米大手暗号資産取引所CoinbaseのIPO目論見書が、2月25日に公開された。ナスダックへの直接上場となっており、2012年の創業時よりビットコインを含む複数の暗号資産を保有していたことなどが明らかとなっている。
今回の目論見書では、自社で保有する暗号資産だけでなく売上や費用などの決算情報、創業者であるBrian Armstrong氏の報酬なども公開された。
2020年12月期の決算によると、通期利益は昨年比2倍以上の約12億ドルとなっており、全体の95%が取引所の手数料収益となるという。このうちの56%はビットコインとイーサリアムによる取引が占めるとされている。
Coinbaseの株主構成は、創業者のArmstrong氏が21.7%、a16zのMarc Andreessen氏が14.2%、USVのFred Wilson氏が8.2%を保有している。Armstrong氏が2020年に受け取った役員報酬は5,950万ドルであったことも明らかとなった。
これには、Armstrong氏自身の身の安全を確保するためのセキュリティ体制に必要な178万ドルが含まれるという。AppleのCEOであるTim Cook氏が受け取った役員報酬が1,470万ドルであったことを踏まえると、その額の大きさが伺える。
保有する暗号資産の評価額は、ビットコインが約1.3億ドル、イーサリアムが2,380万ドル、Coinbaseが発行・管理するステーブルコインUSD Coinが4,890万ドル、その他が3,400万ドルとされた。
Coinbaseのユーザー数は4,300万人を超えており、預かり資産は900億ドルを超えている。機関投資家の顧客は7,000社あるとされ、ビットコインを大量購入して話題となったテスラやマイクロストラテジーもCoinbaseの大口顧客だ。
過去にCoinbaseが買収してきた企業の買収額なども明らかとなっている。機関投資家向けのブローカー事業を運営するTagomiは6,430万ドルで買収し、分析企業のNeutrinoは640万ドルで、機関投資家向けのカストディ企業Xapoは6,830万ドルで買収していたことがわかった。
【参照記事】Coinbase Global, Inc.
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