暗号資産やステーブルコインなどの規制について、米国と欧州連合(EU)の各金融規制当局が国際会合を行なったことが3月29日に明らかとなった。
会合に参加したのは、米国からは財務省(USDT)の職員や連邦準備制度理事会(FRB)、商品先物取引委員会(CFTC)、連邦預金保険公社(FDIC)、証券取引委員会(SEC)、通貨監督庁(OCC)だ。
一方のEUからは欧州委員会や欧州銀行監督局(EBA)、欧州証券市場監督局(ESMA)、欧州保険・企業年金局(EIOPA)、欧州中央銀行(ECB)、シングルスーパーバイザリーメカニズム(SSM)、シングルレゾリューションボード(SRB)となっている。
会合は3月24日と25日の2日間にかけて開かれ、次の6つをテーマに議論が行われたという。
- 新型コロナウイルスからの経済回復と金融システムの安定、およびリスク軽減における次のステップ
- 持続可能な金融の実現
- 銀行と保険への多国間および二国間関与
- 現在の資本市場について
- 金融イノベーションに関する規制および監督
- マネーロンダリング防止およびテロ資金供与(AML/CFT)
このうち、暗号資産やステーブルコインについては5つ目の項目で議論された。参加者は、暗号資産やステーブルコイン、そして中央銀行デジタル通貨(CBDC)について議論したと報告されている。これらの金融イノベーションを促進する目的で、継続的な国際間協力が重要になるという。
今回は金融イノベーションの文脈で暗号資産やステーブルコインについて議論が行われたものの、その他のテーマについても関連性は非常に深いといえる。例えば、AML/CFTは暗号資産の規制を定義する上で最も重要なトピックであり、昨今はDeFiにまでその懸念は広がっている。
また、新型コロナウイルスの給付金の一部が暗号資産市場に流入しているという仮説からも、暗号資産の持つ経済的な影響はもはや小さなものではないだろう。
今回の会合は2021年の夏に再び開催される予定だといい、これらのトピックや関連性のあるその他のトピックについて引き続き取り組んでいくとした。
【参照記事】Joint Statement on the US-EU Joint Financial Regulatory Forum
株式会社techtec リサーチチーム
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