TikTokがNFT事業へ進出!その選択が一線を画す理由

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今回は、Web3.0とDAOをテーマに事業を行うFracton Ventures株式会社の赤澤直樹 氏から寄稿いただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. TikTok NFT参入の概要
  2. ImmutableXの概要
  3. レイヤー2によりガス代を抑える
  4. TikTokによるパブリックという選択

2021年10月に大手SNSプラットフォームTikTokがNFT事業への進出を発表しました。国内外ともに大手企業がNFTに参入をしていますが、他の大手プラットフォームとは異なる選択をしたTikTokについて何が異なるのかを解説します。

TikTok NFT参入の概要

TikTokはNFTコレクション「TikTok Top Moments」を発表しました。このコレクションは、TikTokを代表するクリエイターによってデザインされ、彼らが作り出したトレンド動画にインスパイアされており、TikTokで愛されているクリエイターの文化的に重要なTikTok動画のセレクションをフィーチャーしています。

TikTok NFTは成長し続けているクリエイターエコノミーにおいてクリエイターが自分たちの目標を達成するのを支援するという信条の下、クリエイターが自分のコンテンツが認知されて報酬を得る方法やファンがTikTok内の文化的に重要な瞬間を所有する方法を提供します。収益の大部分は、関係するクリエイターやNFTアーティストに直接還元され、TikTokやNFTのファンや愛好家は、愛するクリエイターへの支援を表明することができます。

TikTok Top Momentsで販売されるNFTには「One-of-one NFT」と「Limited NFT」の2種類があります。One-of-one NFTはイーサリアムのレイヤー1上でオークションにかけられ落札者は購入ができ、Limited NFTはImmutableXというイーサリアムのレイヤー2上で手頃な価格で販売されます。

また、購入したNFTを二次流通させる際には、One-of-one NFTはOpenseaで販売ができ、Limited NFTはTokenTrove(ImmutableX上のNFTマーケットプレイス)で販売をすることができます。

ImmutableXの概要

ここで、Limited NFTを販売される際に使用されるイーサリアムのレイヤー2であるImmutableXに注目をしたいと思います。先述の通り、ImmutableXはイーサリアムにおけるNFT向けの最初のレイヤー2ソリューションであり、即時取引やアセットの発行・交換の際のガス代をゼロにするなどを目指します。

そもそもレイヤー2とは、レイヤー1であるイーサリアムのメインチェーンとは別の領域で取引の処理を行い、その処理の結果がイーサリアムのメインチェーンで格納されるというソリューションです。これにより、レイヤー1の強固なセキュリティの恩恵を受けながら、処理速度の向上を目指します。ImmutableXはzk-Rollupというレイヤー2のソリューションが用いられています。zk-Rollupとはゼロ知識証明という匿名化技術を用いたレイヤー2になります。また、ImmutableXはカーボンニュートラルなNFTを扱えるというのも特徴になります。

レイヤー2によりガス代を抑える

近年イーサリアム上でのNFT取引における課題の一つとしてガス代の高騰があります。このガス代の高騰の要因はスケーラビリティ問題に起因するとされています。

スケーラビリティ問題とは、取引の量が多くなるとブロックチェーン上で取引を処理する際の計算量が多くなり、処理が追い付かなくなるという問題です。処理に時間がかかるためユーザーはより多くのガス代を上乗せすることで取引を速く完了させようとし、多くのユーザーが同様の行動を行うことで結果的にガス代が高騰してしまいます。しかし、レイヤー2により処理速度を向上させることでガス代を抑えることが期待できます。

TikTokではImmutableXというレイヤー2のソリューションを用いることでNFT取引におけるガス代を抑え、より良いユーザーエクスペリエンスを提供する狙いがあると考えられます。

TikTokによるパブリックという選択

昨今のNFTブームの影響で、国内外含めて様々な大手インターネット企業がNFT事業へ進出をしています。いずれの企業もNFT取引によるガス代が高いという点に課題を感じているためか、利用者にとって経済的な負担が小さく、より使いやすいサービスを提供しようとしているのが見受けられます。しかし、その多くは独自のプライベートチェーンを活用したり、分散度合いの低いブロックチェーンを活用している例が多いのが現状です。

しかし、TikTokはグローバルに巨大なSNSプラットフォームを構築しているにも関わらず、独自のチェーンを開発することによる解決ではなく、イーサリアムのレイヤー2を活用しているのが他のNFTサービスと一線を画すと考えます。

独自のプライベートなブロックチェーンを活用した場合、マーケットの流動性自体もプライベートで独自なものになり、閉じた環境の中に留まってしまいます。そもそもグローバルに分散化したネットワークを持ち、特定の管理者がいないパーミッションレスなものが本来のブロックチェーンですが、許可性のプライベートなチェーンですとブロックチェーン本来の良さを軽減してしまうのではないかと考えます。また、イーサリアムの強固なセキュリティの恩恵を受けることができず、独自のセキュリティによって運営されているので、レイヤー2の方がセキュリティ的にも強固であると言えます。

TikTokは元来の独自のSNSサービスとNFTが本来備わっている良さを活用しつつ、グローバルに分散し、強固なセキュリティを持ち、尚且つ課題であったガス代を抑えることのできるレイヤー2を活用していることが他のNFT関連サービスとは一線を画すのではないでしょうか。

【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】TikTokによるリリース
【参照URL】TikTok Top Momentsのサイト
【参照URL】ImmutableXのホームページ
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ディスクレーマー:なお、NFTと呼ばれる属性の内、発行種類や発行形式によって法令上の扱いが異なる場合がございます。詳しくはブロックチェーン・暗号資産分野にお詳しい弁護士などにご確認ください。

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Fracton Ventures株式会社

当社では世の中をWeb3.0の世界に誘うことを目的に、Web3.0とDAOをテーマに事業を行っています。NFT×音楽の分野では、音楽分野のアーティスト、マネジメント、レーベルなどとNFTを活用した新しい体験を図るプロジェクトを行っています。