今回は、高い機能性を備えたオーダーブックを提供することで知られる暗号資産取引所「bitbank」を運営するビットバンク株式会社から寄稿いただいたコラムをご紹介します。
目次
- 暗号資産取引所等に暗号資産を貸し出して金利を得るサービス
- 暗号資産レンディングの詳細
2-1. 貸出期間
2-2. 利息
2-3. 利用可能額
2-4. 税金
2-5. 解約やキャンセルなど - 暗号資産レンディングは長期的な保有を考えている人に有益
- 暗号資産レンディングで注意すべき2つのデメリット
4-1. 相場変動時の素早い対処が困難
4-2. 資金決済法上の分別管理対象ではない - 国内ではレンディングはどこでできる?
暗号資産取引所等に暗号資産を貸し出して金利を得るサービス
暗号資産レンディングは、利用者が保有しているビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を暗号資産取引所に貸し出し、貸出期間や貸出額に応じた利息を暗号資産取引所等から受け取ることができるサービスです。暗号資産取引所等は利用者から借り入れた暗号資産を運用し、消費貸借契約に応じた利息分を利用者に提供します。
暗号資産レンディングの詳細
貸出期間
国内の暗号資産レンディングの貸出期間は数ヶ月〜1年のサービスが多いです。サービス提供会社や暗号資産の種類によって貸出期間とそれに対応した利息が異なる場合があるため、各社サイトの契約内容を注意して確認する必要があります。
利息
貸出期間が数ヶ月〜1年のサービスが多いと上述したように、暗号資産レンディングの利息は年利や月利のものが多く、2021年2月時点では、国内の暗号資産取引所はおおよそ1~5%の利息でサービスを提供しています。
利息は利用者が貸し付けた暗号資産の枚数に対して発生する仕組みになっています。例えば、年利3%のレンディングサービスで1枚のビットコイン(1BTC)を1年間貸し出し、契約期間が終了したとすると、1.03BTCを受け取れることになります。
法定通貨の預金サービスの代表格である銀行の定期預金(0.002 ~ 0.003%)*¹と比較すると、暗号資産レンディングで得られる利息はかなり高いと言えます。
利用可能額
少額でレンディングサービスを始めることができる取引所もありますが、一般的にはビットコインやイーサリアムなどの銘柄ごとに利用可能額の下限を設定している取引所が多いです。
例えば、ビットバンクの「貸して増やす」で1年間ビットコインを預ける場合は0.05BTCを保有している方からご利用可能になります。(2021年5月時点)
税金
基本的に暗号資産取引で得た利益は雑所得で総合課税の対象*²になります。暗号資産レンディングで得られる利息も同様に雑所得の区分になります。契約期間の終了後、貸し出していた暗号資産と利息を受け取った際に所得が発生し、借り手から支払われる利息に対してのみ課税されます。
例えば、1枚のビットコイン(1BTC)を年利3%で貸し出した場合、契約終了時には利息の0.03BTCを合わせた1.03BTCを受け取ることができます。利息を受け取った時の1BTCの価格が300万円だとすると、利息分の0.03BTC=9万円のみが課税対象となります。
解約やキャンセルなど
一般的に契約期間の途中で解約することはできますが、解約手数料がかかるサービスもございますので、各社の契約内容をよくご確認ください。
暗号資産レンディングは長期的な保有を考えている人に有益
暗号資産を代表するビットコインは特に長期的な投資が増えています。データ提供企業であるグラスノードの分析*³によると、供給されているBTCの78%が非流動的だとされています。長期保有者で短期的な取引を行わない人にとっては、ただ預けているだけで暗号資産の保有量が増えるサービスとなるため、メリットが大きいす。
暗号資産レンディングで注意すべき2つのデメリット
相場変動時の素早い対処が困難
暗号資産は価格変動が大きく、レンディング契約途中に売却したくなる場合が想定できますが、すぐに取引できないケースが生じるリスクがあります。
資金決済法上の分別管理対象ではない
暗号資産レンディングは基本的に消費貸借契約であり、万が一暗号資産取引所等が破綻した場合であっても、利用者が貸し出した暗号資産が返却されないリスクがあります。
国内ではレンディングはどこでできる?
暗号資産取引所
bitbank、コインチェック、GMOコイン、SBI VCトレード、BITPOINT、LINE BITMAXなど
その他
HashHub、Cygnosなど
暗号資産レンディングはサービス提供会社ごとに貸し出し可能な銘柄や期間、利息など契約内容が異なるので、必ず各社サイトで確認した上で契約するようにしましょう。
暗号資産は長期保有者が多いためレンディングは人気が高く、先着順で申し込みができないところも増えてきていますが、上述したリスクをじっくり検討してご利用ください。
*¹ 出典:日本銀行金融機構局 「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について」
*² 暗号資産を含む年間の雑所得の合計額が20万円を超える場合、確定申告が必要となる可能性があります。
*³ 出典:Glassnode insights “78% of the Bitcoin Supply is Not Liquid”
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ビットバンク株式会社
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