米証券取引委員会(SEC)で理事を務めるクリプトママことHester Peirce氏が3月26日、NFT(Non-Fungible Token)を販売する際の注意点について意見を述べた。
Security Token Summitという米暗号資産メディアCointelegraphの主催するオンラインイベントに出演したPeirce氏は、NFTが有価証券として定義される可能性は低いとの見解を示している。
NFTは、文字通り代替不可能であることから一意の価値を有していると考えられるため、有価証券には該当しないとのことだ。一方で、1つのNFTを細分化したりバスケット型としてまとめて販売する行為は証券法に抵触する可能性があると言及した。
NFTについて規制の観点から考察する場合、過去に行われてきたICOが参考になる。SECは、ほとんど全てのICOに対して未登録の証券を販売してきたとの立場を取っており、場合によってはトークン発行者に対して訴訟を起こす可能性があるという。
Peirce氏は、現時点でNFTに関する規制が未整備だからといって、将来的に制定される法律の対象外になるわけではないとの見解を示唆した。合わせて、意図的ではないにせよ有価証券に該当する金融商品を作成してしまわないようにとの注意を喚起している。
具体的には、高い金額で売買されるNFTを細分化するなどして販売した場合、これは有価証券に該当する可能性が極めて高いという。Peirce氏は、「セキュリティ(証券)の定義はこれまでよりも非常に広くなってきています」と強調した。
一般的に、当該資産が証券に該当するかどうかを判断する場合、Howeyテストと呼ばれる過去の事例が参考にされる。これは、1946年に起訴されたHowey社のケースを元に、当該の金融資産の収益性や資金調達性を判断するものだ。
Peirce氏は、デジタル資産においてはHoweyテストが必ずしも機能しない可能性があることを指摘している。なお今回のイベントでは、NFT以外にセキュリティトークンやセーフハーバールールについても意見を述べた。
【参照記事】Senator Lummis & SEC Commissioner Peirce: Security token regulation in the US | Fireside chats
株式会社techtec リサーチチーム
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