住友林業の将来性は?ESGの取り組みや株価推移、配当・優待情報も【2022年9月】

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住友林業は建築・住宅や木材といった事業を国内外で展開しており、ESGやサステナビリティに積極的な企業でもあります。直近の業績や配当などの状況はどうなっているのでしょうか。

この記事では住友林業の株価推移や業績、ESGに関する取り組みを紹介します。住友林業について知りたい方は参考にしてください。

※2022年9月14日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 住友林業の銘柄情報
  2. 住友林業の10年間の株価推移と業績
  3. 住友林業のESGに関する取り組み
  4. 住友林業の将来性
  5. 住友林業の配当・優待情報
  6. まとめ

1.住友林業の銘柄情報

銘柄 住友林業
証券コード 1911
株価 2,320円
PER(会社予想) 4.64倍
PBR(実績) 0.77倍
配当利回り(会社予想) 5.39%

住友林業は1691年(元禄4年)創業の老舗企業です。国内外の住宅や木材建材の製造などを手掛けてきたことで知られています。近年では「街を森に変える・環境木化都市」の実現に向け、木造建築事業も推進しています。

住友林業の主な事業カテゴリーは下記のとおりです。

  • 資源環境
  • 住宅・建築
  • 木材建材
  • 生活サービス
  • 海外住宅・不動産

資源環境事業では国内に4.8万ヘクタールにおよぶ社有林を所有し、生物多様性の保全を含めた森林管理を行っています。海外ではニュージーランドや東南アジアにおける植林や森林アセットマネジメントなどが主な内容です。また、木材を燃料として利用するバイオマス発電事業を展開しています。

住宅・建築事業は戸建注文住宅を中心に、リフォーム、リノベーション、緑化、不動産仲介など幅広い事業を展開しています。強みである個別注文住宅は、長寿命で高品質な住宅を提供し、顧客のニーズに応じて自由度の高い設計が可能となっています。

木材建材事業は同社の原点であり、国内の取扱高NO.1の実績があります。60年以上をかけ国内外でグローバルネットワークを構築し、木材建材の流通事業を展開しています。高品質な木材を安定供給する調達力、IT・ICTを活用したソリューションの提案力、顧客ニーズを迅速に製品に反映させる対応力の3点を強みとしています。

生活サービス事業は介護付き有料老人ホームの運営を行うほか、宿泊事業やゴルフ場運営なども行っています。介護事業は「スミリンフィルケア」として、人と木のぬくもり、時代の変化にふさわしい介護サービスの提供をテーマとして、首都圏を中心に20施設を運営しています。

海外住宅・不動産事業は、米国・豪州・東南アジアといった環太平洋地域を中心に推進。該当エリアにおける戸建住宅の建築・販売、集合住宅や複合商業施設の開発などを手掛けています。米国では独自の文化性や建築方法を尊重しながら、ハイクオリティの木材住宅を提供しています。

2.住友林業の10年間の株価推移と業績

10年間の株価推移を見ると、2013年から2018年にかけて右肩上がりに上昇しています。その後2020年までやや下落傾向であったものの、2021年に大幅に上昇し、一時は2,500円を突破しました。現在は2,000円~2,300円の間で推移しています。

2022年12月期 第2四半期の連結業績では、売上高は7,827億円で前期比23.7%増、営業利益は729億円で51.4%増、経常利益は935億円で81%増となりました。

セグメント別に見ると大きく伸びたのは海外受託・不動産で、売上高は前期比37.3%、経常利益は125.2%増であり、全体をけん引したと言えます。米国の戸建住宅事業において販売単価や利益率が上昇したことに加え、不動産開発物件の売却もあり、増収増益となりました。

他には木材建築も増収増益を達成しました。木材価格高騰による販売金額や利益率の上昇に加え、海外製造事業の収益改善も貢献しました。一方で国内の住宅・建築は木材などの資材価格高騰による影響で、増収減益となっています。

2022年12月期の通期業績予想を、4月27日発表時から上方修正しました。売上高は前期比16.4%増、営業利益は24.9%増としています。

3.住友林業のESGに関する取り組み

資源環境が事業の柱の1つとなっているとおり、住友林業はサステナビリティ・ESGにも注力しています。「SUSTAINA ESG AWARDS 2022」において、総合部門でゴールドクラスとして表彰されました。

同社のサステナビリティの原点は、1894年から始まった「大造林計画」としています。愛媛県の別子銅山の周辺の森林は、長年の過度な伐採と煙害によって荒廃の危機に瀕していました。大造林計画によって多い時には年間200万本を超える大規模な植林を実施した結果、緑を取り戻したそうです。

ESGのうち環境については、環境マネジメント、気候変動への対応、持続可能な森林経営、持続可能な森林資源の活用、生物多様性の保全、資源保全及び廃棄物排出削減、汚染の防止、水資源の有効利用などに取り組んでいます。

このうち気候変動においては、再生可能エネルギーの導入を実施しています。住友林業グループにおける2021年度のエネルギー消費量のうち74%を再生可能エネルギーが占めています。2018年度から2020年度においても再生可能エネルギーの割合は70%以上で推移しており、再生可能エネルギーが多く使われていることが分かります。

人と社会に関しては、下記の取り組みを行っています。

  • 快適でぬくもりある空間の提供
  • 地域の人々の暮らしの向上
  • 働く人が活き活きできる環境づくり

働く人が活き活きできる環境づくりは2つの取り組みで構成されています。まずワークライフバランスの改善により、性別にかかわらず仕事と育児の両立ができる職場を目指しています。次にダイバーシティに関して、女性社員比率の上昇、LGBT施策の推進、障害者雇用の推進などを行っています。

4.住友林業の将来性

住友林業の将来性について、業績とESGの2つの観点から解説します。

まず業績については、今後も伸びしろのある海外事業の売り上げが大きく伸びていることはプラス材料です。現在は米国が中心ですが、その他の地域での事業も拡大すればさらなる成長が見込めます。営業利益・経常利益も前年より大幅に増加しており、利益面でも不安感は今のところ無さそうです。

PERは4.6倍、PBRは0.77倍で割安感があります。また配当利回りが5%以上と国内株式の中では高い水準となっているのも特徴です。総じて業績面は好調で、今後も成長が期待できると言えます。

ESGの観点では、住友林業は非常に数多くの取り組みを行っています。単なる環境保護だけでなく、人権やダイバーシティなど、人や労働に関する取り組みでも多くの実績があります。昨今は欧米の投資家を中心に、企業に対してESGやSDGsに関して積極的に取り組むよう求める傾向が強まっていますが、住友林業はそれに応えていける可能性があると言えるでしょう。

5.住友林業の配当・優待情報

1株あたり年間配当(2022年12月期予定) 125円
主な株主優待 なし

2022年12月期の配当予想は125円となっており、昨年度の80円と比べて約1.5倍の増配となる予定です。海外事業が好調なことで、全社レベルでも大きな増収・増益となったことが反映されていると言えます。

配当利回りは現時点の会社予想で5.39%です。国内銘柄の平均が2%程度であることを踏まえると高い水準と言えます。

まとめ

住友林業の概要、株価推移、業績、ESG関連の取り組みについて解説してきました。住宅・建築の事業が中心で、海外事業が伸びており、直近の業績は増収・増益となりました。好調な業績を背景に、2022年 12月度は大幅な増配を予定しています。

ESG・サステナビリティに関して積極的な企業でもあり、「SUSTAINA ESG AWARDS 2022」における総合部門でゴールドクラスに認定されました。業績が好調であり、近年注目を集めるESGでも数多くの取り組みを行っていることから、将来性もあると言えるのではないでしょうか。

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