「ブロックチェーン」と呼ばれる技術が、近年あらゆる文脈で使われるようになってきた。送金ネットワークから顧客確認(KYC)までさまざまな機能をはたし、導入する企業も多い。
そんなブロックチェーンの現状をよりよく理解するために、リップル社は2月26日、最も多く寄せられる3つの質問に回答した。
ブロックチェーンとは?
一連の取引データブロックのこと。単一の権力者がすべてのデータを所有・管理するのではなく、ひとつひとつのデータがコンピュータのネットワーク上に分散しているため、「分散型台帳技術」のひとつとして考えられる。それは、ネットワーク上無数のノードが対等に同じデータを共有しており、仮にどこかのノードがハッキングされて削除されても、全体のチェーンに影響は出ないということだ。
仮想通貨ビットコインなど管理者が不在のシステムでは、取引が行われるたびにマイニング(採掘)と呼ばれるデータの照合・承認作業が行われることから、一個人によるデータの書き換えは難しく、セキュリティが高いと言われている。
ブロックチェーン技術の目的は、中央管理者に依存せず、普遍的に信頼できるデジタルな台帳を提供することだ。ID認証や選挙の投票、財務、財産所有権、国際送金など多くの分野でこれからさらに影響力を伸ばす可能性がある。
ブロックチェーンの具体的な役割は?
ブロックチェーンによってもたらされる恩恵のひとつは、身元の確認がスムーズに行われることだ。世界中すべての利用者に共通した分散型ネットワーク上のIDを持つことで、取引はもちろん海外旅行などの際に身元を証明することができる。
他にもサプライチェーンにおける役割がある。サプライヤーがそれぞれ独自のシステムを使用するのではなく、信頼できる独立したブロックチェーンのネットワークを利用して、在庫の管理や商品の追跡、コストの確認を行う。それぞれの取引も、より迅速かつ効率的に行えるのだ。
リップルは、国際送金における問題であった手数料や、取引処理時間の削減に努めている。さらに「xCurrent」というソリューションを利用して銀行間でのリアルタイムメッセージングを可能にし、取引前に決済内容の確認や決済後の着金確認を追跡することで、透明性の高い送金プロセスを提供する。
XRPを利用する場合は、ノストロ口座開設の必要もない。結果的に、より多くの顧客の獲得と新しい市場の開拓が行え、健全な収益につながるという。
これからのブロックチェーンはどうなる?
不動産所有やサプライチェーンマネジメント、国際決済など、用途に合わせたブロックチェーンが複数存在するいま、これからの未来を切り開く鍵となるのは、相互運用できることだとリップルは指摘する。
インターネットが独自のネットワークから世界に繋がる進化を遂げたように、ブロックチェーンも「Interledger Protocol(以下ILP)」のような共通システムによって、相互運用可能な分散型分散台帳に成熟するという。
仮想通貨のネットワークと銀行の台帳など、これまで互換性のなかった台帳間でも即時に情報データを共有できるこのILPシステムは、従来のコストを大きく削減しながら、価値あるコンテンツを提供する人々に支払い通貨(台帳)を気にすることなく対価の支払いが可能な「価値のインターネット(Value of Internet)」の実現の基盤となる。
ブロックチェーン技術はここ数年で急激に進化したものの、まだまだ新しい技術であることは間違いない。しかし、IT分野の調査・助言を行うガートナー社によると、ブロックチェーンは事業に2025年までに1760億米ドル相当の価値をもたらし、その5年後には3.1兆米ドルをもたらすという。身元確認や送金ソリューションのひとつとしてブロックチェーンを利用する人口は、これからさらに増えていくだろう。
【参照サイト】Three Burning Blockchain Questions
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