ERC20に準拠するイーサリアムで最も有名なウォレット「MyEtherWallet(MEW:マイイーサウォレット)」は2月21日、KYCなし法定通貨に換金できる機能を実装した。このアップデートにより、MEWユーザーは、ウォレット内のビットコインとイーサリアムをユーロもしくはスイスフランに換金できるようになる。
MEWでは、スイスで仮想通貨ATMを提供するBityとの提携により、KYC不要の法定通貨換金機能を実現した。Bityはスイスのアンチマネーロンダリング(AML)に準拠しており、ウォレット所有権の確認が可能になる技術を有していることがこの背景にある。利用にあたっては、コンプライアンスの観点から電話番号や銀行口座、請求書などが尋ねられるが、MEWはユーザーの情報を保存することはないという。
国際的な規制策定が進む中、トレンドに逆行するかのようなMEWのアップデートだが、実際には個人情報の紐づけをBityが担保しているかたちだ。仮想通貨投資家の中にはKYCを望まない層も一定数存在しているが、今後は仮想通貨と個人資産を紐付けるための動きが進んでいくことは想像に難くない。
【参照記事】 MEW Introduces KYC-less Crypto “Exit-to-Fiat” Gateway, Powered by Bity
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立花 佑
自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。
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