マサチューセッツ工科大学(MIT)の科学技術誌「MITテクノロジーレビュー」は2月23日、「10大ブレークスルー・テクノロジー」の2022年版を発表した。新型コロナウイルスの飲み薬やタンパク質構造のAI予測などの先進トピックが選ばれる中、ブロックチェーンに利用されるコンセンサスアルゴリズムProof of Stake(PoS)が、6番目に選出されている。
MITはPoSの選出理由として、ブロックチェーンの電力消費量の問題を解決する可能性を挙げた。
ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムとしては、ビットコイン(BTC)などで採用されているProof of Work(PoW)が最も有名だ。
PoWは新しいブロックの生成に、マイニングという難易度の高い計算を行う必要がある。マイニングを最初に成功させたノードに支払われる報酬をめぐって熾烈な競争が発生しており、非常に多くの電力を消費することが欠点だ。そのため、PoW型ブロックチェーンは環境面での悪影響が懸念されている。
PoSはトークンのステーク量によってブロックの承認者を決める仕組みだ。マイニングを必要としないため、PoWに比べ消費電力が非常に少ないという利点がある。
ビットコインに次ぐ時価総額を誇るイーサリアム(ETH)では、2022年上半期中に、イーサリアム2.0のアップデートに伴いPoWからPoSへ切り替えることが計画されている。イーサリアムの開発を主導するイーサリアム財団の調査では、PoSへの移行により、イーサリアムの電力消費量が99.95%削減されることが期待できるという。
MITは、イーサリアムがPoSに移行する大型アップグレード「The Merge」が、PoSの普及への決定的瞬間になると最重要視している。計画通りに進めば、イーサリアムはPoSを利用する最も大きなネットワークになるという。
MITはまた、キープレーヤーとしてPoSを採用しているブロックチェーンであるカルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)、アルゴランド(ALGO)の名前を挙げている。
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【参照記事】MIT Names Ethereum PoS ‘Top Technological Breakthrough’ In 2022
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