コインチェックと言えば、取扱っている暗号資産の種類が国内で最も多いことで知られる暗号資産取引所です。同社の投資ツールはポップなデザインとシンプルな設計で気軽に利用できるので、2017年のビットコインバブル期に若手投資家が急増した要因となりました。
コインチェックのモバイルアプリの累計ダウンロード数は2020年8月時点で300万件を突破しており、2020年1月~6月の「デイリーアクティブユーザー数(DAU)」でも国内No.1( データ協力:App Annie)となっています。ここでは多くの投資家にコインチェックが利用されている5つの理由を解説します。
目次
- コインチェックが利用される5つの理由
1-1. 17種類の暗号資産を取扱う
1-2. 直感的に操作しやすい販売所
1-3. 取引手数料無料のビットコイン取引所
1-4. スマホアプリの使いやすさ
1-5. 先駆的な独自サービス - コインチェックの利用上の注意点
2-1. 取引所の取扱い銘柄が少ない
2-2. 販売所のスプレッド
2-3. レバレッジ取引がない
2-4. 過去に起きた暗号資産の不正流出事件 - まとめ
①コインチェックが利用される5つの理由
コインチェックはマネックスグループ株式会社の子会社であるコインチェック株式会社が運営している暗号資産取引所です。コインチェックは「販売所」と「取引所」の2種類の売買サービスを提供しています。販売所はビットコインやイーサリアムなど、人気の高い暗号資産を14種類売買できます。一方の取引所ではビットコインと一部のアルトコインを手数料無料で売買できます。取引以外のサービスも充実しており、自動積立てや、貸仮想通貨(レンディング)、ポイント投資サービスなども備えています。
1-1. 17種類の暗号資産を取扱う
コインチェックは14種類の暗号資産(ビットコイン、イーサリアム、XRP、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、リスク、イーサリアムクラシック、モナコイン、ネム、ファクトム、ステラルーメン、クアンタム、BAT、IOST)を取り扱っており、それぞれ最低注文量500円相当から取引できます。コインチェックはリスクやステラルーメンなど注目のアルトコインを日本で初めてサポートしてきました。2020年にはクアンタムやIOSTを追加しており、アルトコイン投資に興味がある方は特に注目です。
1-2. 直感的に操作しやすい販売所
販売所というのは、仮想通貨取引所が所有している暗号資産をユーザーに販売するところです。ユーザーはいつでも希望の数量の暗号資産を簡単に取引できます。ただし、コインチェックが決めた価格で購入する形になります。販売所の注文画面は「買値」と「売値」だけが提示されています。提示された値段で売買するだけなので、操作が少なく、ミスしにくいのが魅力となります。
1-3. 取引手数料無料のビットコイン取引所
取引所は板を使って注文を管理し、ユーザー間で売買を行うの取引方法で、売り手と買い手がうまくマッチングすれば売買成立となります。コインチェックの取引所では、ビットコインと一部のアルトコイン(ETC、FCT、MONA)を取引手数料無料で売買できます。上図のように、ホーム画面で利用できる取引ツールは板と注文画面のみが表示されたシンプルな仕様になっています。ユーザーは指値注文を並べて約定するのを待つか、他のユーザーの指値注文を選択することができます。
また、コインチェックは「トレードビュー」というトレード専用ツールも提供しています。こちらでは逆指値注文も利用できます。ボリンジャーバンドや一目均衡表など、主要なインジケータを利用したチャート分析が可能です。注文履歴を把握でき、各通貨のチャートも表示できるため、これから投資をしていこうと考えている人は特にチェックしておくことをおすすめします。トレードビューは現在のところ、BTC/JPYの取引のみ対応しています。
1-4. スマホアプリの使いやすさ
コインチェックのアプリは初心者でも利用しやすいインターフェースとなっています。販売所にアクセスして仮想通貨を購入できる他、人気通貨別のチャット機能、貸仮想通貨機能などもアプリから利用できます。暗号資産のポートフォリオを把握できるほか、14種類全ての暗号資産の入出金が可能です。これは現物資産を多く取り扱っているコインチェックならではの機能となります。
コインチェックの通貨の価格表示画面は色々なところで参考用プライスとしても利用されており、コインチェックに口座を開いていない投資家も価格チェックのためにアプリをダウンロードしていると言われています。
1-5. 先駆的な独自サービス
コインチェックは暗号資産業界初のサービスをリリースしてきました。暗号資産を貸し出して最大年利5%を獲得できる「貸暗号資産」サービスや、リスク(LSK)のステーキングサービスは、どちらも長期投資をサポートするサービスです。電気・ガスの支払いで「ビットコインがもらえる・使える」サービスは仮想通貨の決済利用の機会を提供しています。2020年8月にコインチェックは、IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)の共同プロジェクトを立ち上げました。IEOは、トークンを発行したプロジェクトが、暗号資産取引所を通じて資金調達を行うものです。新しい施策に取り組むコインチェックの運営方針がユーザーを惹きつける最大の要因かもしれません。
②コインチェックの利用上の注意点
コインチェックを利用するにあたり、注意しておくことで更に上手く利用できる、賢く利用するためのポイントについて解説します。
2-1. 取引所の取扱い銘柄が少ない
コインチェックは取引所の取り扱い銘柄を順次追加していますが、現在のところ4種類の暗号資産(ビットコイン、ファクトム、イーサリアムクラシック、モナコイン)に限られています。時価総額の高いアルトコインであるXRPやイーサリアムなどは、販売所で購入する必要があります。取引所を好む暗号資産に慣れたユーザーにとってはネックとなります。
2-2. 販売所のスプレッド
販売所は「買い値」と「売り値」の価格差(スプレッド)があるため、短期間に売買を繰り返すと、資金が目減りする場合があります。販売所の利用は、事前に利確・損切ポイントを決めてから、中長期目線で取り組む方が良いでしょう。また、ビットコインなどは取引所の流動性(注文量)を見ながら使い分けるようにしましょう。
2-3. レバレッジ取引がない
コインチェックは現物の暗号資産を豊富に取り扱っていますが、レバレッジ取引は提供していません。長期投資で利益を狙うのには十分ですが、スイングトレードや、デイトレードを好むユーザーには物足りなさを感じるかもしれません。
2-4. 過去に起きた暗号資産の不正流出事件
コインチェックは、2018年1月に約580億円相当の「ネム(XEM)」が不正流出した過去があります。その後、コインチェックはネム保有者約26万人に日本円で返金しており、同4月にはマネックスグループによる買収を受け入れて完全子会社となりました。2019年1月には金融庁から暗号資産交換業として認可を受け、着実に体制を整えています。
現在、コインチェックは改正資金決済法による管理体制構築と管理強化に対応して、安全性の維持に努めています。経営体制の見直しをはかり、ガバナンス体制構築、経営戦略の見直しも実施、顧客の預かり資産の全てをコールドウォレットで管理するなど、内部管理やシステムリスク管理を強化するために経営資源を投入しています。
③まとめ
コインチェックは国内で最も多くの暗号資産を取り扱っており、ビットコインを手数料無料で取引できます。スマホアプリは300万ダウンロードを突破しており、仮想通貨業界のドアノックツールと言っても過言ではないでしょう。特に販売所は直感的にわかりやすいので、投資初心者が最初に利用するならコインチェックがおすすめです。その際、今回記載したデメリットに注意しながら、計画的に投資に取り組んで頂けると幸いです。
コインチェックが多くのユーザーに利用されている要因は、暗号資産の取扱い数や取引画面の分かりやすさだけでなく、自動積立や貸暗号資産サービスなど他社にはないユニークなサービス提供にもある様です。今後も国内の取引所がまだ取り扱っていないアルトコインの追加や、業界で最初の新サービスが登場するかもしれません。コインチェックの口座開設は無料でできますので、これを機にぜひ確認してみてください。
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立花 佑
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