米PayPal傘下のモバイル送金プラットフォームVenmoが、暗号資産の売買・管理サービス「Crypto on Venmo」を4月20日に発表した。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)に対応する。
Venmoが暗号資産に対応したことで、Venmoで管理されている資金や連携先の銀行口座から直接、暗号資産にアクセスすることができるようになるという。1ドルから購入することができ、暗号資産の裾野をさらに広げる役割を果たしそうだ。
今回の新サービスは、米ドル連動のステーブルコインPaxos(PAX)の発行および管理を行うPaxos Trust Companyとの提携により実現した。Paxosは、同日にWeWorkとのパートナーシップも発表しており、暗号資産決済の領域で世界をリードする企業として注目を集めている。
Venmoにおける流通額は年間11兆円にも及ぶ規模とされ、ユーザー数は米国だけで7,000万人を超えるという。2020年に実施されたVenmoのユーザー調査では、全体の30%以上が既に暗号資産を保有したことがあると回答していた。
Venmoを傘下に持つPayPalは、2020年10月より暗号資産市場への本格的な参入を果たしている。2020年後半からの暗号資産市場の高騰を引き起こすきっかけの1つになったとして、PayPalの動きには注目が集まっていた。
2月に公開された2020年最終四半期および通期決算レポートでは、アクティブな新規アカウントを1,600万獲得し、2,770億ドルもの決済額を処理したと説明されている。これについてPayPalは、予想を上回る結果だったと言及しており、2021年は引き続き暗号資産を含むデジタル資産への取り組みを加速させると発表していた。
Venmoでのサービス提供は2021年内開始予定とされていたものの、早いタイミングでの発表となりPayPalグループ全体での暗号資産への熱量が伺える。
なお、PayPalは暗号資産事業を行うにあたりニューヨーク州の規制当局より条件付きのライセンスを取得していた。3月には暗号資産カストディ大手のCurvを買収している。
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