3,800ETH)などが多くのイーサリアムをバーンしているようだ。
現在のイーサリアムは、EIP-1559が実装されたことで、トランザクションあたりのガス代がアルゴリズムによって決定される。これにより、ガス代を意図的に釣り上げる行為を防ぐことができるようになった。しかし、NFTやDeFiなどの市場が活況の際には、トランザクション詰まりを解消するためにガス代が自然と高騰する性質も帯びている。
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【参照記事】More Ethereum Has Been Burned Than Minted in the Past 24 Hours
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