マクドナルドは、ESG・サステナビリティの取り組みを行っている外食産業企業の一つです。マクドナルドは、アメリカのハンバーガーファーストフードチェーン企業であり、国内で営業している日本マクドナルドは、アメリカ本社のフランチャイズ企業となります。
この記事では、日本マクドナルドのESG・サステナビリティの取り組み実績や今後の方針、株主優待、配当推移について詳しくご紹介します。日本マクドナルドのESG・サステナビリティの取り組み内容や企業情報について詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は2023年2月8日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。
目次
- 日本マクドナルドの特徴
- 日本マクドナルドのESG・サステナビリティの取り組み
2-1.環境
2-2.社会
2-3.ガバナンス
2-4.日本マクドナルドのESG・サステナビリティに関する外部評価 - 日本マクドナルドの業績・株価動向
- 日本マクドナルドの株主優待・配当推移
- まとめ
1 日本マクドナルドの特徴
日本マクドナルドは、1971年5月1日に実業家の藤田田氏がアメリカからマクドナルドのフランチャイズ権を獲得した後に設立された企業であり、第1号店は銀座の三越に出店されました。2002年7月1日に持株会社として「日本マクドナルドホールディングス」に移行後、100%子会社として日本マクドナルド株式会社が新たに設立されました。
日本マクドナルドの各店舗では、ハンバーガーをメインにフライポテト、チキンナゲットなどのサイドメニュー、ドリンクなどの飲食物を提供しています。マクドナルドの代表的なメニューには、ハンバーガー、フライポテト、ドリンクなどのレギュラーセットがあります。マックシェイクというミルクセーキもマクドナルド独自のドリンクメニューです。
また、クルマに乗りながらメニューを注文してテイクアウトできる「ドライブスルー」もマクドナルドの特徴的なサービスの一つとなっています。
2 日本マクドナルドのESG・サステナビリティの取り組み
日本マクドナルドは、世界および国内ファストフード業界のリーディングカンパニーとして、最近問題となっている食品ロス問題にも積極的に取り組むなど、地球環境やサステナビリティに配慮した事業活動を行っています。
以下、具体的に見ていきましょう。
2-1 環境
日本マクドナルドでは、持続可能な社会実現に向けて、リサイクル、食品ロス問題、環境保全対策、気候変動対策などに向き合いながらESG・サステナビリティの取り組みを行っています。
例えば、リサイクル面においては、「おもちゃのリサイクル」「プラスチックゴミのEVバイク電力化」「食品リサイクル」を行っています。おもちゃのリサイクルは、各店舗で不要なおもちゃを回収した上で、リサイクル可能素材の選別やペレット化を行っています。
また、日本マクドナルドは川崎市と昭和電工と共同で使用済みのプラスチックをEVバイクのエネルギーとして再生使用する取り組みや、フライオイルの飼料化、コーヒー豆カスの循環型リサイクルなどの方法で食品リサイクルに取り組んでいます。
食品ロス問題では、食品ロス解決と利用者満足度の向上の同時実現を図るため、注文を受けてからお店側でハンバーガーなどの食品の調理を開始するマクドナルドオリジナルのシステム「Made For You」を採用しています。2005年に日本マクドナルド全店舗でこのシステムが採用されて以降、採用前と比較して調理後の食品破棄数が半分以下となり、食品ロス数減少に繋がっています。
また、利用者が適した量を食べられるように、日本マクドナルドではハンバーガー、フライポテト、ドリンクなどの商品の量を複数サイズの中から選択できる形でサービスを提供しているのも特徴です。
環境保全面では、利用者のニーズに対応した商品の簡易包装を実践しているほか、提供されるストロー、スプーン、カップなどは、将来的にも豊かな森が維持できるように管理されているか否かを国際的な基準でチェックして証明する「FSC認証」を受けた製品が使用されています。
気候変動への対策は、地球環境にやさしい電力を使用する形で行っています。日本マクドナルドでは、2022年から一部店舗で再生可能エネルギーに由来した電力の使用を開始しており、気候変動要因となる温室効果ガスの排出削減に努めています。
2-2 社会
日本マクドナルドは地域社会の一員として、子どもが幸せな未来を迎えられるように、教育、スポーツ活動、病気の子へのサポートなどの支援を行う形で、ESG・サステナビリティの取り組みを行っています。
例えば、教育に関する支援では、店舗での仕事体験、社会生活に必要なマナーを教えるプログラムの開催、食育教育、キャリア教育などを実施し、子どもの成長に貢献しています。
スポーツ活動に関する支援は、地域の活動から全国規模の大会まで幅広く実施しています。学童野球においては、野球プレーヤーブックを制作した上で野球に取り組む子どもにプレゼントして地域の活動に貢献しています。また、全国規模の学童野球大会である「高円宮賜杯 全日本学童軟式野球大会」を1986年から継続してサポートしています。
さらに、小学生のサッカーにおいても、制作したサッカープレーヤーブックをサッカーに取り組む子供にプレゼントし、国内最大規模の小学生のサッカー大会である「JFA全日本U-12サッカー選手権大会」もサポートしています。
病気で苦しむ子どもへのサポートでは、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の支援と「マックハッピーデー」を開催しています。ドナルド・マクドナルド・ハウスは、病気の子どもとその家族のための支援施設であり、日本マクドナルドをはじめとする各種団体や個人の方からの寄付金・募金などの支援で支えられています。
また、マックハッピーデーは、子どもの幸せを願って行われているグローバルチャリティ活動です。日本マクドナルドでは、マックハッピーデー開催当日、ハッピーセット商品1つの売上につき50円をドナルド・マクドナルド・ハウスの国内運営団体へ寄付しています。
2-3 ガバナンス
日本マクドナルドは、経営の透明性や効率性を高め、持続的に企業価値の向上を図ることが各ステークホルダーの利益の最大化に繋がると考えています。経営の意思決定・監督機関と業務執行機関を分離した上で事業経営を行っており、社外取締役の参加、エグゼクティブマネージメントチーム・監査役会の設置、内部統制システムを整備するなどして、効率的で透明性の高い事業経営の実現を目指しています。
2-4 マクドナルドのESG・サステナビリティに関する外部評価
日本マクドナルドのESGやサステナビリティに対する取り組みは外部機関から高く評価されており、例えば、以下のESGインデックスやESG関連ファンドに組み入れられています。
MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数 | MSCIジャパンIMI指数の構成銘柄のうち、当指数における業種分類の時価総額50%を目標に、ESG評価に優れた企業を選んで構築されているESG指数 |
DC外国株式ESGリーダーズインデックスファンド | 日本以外の先進国株式を主要投資対象として、MSCIコクサイESGリーダーズ指数と連動する投資成果を目標に運用されている確定拠出年金専用のファンド |
また、家族が過ごしやすい店舗づくりやハッピーセットの取り組みなども高く評価され、日本マザーズ協会が主催する2019年度の「マザーズセレクション大賞」を2019年11月20日に受賞しています。
このほか、2019年12月17日には他社と共同で進めていた「店舗配送における強靭化施策」が評価され、経済産業省が主催するグリーン物流パートナーシップ会議の表彰において、「特別賞」を受賞しています。
3 日本マクドナルドの業績・株価動向
2017年12月期〜2021年12月期の日本マクドナルドの業績推移は、以下の通りです。
項目 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
当期純利益 (百万円) |
---|---|---|---|---|
2017年12月 | 253,640 | 18,912 | 19,718 | 24,024 |
2018年12月 | 272,257 | 25,045 | 25,644 | 21,939 |
2019年12月 | 281,763 | 28,018 | 27,487 | 16,885 |
2020年12月 | 288,332 | 31,290 | 31,425 | 20,186 |
2021年12月 | 317,695 | 34,518 | 33,618 | 23,945 |
売上高、営業利益、経常利益は2017年12月期から年々増加傾向にあり、中でも営業利益は、2020年12月と2021年12月の2期連続で過去最高益を更新しています。一方、当期純利益は2017年12月期〜2019年12月期まで減少傾向にありましたが、2020年12月期と2021年12月期は2期連続で前年度よりも増加しています。
2022年2月8日時点の日本マクドナルドの株価は5,170円となっています。2017年2月1日から2017年9月30日までの間、株価は2,961円から4,980円まで急上昇し、2020年6月15日には上場来高値となる6,270円を付けたものの、以降は5,000円前後を推移しています。
なお、マクドナルドの持株会社である日本マクドナルドホールディングスは、2022年11月14日、2022年12月期の営業利益は前年比3.0%減の見込みと発表しています。当初は、前年比より増益になる予想でしたが、原材料価格の高騰が影響し、前年比より減益となる予想に下方修正されています。この点が影響することで、今後の株価は下落する可能性もあります。
一方、2020年12月期と2021年12月期に2期連続で過去最高の営業利益が出ているなど好材料もあります。また、ESG・サステナビリティの取り組みにより、飲食物の提供事業を通じて持続可能な社会実現への貢献を果たせば、ESG投資家からの評価も高まり、株価上昇につながる可能性もあります。
4 日本マクドナルドの株主優待・配当推移
日本マクドナルドは、一定条件を満たした株主に対して、優待食事券を贈呈しています。優待食事券は、ハンバーガー類、サイドメニュー、ドリンクの各商品が各6枚ずつで1冊となっており、有効期限まで各食事券1枚と引き換えに上記メニューの商品と交換することが可能です。
株主優待の対象基準は、以下の通りです。
毎年6月30日・12月31日時点で株主名簿に記載のある株主の保有株式数 | 優待食事券の内容 |
---|---|
100~299株 | 優待食事券1冊 |
300~499株 | 優待食事券3冊 |
500株以上 | 優待食事券5冊 |
例えば、日本マクドナルドの株主優待の対象基準を満たす株主が500株以上保有している場合、5冊の優待食事券の贈呈を受けられます。そのため、ハンバーガー類、サイドメニュー、ドリンクを最大で各30回優待食事券と交換して食事をすることができます。
また、日本マクドナルドでは、株主に対して毎年1回配当を行っています。配当は、期末のみで中間配当はありません。2021年は、1株あたり年間39円の配当を行っています。2009年〜2018年までの1株あたりの年間配当額は30円でしたが、2019年は33円、2020年は36円、2021年は39円と1株当たりの年間配当額は3円ずつ増加しています。
まとめ
日本マクドナルドは、リサイクル、食品ロス・環境保全・気候変動などの対策、子どもの未来成長のためのサポート支援などを行う形でESG・サステナビリティの取り組みを行っており、ESG指数に組み入れられるなど複数の外部機関から高く評価されています。
日本マクドナルドのESGやサステナビリティの内容に関心のある方は、この記事を参考にご自身でも調査を進めてみてください。
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