FTSE Blossom Japan Indexシリーズの構成銘柄や選出方法は?成績や投資可能なファンドも

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ESG投資が取りざたされる昨今、ベンチマークとなる指数への関心が高まっています。ESG投資は、ファンダメンタルズやチャート分析のように、目に見える分析材料がないため、指数は大事な参考指標です。

この記事ではESG指数の一つであるFTSE Blossom Japan Indexシリーズについて、概要やベンチマークとしているETFやファンドを紹介します。ESG投資について、参考指標が気になる人は、ご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※信託報酬など、課税対象となる数値はすべて税込表示としています。

目次

  1. FTSE Blossom Japan Indexシリーズとは?GPIFも採用するESG指数
    1-1.FTSE Russellによって提供されるESG指数
    1-2.FTSE Blossom Japan Indexの概要
    1-3.FTSE Blossom Japan Sector Relaive Indexの概要
  2. FTSE Blossom Japan Indexシリーズの構成銘柄
    2-1.FTSE Blossom Japan Index
    2-2.FTSE Blossom Japan Sector Relaive Index
  3. FTSE Blossom Japan IndexをベンチマークとしているETF
    3-1.ダイワ上場投信−FTSE Blossom Japan Index
    3-2.One ETF ESG
  4. まとめ

1.FTSE Blossom Japan Indexシリーズとは?GPIFも採用するESG指数

ESG指数のFTSE Blossom Japan Indexシリーズは、ESG評価期間のFTSE Russellが運用しています。以下、詳細を紹介します。

1−1.FTSE Russellによって提供されるESG指数

FTSE Russellとは、ロンドン証券取引所グループの情報サービス部門に属する指数運営、リサーチ会社です。株や債券などのインデックス指数運用を始めとして、ESGや気候変動データを用いたESG指数、ESG格付けなどを行っています。また、機関投資家向けにもさまざまな情報を提供しています。

FTSE Blossom Japan Indexシリーズは、日本国内の企業に限定したESG指数です。

1−2.FTSE Blossom Japan Indexの概要

FTSE Blossom Japan Indexは、ESG対応が優れた企業群で構成される指数です。銘柄選定はFTSE Russellのリサーチによって行われます。

銘柄選定の際、ESGの格付けに用いられる評価軸は、14のテーマと0〜5の5段階評価で行われ、企業の業種と企業をとりまく背景など、日本国内特有の事情を鑑みながら決定されます。

組入銘柄の見直しは、6月と12月の半年に一度づつ、時価総額に基づいた構成比率の見直しが行われます。銘柄選定を行う流れは以下のとおりです。

  1. FTSE Japan Indexの500銘柄から総合ESG評価3.1以上の銘柄を選ぶ
  2. 業種の比率がFTSE Japan Indexと同じになるよう調整
  3. FTSE Blossom Japan Indexで構成される企業を選出

1銘柄あたりの構成比率は、1.5%または、FTSE Japan Indexにおける構成比率の20倍を限度としています。

選ばれる銘柄は、将来リスクとなりうる様々な要因を耐えしのぐ力があると見込まれる企業です。したがって、FTSE Blossom Japan Indexのインデックス運用は、長期的な経済活動が可能となり、持続的な利益獲得による成長を見込みやすくなる特徴があります。

1−3.FTSE Blossom Japan Sector Relaive Indexの概要

FTSE Blossom Japan Indexの派生型ともいえるESG指数です。採用銘柄数はFTSE Blossom Japan Indexより多い約500銘柄。選定基準となるESG格付けはやや低めの2.0に設定されています。

特徴は、環境への配慮を評価するために、TPI Management Quality Scoreを導入している点です。より環境への取り組みが認められる企業で構成される指数と見て良いでしょう。

2.FTSE Blossom Japan Indexシリーズの構成銘柄

FTSE Blossom Japan Indexと、FTSE Blossom Japan Sector Relaive Indexそれぞれの構成銘柄を紹介します。

2−1.FTSE Blossom Japan Index

数値は2022年9月30日時点の情報です。組入上位10銘柄をピックアップしました。

銘柄 業種 構成比率
1.トヨタ自動車 輸送用機器 6.7%
2.ソニーグループ 電気機器 3.4%
3.第一三共 医薬品 2.1%
4.三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 2.1%
5.ダイキン工業 機械 2.0%
6.NK400先物 0412月 1.9%
7.リクルートホールディングス サービス 1.9%
8.日立 電気機器 1.9%
9.信越化学 化学 1.7%
10.三井不動産 不動産業 1,7%

業種ごとの構成比率

業種名 比率
電気機器 18.20%
輸送用機器 9.20%
医薬品 7.20%
化学 7.10%
卸売業 6.60%

2−2.FTSE Blossom Japan Sector Relaive Index

数値は2022年6月に構成銘柄の入れ替えを行った時の情報です。銘柄の多様性をお伝えするために、ランダムに銘柄をピックアップしています。

銘柄 業種 構成比率
大東建託 不動産業 0.38%
アサヒグループホールディングス 食料品 0.49%
キッコーマン 食料品 0.29%
セブン&アイ・ホールディングス 小売業 0.99%
花王 化学 0.76%
武田薬品工業 医薬品 1.17%
オリエンタルランド サービス 1.18%
富士フイルムホールディングス 化学 0.52%
ブリヂストン ゴム製品 0.60%
日本製鐵 鉄鋼 0.41%

3.FTSE Blossom Japan IndexをベンチマークとしているETF

現在FTSE Blossom Japan Indexシリーズでは、FTSE Blossom Japan Sector Relaive IndexをベンチマークとしているETFや投資信託は見当たりませんでした。

FTSE Blossom Japan Indexをベンチマークとする2つのETFを紹介します。

3−1.ダイワ上場投信−FTSE Blossom Japan Index

基準価額(100口あたり) 149,186円
純資産 4,440百万円
信託報酬 0.1650%
トータルリターン −6.03(1年)
設定日 2017年9月25日

直近5期分の分配金実績(100口あたり)

決算期 分配金(円)
2020年7月 1,570
2021年1月 1,780
2021年7月 1,050
2022年1月 1,040
2022年7月 2,020

大和アセットマネジメントによるFTSE Blossom Japan IndexをベンチマークとしたETFです。数値は2022年10月21日時点の情報です。

半年に一度の決算にて順調に分配金を出し続けています。MSCIが運営するESG指数のETFと共に、日本国内のESG投資を考える上で押さえておきたい指数の一つです。

3−2.One ETF ESG

基準価額 14,400円(1口あたり)
純資産 6,980百万円
信託報酬 0.1430%
トータルリターン −6.03(1年)
設定日 2017年11月27日

直近5期分の分配金(1口あたり)

決算期 分配金(円)
2020年7月 224
2021年1月 307
2021年7月 84
2022年1月 577
2022年7月 158

アセットマネジメントOneからも、FTSE Blossom Japan IndexをベンチマークとするETFが運用されています。数値は2022年10月21日時点の情報です。

大和アセットマネジメントが運用するETFと大差はありませんが、信託報酬がやや安く、分配金が少し多いせいか、こちらのETFのほうが多くの資金を集めています。

まとめ

FTSE Blossom Japan Indexシリーズは、FTSE Russellの評価によって銘柄が選定され、運用されているESG指数の一つです。綿密なリサーチのもと、いくつかのテーマごとに評価ポイントが設けられ、スコアリングされています。MSCIのESG指数とともに、ESG投資を検討する際には、押さえておきたいESG指数です。

ESG投資への流れは年々拡大しており、企業の取り組みの本格化や多様化も進んでいます。今後は、財務諸表とともに、ESG方針やESG活動の確認もスタンダードとなるでしょう。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。