アースデイ50周年。炭素削減にブロックチェーンの導入広がる

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毎年4月22日は地球のことを考えて行動する記念日「アースデイ」だ。今年は50周年を祝して、ブロックチェーンベースのカーボンマーケットプレイスとカーボンオフセットシステムがそれぞれ立ち上げられた。企業の気候変動の取り組みを効率化するために、ブロックチェーンを役立てる動きが加速している。ブロックチェーン・仮想資産ニュースメディアCointelegraphが4月22日、伝えている。

昨年11月の国連環境計画(UNEP)のレポートによると、2020年から2030年の間に毎年7.6%ずつCO2排出量を削減していかなければ、気温の上昇を1.5度Cに抑えるというパリ協定の目標を達成できない。187か国が批准するパリ協定が2016年に発効されて以降、温室効果ガスの削減や気候変動対策は、多くの国やグローバル企業に求められている。

世界経済フォーラムのブロックチェーン及び分散型台帳技術(DLT)プロジェクト主任のナディア・ヒューイット氏は、温室効果ガス排出量を報告する上でブロックチェーンが有効な手段だと語っている。同氏によると、現在多くの企業はCO2排出量の計算方法に別々の標準化メトリックを使用しているため、排出量の比較が困難だ。統一されたブロックチェーン基盤でCO2排出量を記録することになれば、企業の透明性と説明責任に貢献するだろう。

世界130カ国以上の約7400社の企業が会員として参加する国際商業会議所(ICC)は、Perlinブロックチェーンと共同でカーボンカウンシルイニシアティブを4月22日に開始した。このイニシアティブは、ブロックチェーンを活用することで、炭素市場の標準化、及び流動性やアクセシビリティの向上を目標としている。炭素排出に価格を付けることでCO2排出削減を促すカーボンマーケット(炭素市場)は、世界各国や国際機関で注目されている。

また、企業や個人が排出削減プロジェクトから炭素クレジットを購入するカーボン・オフセット市場についても、ブロックチェーン技術は有用だ。英国のブロックチェーン技術企業Everledgerが22日に立ち上げた気候プラットフォームは、ダイヤモンドのバリューチェーン上の温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)を測定し、マッピングおよびオフセットできる。プラットフォームは、デビアスグループのShairu Gems Diamondsとその子会社であるAtit Diamond Corporationのサプライチェーンからカーボンフットプリントデータを収集し、Hyperledger Fabricを搭載したEverledgerブロックチェーンネットワークにアップロードする。オフセット証明書はオンラインでアクセス可能であり、データはグラフで表示される。

世界4大監査法人のKPMGでブロックチェーンリーダーを務めるアルン・ゴーシュ氏がCointelegraphに語ったところによると、ブロックチェーンベースのシステムは「報告のトラストコスト」を削減できる利点がある。ゴーシュ氏は「民間部門と公共部門で広く採用されるようになれば、気候リスクやCO2排出量の評価、会計、管理を妨げている大規模なデータ問題のソリューションとなる」と加えた。

【参照記事】Earth Day 2020: Industries Turn to Blockchain to Track Carbon Emissions

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高橋奈夕

国際基督教大学4年。NYに支社を置くブロックチェーン専門のベンチャーキャピタルで半年以上インターンとして勤める。バイリンガルを生かして海外の記事を翻訳し、よりよい情報を国内に広めることにコミットしている。