TOTOのESGの取り組みや将来性は?株価推移、配当・優待情報も

※ このページには広告・PRが含まれています

投資家が投資先を検討する際、ESGを重視する傾向が強まっています。企業側は外部からの期待に応えるため、ESGを経営に取り入れるようになりました。

今回はTOTOのESG関連の取り組み、業績、株価推移などについて紹介します。同社はトイレなど水まわりの設備に強みのある企業ですが、ESGではどのような取り組みを行っているのでしょうか。

※2022年12月5日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. TOTOの概要
  2. TOTOのESGに関する取り組み
    2-1.「きれい・快適」を実現する非接触技術
    2-2.水回りからの環境改善への貢献
    2-3.外部機関からの評価
  3. TOTOの10年間の株価推移と業績
    3-1.10年間の株価推移
    3-2.業績
  4. TOTOの将来性
  5. TOTOの配当・優待情報
  6. まとめ

1.TOTOの概要

銘柄 TOTO
証券コード 5332
株価 4,850円
PER(会社予想) 19.58倍
PBR(実績) 1.87倍
配当利回り(会社予想) 2.06%

※2022年12月5日のデータ

TOTOはシステムトイレを始め、住宅設備機器の開発・販売を数多く手がけている企業です。具体的には浴槽、ユニットバス、システムキッチン、洗面化粧台、浴室乾燥機などがあります。

本社は福岡県北九州市にあり、連結従業員数は36,000人超となっています。事業を大きく分けると3つあり、日本の住宅設備事業、海外の住宅設備事業、新領域であるセラミック事業です。

TOTOを代表する商品といえばトイレで、腰掛便器やウォシュレットなどがあります。執筆時点における最新商品の「ウォシュレット アプリコット」には最新の技術が搭載されており、使うたびに除菌したり、使用前にミストをボウル面にふきかけて汚れを付きにくくしたりなど、さらに清潔かつ便利に使えるようになっています。

2021年は新型コロナの世界的な蔓延により、商品の生産遅れが問題となりました。しかし2022年12月1日、すべてにおいて標準納期化され、納期遅れが回復しました。

2.TOTOのESGに関する取り組み

TOTOはサステナビリティ・ESG関連の取り組みも積極的に実施しています。グループのマテリアリティとして「きれいと快適」「環境」「人とのつながり」の3つを掲げ、SDGsに貢献するとしています。

ここでは取り組み内容の一部や外部からの評価について紹介します。

2-1.「きれい・快適」を実現する非接触技術

TOTOは100年にわたってものづくりを推進し、独自のクリーン技術の「きれい除菌水」「セフィオンテクト」「フチなし形状/トルネード洗浄」や「タッチレス」などの非接触技術により「きれい・快適」を実現してきました。

ウォシュレットも「おしりを洗う」ことで清潔な生活文化を築く役割を担ってきました。1980年に発売されてから世界各地で普及が進み、2019年3月に累計出荷台数が全世界で5,000万台を突破しました。

2-2.水回りからの環境改善への貢献

世界では水資源の枯渇も重大な環境問題の1つとなっています。同社は水回り製品を提供する企業である以上、この問題の解決に向けて貢献する責任があるとしています。

具体的な施策として、節水機能の高い製品をグローバル展開し、使用時の水消費量の削減を推進しています。1999年に発売された「レティスカシリーズ」に比べ、現在の「ネオレストシリーズ」は洗浄水量が約51%削減されています。

この取り組みにより、2005年当時の製品が普及し続けた場合と比べた水消費量の削減効果は、2021年度に10億㎥に達しました。節水機能付き便器(4.8L以下)の出荷比率は、日本・海外ともに83%と拡大を続けています。

2-3.外部機関からの評価

TOTOのサステナビリティに関する取り組みは、下記のように外部機関からも評価されています。

受賞月 受賞・評価名 評価機関
2021年11月 Dow Jones Sustainability World Index (DJSI World) S&P Dow Jones Indices社
2021年11月 「PRIDE指標2021」
「ゴールド」受賞
work with Pride
2021年7月 「FTSE4Good Index Series」選定 FTSE Russell

「PRIDE指標2021」は、職場での性的マイノリティへの取り組みを評価する指標です。同社はあらゆる事項による差別を行わないことを人材方針に定めており、性的マイノリティに関しても正しい理解を促進し、差別や偏見の防止に取り組んでいます。「同性パートナーの事実婚」を2021年1月に社内認定し、従来の法律婚と同じ福利厚生制度が適用できるように人事制度を整備したことが評価されました。

3.TOTOの10年間の株価推移と業績

ここからは、TOTOの長期の株価推移と、直近の業績について見ていきましょう。

3-1.10年間の株価推移

10年前の株価は1,600円前後で、現在は4,800円前後になっており、10年で3倍ほどに成長したことになります。2020年の新型コロナショックの影響は比較的小さく、株価は一時期6,000円を記録しました。

しかし2021年は大きく株価を落とすことになりました。先ほど解説した、商品の納期遅れの影響などによるものと推測されます。現在の株価はやや下げ止まりの傾向で、4,500円~5,000円の間で推移する展開となっています。

3-2.業績

最新の2023年3月期 第2四半期は、日本・海外とも増収減益となりました。売上高は3,277億円で前年比106%、営業利益は206億円で前年比78%、経常利益は289億円で前年比103%です。

日本では住宅向け需要は堅調ですが、原材料価格高騰の影響が出ました。海外では中国は市況悪化、アジアは外部調達コストの影響、米国も物流コストのマイナス影響が大きく出た結果です。一方で新領域事業であるセラミック事業は、半導体市場の需要増により増収増益となりました。

セラミックは好調であるものの、既存事業の見通しは厳しく、日本事業と海外事業は営業利益を下方修正しました。一方セラミックで営業利益を上方修正し、全社レベルでは対計画でプラスマイナス0としています。

4.TOTOの将来性

TOTOの将来性について、ESG関連と業績の2点から考察していきます。まず直近の業績は、売り上げは拡大しているものの、原材料や物流コストにより営業利益がさほど伸びていません。いかにコストをカットするか、またはコスト増を売上に転嫁できるかが課題となるでしょう。

新領域事業のセラミックは、現在は日本事業の10%程度の規模ですが、売上・利益ともに伸びています。直近の2022年3月期 第2四半期では、日本事業・海外事業を上回る営業利益を記録しました。半導体の世界的な需要増による追い風もあり、今後同社を支える規模にまで成長させられるか注目です。

ESGに関しては、同社の得意領域である水まわりを中心とし、水使用量の削減や水質改善などのサステナビリティ課題に取り組んでいます。環境だけでなく、労働・人権の面でも施策を積極的に行っています。外部機関からも高く評価されており、今後もESGに関しての取り組みに期待できると言えるのではないでしょうか。

5.TOTOの配当・優待情報

1株あたり年間配当 2022年実績:95円
2023年予定:100円
主な株主優待 飲食料品、日用品・家電、その他オリジナル・限定

1株当たり年間配当は、昨年度より5円多い100円を予定しています。既に行われた第2四半期配当は、昨年度より5円多い50円となりました。

株主優待制度では、100株以上の保有者を対象に、自社商品などを贈呈しています。株主限定カタログから選ぶ仕組みです。2022年度の場合の実施内容は下記のとおりです。

申し込み期限 2022年7月31日
商品の配送予定 10月中旬以降
選べる優待内容 ・TOTO水環境基金助成団体への寄付
・ヒノヒカリ白米2kg
・お手入れらくらくセット(蛇口回りクリーナー・床ブラシ)
・トイレットペーパー4ロールセット
・TOTOカレンダー
・人吉球磨茶「清水」
・球磨焼酎「山河」900ml希球ラベル
・三陸女川 海の幸詰め合わせ
・特別限定醸造にごりワイン遅摘み(赤)

まとめ

TOTOのESG関連の取り組み、業績などについて紹介しました。システムトイレやキッチンといった水まわり設備に強みがあり、ESGでも水に関連した環境改善の施策を数多く行っています。

直近の業績は、原材料価格や物流コストのマイナス影響が大きく、増収減益となりました。いかに営業利益を回復できるかが鍵となります。一方で新領域事業のセラミックは大きく成長しており、今後が期待されます。

The following two tabs change content below.

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チームは、株式投資に関する知識が豊富なメンバーが株式投資の基礎知識から投資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」