イーサリアム2.0における初のアップグレード案が2月16日、共同創業者のVitalik Buterin氏によって公開された。既に見つかっている小さな不具合の改修や、ライトクライアントへの対応が提案されている。
現在のイーサリアムでは、主にスケーラビリティ問題へ対応するための大型アップデート「イーサリアム2.0」の開発が進められている。イーサリアム2.0では、現行のイーサリアムチェーンとは別にビーコンチェーンと呼ばれるブロックチェーンが構築されており、2020年12月よりブロック生成が行われてきた。
イーサリアム2.0では次のようにフェーズを大きく4つに分類し、順次ハードフォークを行うことでアップデートさせていく方針だ。現在は、フェーズ1に向けて開発が進められている。
- フェーズ0:ビーコンチェーンの稼働、ステーキングの開始(ローンチ済み)
- フェーズ1:シャーディングの実装、シャードチェーンのテスト稼働
- フェーズ1.5:シャードチェーンのメイン稼働、PoSへの移行開始
- フェーズ2:シャードチェーンのフル稼働
今回公開された提案は、上記のフェーズとは別で継続的に行われる細かなアップデートの初回となっている。「HF1(ハードフォーク1)」と名付けられたアップデートの内容は次の通りだ。
- ライトクライアントのサポートを追加
- ビーコンチェーンのジェネシスブロック(最初のブロック)が生成された際に見つかった不具合の修正
- 本格的なハードフォークを実施する前に、小規模のハードフォークによる試験運用
ブロックチェーンを開発する場合、一度ローンチしてしまうと予期せぬ不具合が見つかった場合でも、修正するにはハードフォークが必要になる。そのため、今回のような改善のためのハードフォークは事前に行うことが決められているケースが多い。
イーサリアム2.0は、マイニングによる電力消費の問題などを考慮し、コンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSに移行することを最終的な目標としている。PoSを稼働させるためにはバリデータによるステーキングが必要だ。
2月19日時点でバリデータの数は90,000を超え、ステークされているEtherの総量は300万ETHに到達しそうな状況となっている。
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】HF1 Proposal – HackMD
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