サントリーのESG・サステナビリティの取り組みは?格付けや実績など

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今回はサントリーのESG・サステナビリティの取り組みを取り上げます。サントリーは、ソフトドリンクやお酒などの総合酒類食品企業で、同グループは、水が同社製品の重要な原料であることから「水理念」を掲げています。

この「水」を含めたサステナビリティに関する7つのテーマを掲げ、取り組んでいます。同社がどのようにESGに取り組んでいるのかを見ていきましょう。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年12月19日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. サントリーグループが目指すサステナビリティ
    1-1.
    1-2.CO2
    1-3.原料
    1-4.容器・包装
    1-5.健康
    1-6.人権
    1-7.生活文化
  2. サントリーグループの環境ビジョン
    2-1.環境ビジョン2050
    2-2.環境ビジョン2030
  3. サントリーのESG格付け
  4. まとめ

1 サントリーグループが目指すサステナビリティ

サントリーグループは「人と自然と響きあう」を使命に掲げ、人々の生活を潤い豊かにすることと自然環境を守り育むことが共存し、人と自然が互いによい影響を与えあって末永く継続していく社会を目指しています。

サステナビリティに関するテーマとして、水、CO2、原料、容器・包装、健康、人権、生活文化の7つを掲げて取り組んでいます。各テーマと取り組みをそれぞれ見ていきましょう。

1-1 水

水は、サントリーグループにとって最も重要な原料です。同社の水理念は、水循環を知る、水を大切に使う、水源を守る、地域社会と共に取り組む、です。この理念に基づき水源涵養機能の向上と生物多様性の再生を目的とした「天然水の森」活動を実施しています。

また、国内工場でくみ上げる地下水量の2倍以上の水を涵養する取り組みを実施しています。

水のサステナビリティへの取り組みとしては、天然水の森における自然環境の保全、野鳥の保護を社会と共有する愛鳥活動、水の大切さを子供たちに伝える水育など、自然環境の保全・再生につながる活動に取り組んでいます。

1-2 CO2

温室効果ガス排出量については、2050年までにバリューチェーン全体で実質ゼロを掲げています。

脱炭素社会への取り組みは、原材料の調達、製造から物流、販売、リサイクルに至るまで、バリューチェーン全体で温暖化対策、資源の有効活用、汚染防止、化学物質管理を実現するため、容器の軽量化やリサイクル素材を活用、省エネ型の自動販売機の設置などに取り組んでいます。

1-3 原料

同社の製品製造に不可欠な農産物や原料について、サプライチェーンにおけるビジネスパートナーとともに、主要原料における社会・環境課題を特定し、サステナビリティを実現するための取り組みを通じて、豊かな地域社会の実現に貢献しています。

安全・安心でサステナブルな原材料調達を進めるために、調達開発推進部を創設し、長期戦略を策定しています。

1-4 容器・包装

容器・包装材は、商品設計から輸送、消費後のリサイクルまでのライフサイクル全体での環境に配慮し、循環経済の実現に努めています。

ペットボトルについては、容器の軽量化やリサイクル、植物由来樹脂を活用しています。2030年までに全てのペットボトルをリサイクル素材と植物由来素材に100%切り替え、化石由来原料の新規使用ゼロを掲げています。2022年中には2本に1本が100%サステナブルボトルになることを目指しています。

取り組みとしては、3R(Reduce・Reuse・Recycle)の考えのもと、環境に配慮した容器包装を開発。容器の軽量化や、環境負担の少ない素材の採用、リサイクル処理しやすい設計に取り組んでいます。

1-5 健康

飲料、健康食品、酒類なども幅広い事業活動を通じ、顧客のライフステージに応じた、潤いある豊かな生活をサポートしています。

また、Drink Smartの考えに基づき、アルコールの過剰摂取・飲酒運転・未成年や妊産婦の飲酒防止に向けた活動や情報の配信をしています。取り組みとして、モデレーション広告の強化やセミナーを実施し、適正飲酒の大切さや正しいお酒の知識と付き合い方など、社外向けセミナーなどに取り組んでいます。

1-6 人権

グループ従業員の労働安全の徹底、健康経営の推進、長期的視野での成長機会の提供で、従業員が健康で幸せに満ちた生活をおくれるようにサポートし、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。

また、ダイバーシティ推進部を設置し、国籍や年齢などにとらわれることなく、多様な人材や価値観を積極的に取り入れています。

取り組みとしては、人権尊重、従業員の人権尊重、サプライチェーン、コンプライアンスホットラインの設置などです。

1-7 生活文化

サントリーグループの創業精神である「利益三分主義」に基づき、事業を展開する地域において、課題の解決や生活文化の充実に貢献しています。

また、サントリー芸術財団やサントリー文化財団を運営し、音楽・美術・スポーツの各分野においても次世代教育活動にも取り組んでいます。

2 サントリーグループの環境ビジョン

サントリーグループでは、持続可能な社会の実現に向け、「環境ビジョン2050」および、2050達成にむけ「環境ビジョン2030」を策定しています。

2-1 環境ビジョン2050

  • 水のサステナビリティ:全世界での自社工場の水使用を半減するとともに、取水する量以上の水を育むための水源や生態系を保全し、原料農作物における持続可能な水使用を実現。また、事業展開国において水理念を社会と共有する。
  • 気候変動対策:2050年までに、バリューチェーン全体で、温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す。

2-2 環境ビジョン2030

  • 水のサステナビリティ:工場で使用する水使用量の原単位をグローバルで2015年対比35%削減。水源涵養活動で使用する水の100%以上を水源に還元。水ストレスの高い地域における水消費量の多い原料を特定し、その生産における水使用効率を改善。水に関する啓蒙プログラムに加え、安全な水の提供に取り組み、合わせて100万人以上に展開。
  • 2021年の実績:水使用量の原単位を21%削減(2015年対比)。自社工場の33%で水源涵養活動を実施。Sedex*を通じた一次サプライヤーの水マネジメントに関する情報を把握。水啓蒙プログラムを37万人、安全な水提供に15万人、あわせて52万人に展開。

*Sedex:Supplier Ethical Data Exchangeの略

  • 温室効果ガス:温室効果ガス排出量を2019年対比50%削減、バリューチェーン全体で30%削減
  • 2021年の実績:温室効果額排出量を2019年比6.9%削減、バリューチェーン全体で5.6%の削減

3 サントリーのESG格付け

サントリーのMSCI格付けはAAと、高格付けが付与されています。ドイツのESG評価会社であるアルベスクは、GCスコアを0~100で示しています。同社の評価は68.37です。

まとめ

サントリーグループは、サステナビリティに関するテーマとして、水、CO2、原料、容器・包装、健康、人権、生活文化の7つを掲げ取り組んでいます。その中でも水を重要視し、水のサステナビリティに取り組んでいます。

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藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。