今回は、2020年に話題となったDeFi(分散型金融)の損益計算について、仮想通貨・暗号資産の確定申告などに関するサービスを提供する株式会社クリプタクト代表取締役 Co-CEOの斎藤 岳 氏(@Cryptact_gaku)にお話を伺いました。
目次
今年もあっという間に確定申告シーズンです。コロナの影響もあり、2020年分の確定申告の期限が一か月延長され、令和3年4月15日までとなりました。2020年はDeFiが大流行したこともあり、取引をされた方も多いのではないのでしょうか。
DeFiについては新たな取引形態も多く、かつ国税庁からの明確なルールが定められていないため、税理士や担当の税務署への相談などが必要になるケースも多くなりそうです。決まっていないからといって申告が不要になるわけではありません。申告漏れで後々大変な目に・・・といったことにならないよう、期限内にしっかりと申告されることをおすすめいたします。
クリプタクトでは仮想通貨の損益計算について、履歴をアップするだけで自動で算出するサービスを運営していますが、DeFiについて、計算方法がわからないといったお問い合わせをいただいていたこともあるため、回答事例をもとにいくつかご紹介します。なお、明確なルールが定められていない取引のため、今後指針が発表された際に以下と異なってくる可能性があり、ご紹介する方法が必ずしも正しくないこともあり得る点について、予めご了承ください。
「利息収入」として扱うケース
DeFiで代表的な取引として、例えばCompoundなどのように、通貨を担保提供することで受け取る利息収入などがあります。
クリプタクトでは通常の利息収入と同様に、取得した通貨について取得時点の時価で評価して利益認識する方法をご紹介しています。
例えばCompoundにETHを預けていて、受け取った利息や配布されるCOMPトークンなどは、BONUSとして記載いただきます。そうすると時価で利益認識されます。なお、利息を支払った場合は、損金算入できる場合は0円で売却としてアップいただく方法をご紹介しています。
Pool資産の損益計算
Poolした資産を引き出している場合は、損益認識が必要な可能性があります。弊社ではPoolから引き出した時点と預け入れた時との数量の差に注目しています。
預入時より増えている通貨については、その増加数量について、引き出した時点の時価で利益認識。 預入時より減っている通貨は損失計上する方法をご紹介しています。
例えばですが、Balancerに複数の通貨をPoolした場合、引出時の枚数をそれぞれ確認して、カスタムファイルを作成してもらいます。
トークンを借りて取引した場合
Compoundなどでは、担保提供することで通貨を借りることも出来ます。「借りた通貨で売買した場合、簿価をいくらにするのか?」という疑問を持つ人もいると思います。
また元々持っていて、借りてくる場合、持っている分の簿価とあわせて簿価を算出する必要があります。簿価計算だけでも複雑ですが、弊社では履歴をアップするだけで簡単に損益計算可能です。
例えばですが、CompoundにETHを預けてUSDCを借りてきて、その借りたUSDCでLTCを購入したとします。この際に、USDCの簿価が日本円でいくらかわかっていないと、損益を算出できませんが、USDCを借りたというのをBORROWというアクションでアップいただくことで損益計算可能です。また返却もRETURNというアクションで表現可能です。
BORROWとRETURNはSourceの名前を完全一致させることでペアになるので、そこだけご注意ください。
債権トークンの取り扱い
Poolした際に証明として受け取る債権トークンについて、債権トークン自体を売買した場合は損益認識が必要な可能性があります。
その場合は債権トークンではなく、そのPoolしている通貨を売買したとみなす方法をご紹介しています。
例えばETHを10枚Poolして100枚のcETHを受け取ります。cETH100枚の内、30枚を売却して、1,200ドルを受け取ります。cETHを売却した際のETHのPoolしている枚数が11枚になっていたとします。その場合はETHを売って、ドルを受け取った取引をアップしてもらうことになります。
ご自身で設定した反映方法が正しいか確認したいなら
なお、上記以外にも数多くの取引が存在していると思います。反映方法について、弊社サービスのサポートデスクまでご連絡いただければできる限り検討して回答します。
本内容について、YouTubeにもまとめています。あわせてご視聴いただけると幸いです。
【問い合わせ先】クリプタクト サポートデスク
【公式サイト】Cryptact 投資支援プラットフォーム
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斎藤岳
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