米バイデン新政権下における商品取引委員会(SEC)の次期長官に、Gary Gensler氏が就任予定であることを1月12日、ロイター通信が報じた。数日以内に正式に発表されるという。
Gensler氏は、2009年から2014年まで商品先物取引委員会(CFTC)の会長を務めた人物だ。バイデン氏が副大統領を務めたオバマ政権下では、デリバティブ規制を改正し市場の健全性に大きく貢献した。その後のクリントン政権では、財務省の国内財務次官を務めている。
暗号資産・ブロックチェーン擁護派の人物としても知られ、CFTC退任後にはマサチューセッツ工科大学(MIT)でビットコインとブロックチェーンに関する講義を行なっていた。ウォール街との繋がりが非常に強い人物としても評価されており、米国では今後の暗号資産・ブロックチェーン業界にポジティブな影響をもたらすと期待されている。
暗号資産に関連するバイデン政権初の人事となったSEC長官のGensler氏だが、就任直後より大きな仕事が用意されている。XRPの証券性に関するリップル社への提訴だ。
SECによると、リップル社は2013年から7年にわたり、証券に該当する可能性が高いものの届け出が済んでいないXRPを販売し、1,300億円を超える売上を捻出していたという。
暗号資産の証券性については、SEC理事の「クリプトママ」ことPeirce氏もコメントを出すなど、議論は未だ落ち着く気配を見せていない。仮にXRPが証券として定義された場合、その他の暗号資産についても同様の懸念が出るため、長官としてのGensler氏には重大な責任があるといえるだろう。
前大統領のトランプ氏は、暗号資産を含むデジタルアセットに関心を示さなかったため、この4年間では大きな規制改革は進まなかった。一方のバイデン氏は、就任直後より早速Gensler氏を起用するなど、デジタルアセットには強い関心を示している。
暗号資産の証券性を含め、次の4年間では米国における規制改革が進みそうだ。
【参照記事】Biden to name Gary Gensler as U.S. SEC chair, sources say
【参照記事】SEC理事「クリプトママ」が暗号資産の証券性に言及。リップル訴訟後としては初となるコメント
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