今回は、リップル(XRP/JPY)のデイトレード戦略について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
リップル(XRP)は、アルトコインの中でも時価総額が大きく知名度の高い仮想通貨です。直近の大きなファンダメンタルズとしては、2020年12月23日に米国証券取引委員会(SEC)が米リップル社によるXRPの販売について、未登録有価証券の販売に当たるとして提訴され、前日比15%も下落しました。その後、係争はリップル社に有利な方向に進んでいるため、XRPも価値を戻しています。しかし、少なくとも2021年10月までは裁判が続くため、進捗には注意が必要です。
今回は仮想通貨(暗号資産)リップルと日本円の取引ペア(XRP/JPY)のデイトレード戦略について解説します。
①リップルの環境認識
どのようなトレード対象であっても、トレードをするときは環境認識が出発点となります。
まずはファンダメンタル分析で市場全体と取引対象とする仮想通貨特有の方向性を掴み、テクニカル分析で相場の状態を把握します。
アルトコインに共通するファンダメンタルとして、以下の点を把握しておく必要があります。
- 時価総額
- 時価総額ランキング
- 循環サプライ
- 通貨の特徴
- 提携情報など
- その他、ニュースになるような出来事
これらの情報は株式における個別銘柄のファンダメンタルにあたる情報と言えます。
また、特に大切な情報は時価総額で、時価総額が低い場合は必然的に流動性も減り、取引所の板取引において値が飛びやすく、短い時間足になればなるほどキレイなチャートが描かれない傾向があります。
②リップル(XRP)のファンダメンタルズ
前述した情報に関連したリップル(XRP)のファンダメンタルズ情報は以下の通りです。
- 時価総額・・・約3.1兆円
- 時価総額ランキング・・・6位
- 循環サプライ・・・46%(流通量463.1億XRP/発行量1000億XRP)
- 通貨の特徴
・SWIFTに変わる国際送金システムとして銀行や決済業者に利用されている。 - 提携情報など
・Bank of England
・サウジアラビアSAMA
・三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループなどの日本国内49の銀行
・DBSグループや UBSなど海外36の銀行
・Western UNIONなどの決済プロバイダー/li> - その他、ニュースになるような出来事
・アメリカにおいて米証券取引委員会と係争中
※2021年7月末時点
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リップル(XRP)のファンダメンタルズとして最も重要なポイントは米証券取引委員会との裁判の情報です。また、大手金融機関との提携が進むことも大きくそのような情報が入った時はリップル(XRP)にとっての買い材料となります。
③マルチタイムフレーム分析で環境認識
環境認識としてテクニカル分析を行う際は、1つの時間足のチャートだけではなく複数の時間足を用いた分析をお勧めします。
複数の時間足を用いた分析のことをマルチタイムフレーム分析と思います。
今回はコインチェックのXRP/JPYの「日足」「4時間」「1時間」の3種類のチャートを使用してマルチタイムフレーム分析をします。
マルチタイムフレーム分析のやり方はいくつかありますが、初心者の方にもわかりやすいブレイクポイントと直近の重要なレジスタンスとサポート価格を抽出することとします。
2021年7月24日時点の結果は以下のようになりました。
トレンド | ブレイクポイント | レジスタンス | サポート | |
日足 | ダウントレンド | 130.358 | 80.981 | 56.443 |
4時間 | アップトレンド | 65.340 | 71.041 | 56.443 |
1時間 | アップトレンド | 60.119 | 67.991 | 56.443 |
リップル(XRP/JPY)のマルチタイムフレーム分析を行ったところ、日足ではダウントレンドが続いているものの、4時間発と1時間足ではアップトレンドに転換しつつあります。
また4月13日の最高値の山が高すぎるため日足のトレンドラインは遠いところに位置していますが、5月20日以降のチャートだけで引いたトレンドラインはすでにブレイクしているためアップトレンドと見て良い状況と判断します。
④リップル(XRP)のトレード戦略
最後に具体的なリップル(XRP)の基本としてトレード戦略の組み立て方について解説します。
トレードをする上でトレード対象の値動きの幅を知っておくことは、ポジションのサイズを決定する際や利確や損切りの目安を決める際に非常に重要な情報となります。
特に時価総額の低いアルトコインは値動きが激しく、時価総額6位のリップル(XRP)でも1日で21.37%上昇した4月13日には最大で117%の移動平均線からの上方乖離が発生しています。
今回はその特異点を除く4月20日以降の期間を対象に計測します。
上方乖離 | 下方乖離 | |
日足 | 27.6% | 52.0% |
4時間 | 15.1% | 26.0% |
1時間 | 6.9% | 6.9 |
XRP/JPYの現状としては、価格の上昇よりも下落した時の方が勢いが強く、特に日足においては、かなりの乖離が見られるということがわかりました。
マルチタイムフレーム分析の結果も併せて環境認識の結論としては、上昇トレンドの中である程度大きく下がった時にエントリーをする押し目買いの方針を採用したいと思います。
現状のXRP/JPYではウイリアムズ%Rが有効
XRP/JPYの複数の時間足のチャートに様々なインジケーターを当てはめてインジケーターの示す売買サインとチャートが最もフィットするインジケーターを探しました。
結果として、1時間足でウィリアムズ%Rを使用するとうまくいきそうだということがわかりました。
ウィリアムズ%Rの最大の特徴は値動きに敏感に反応して、価格変化よりも先にサインが現れることです。
環境認識と結論と合わせて、押し目買いのポイントをウィリアムズ%Rの売買サインでトレードをすると良さそうです。
ウイリアムズ%Rを利用したデイトレード
XRP/JPYのウィリアムズ%Rを利用したトレード手法をご紹介します。
使用する時間足は、1時間足です。
ウィリアムズ%Rの売買サインは、以下の通りです。
◆買いサイン
- -80%のラインを上抜けしたら買いサイン。
- -80%以下でしばらく滞留した後に-80%のラインを上抜けしたら買いサイン。
- -80%のラインに到達することなく再び上昇したら買いサイン。
◆売りサイン
- -20%のラインを下抜けしたら売りサイン。
- -20%以下でしばらく滞留した後に-20%のラインを下抜けしたら買いサイン。
- -20%のラインに到達することなく再び下落したら売りサイン。
今回は環境認識の結果からアップトレンドの押し目買いを狙うトレードをします。そのため上記の売買サインのうち、買いサインのみを採用します。
上のインジケーターの波形を見ても分かるように①~③の全ての買いサインに従ってトレードしても問題ありません。
エントリーは上記の買いサインに従い、利益確定はウィリアムズ%Rのグラフが逆方向に向いた時とします。
また、下方乖離の方が大きくなる傾向があることを考慮して損切りは浅めに設定するか、ポジションの大きさを小さめに設定すると良いでしょう。
加えて中級者以上の方は、逆張りのトレードを仕掛けてもうまくいく可能性が高いと思います。
まとめ
リップル(XRP)を購入できる日本国内の仮想通貨交換業者は14社と数多くありますが、中でもCoincheck、GMOコイン、bitbank、BITPOINTなど人気の高い仮想通貨取引所での取引がお勧めできます。特にbitbankの取引は手数料も低く抑えられるため、リップル(XRP)のトレードをしたい方は是非口座開設をしてみてはいかがでしょうか?
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中島 翔
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