ビットコインのトレードで利用したい!売買のタイミングを図る「板読み」を徹底解説

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証券会社を経て、仮想通貨取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔のコラムを公開します。

目次

  1. 販売所と取引所の違いは?
    販売所
    取引所
  2. 板読みのポイントと使い方
  3. 板をチェックする時の注意点
  4. まとめ

仮想通貨取引所の中には「販売所」と「取引所」という二つの取引方法を用意している所があります。取引所では「板(気配情報)」と呼ばれる画面に、注文数量がリアルタイムに表示されています。

取引所はFX(外国為替証拠金取引)ではなかったものですが、株式市場の投資家の方が馴染みがあるでしょう。株の場合、取引の基本は板取引であり、この板をどう考えて取引するかがとても重要になります。

ここではあまり解説されていない板取引での利用方法や見方について解説したいと思います。

販売所と取引所の違いは?

仮想通貨初心者にとって「なぜ仮想通貨取引所では取引方法が2つあるんだろう?」と思われる方も多いと思います。まずは、それらの違いについて解説したいと思います。

販売所

まず、販売所の取引当事者は「仮想通貨取引所」と「利用者(顧客)」です。仮想通貨取引所は自社で抱えている仮想通貨の在庫を調整しながら顧客の売り買いを成立させています。

つまり仮想通貨取引所はリスクを取りながら在庫を調整しつつ、利用者との売り買いのスプレッドで利益を得ています。下図の販売所の画面のように、売却価格と購入価格に差があります。この価格差(スプレッド)が仮想通貨取引所の収益源となっています。
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取引所ではこの価格差の中央値でトレードがされますが、販売所では中央値でトレードはできません。これが販売所の収益モデルであり、利用者にとって注意すべきポイントでもあります。

取引所

次に取引所についてご説明します。取引所は、一般的に個人ユーザー間で資産を売買するものです。下図が取引所の画面になります。
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図の左側にあるのが「板(気配情報)」と呼ばれるものになります。この板は各価格における注文量を示しているため、非常に重要な情報を含んでいます。

株の世界では「板読み」と呼ばれる手法で利益をあげるトレーダーもいます。主に短期売買で板読みは効果的です。そのくらい板は重要なものです。

取引所において、注文を出しているのはユーザーであり、仮想通貨取引所はあくまで板(プラットフォーム)の運営を行っているだけです。取引所の利益の源泉は「成約時の取引手数料」です。そして下図は取引手数料の一例です。
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maker(メイカー)とは「指値注文」を表しており、taker(テイカー)は「成行注文」を表しています。注文が約定して取引量が拡大するほど、仮想通貨取引所の収益は上がっていくことなります。この時、運営サイトはポジションを持っていないので、市場リスクは0と言えるでしょう。

このように、販売所と取引所では違いがあることを覚えておきましょう。

次に取引所の板について焦点を当てて解説したいと思います。

板読みのポイントと使い方

板読みのポイントについて、基本的なところから説明します。

板は、現在の取引価格から6行から10行程度しか表示されていません。そのため、板読みは「短期的な需給を把握するために利用するもの」と覚えておきましょう。

そして、当然ながら「指値注文を表示している」ため「成行」で取引が成立した分については全く数字には反映されません。つまり、「大口の成行注文」が入ると一気に需給が崩れる可能性があるので、常に意識しておきましょう。また仮想通貨の場合は流動性が薄いため、すぐに板が薄くなり、注文数量が偏ったりします。仮想通貨取引所はそれぞれユーザーベースが異なるため、それぞれ癖があります。取引所を利用するときは、普段の「板の数字の動き」と、値動きが激しい時の「板の数字の動き」の癖を見抜くことがとても大切です。

例として下図、GMOコインのビットコイン/円の取引板をご覧ください。
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左列の「売り数量」は投資家が指値で出した売り注文について価格別に表しています。右列の「買い数量」は投資家の買い注文が価格別で表されています。このように板は、現在すでに出されている注文量が把握できます。

上記の板で把握できるのは2点あります。以下では、使い方も一緒にご説明しますのでここをきちんと抑えておきましょう。

1、726,650円の19.20BTCの売り注文が入っているため、すぐに上方向に向かうのは難しいという判断ができます。下落傾向と予想できるため、ロングポジションを取りたいトレーダーは、「少し下の位置で指値を置く」という判断ができます。

2、724,300円で27.00BTCの買い注文が入っています。下落したとしても、ここで一旦下げ止まる可能性が高いと判断できます。ロングポジションを取りたいトレーダーは724.300円の「少し上の価格で指値注文を出す」ことで、良いコストでロングポジションが作れることになります。

コストの感覚はとても重要です。トレードは方向性を当てること自体は比較的簡単で、利益を出すためには「正確なエントリー」がより重要になってきます。エントリーの位置で、ロスカットの位置や利益確定の位置が決まるからです。トレードの世界はこうした「リスクリワードレシオ(利益と損失幅の比率)」の管理がとても重要なので心がけましょう。

例え実際の手数量は数百円だとしても軽率に考えず、しっかりと考えてエントリーするようにしましょう。

板をチェックする時の注意点

最後に板読みの注意点について記載します。まず板取引で板が薄いときは「恒常的に薄い」のか、単に「大きな資金が入って、注文が全て約定されてなくなったのか」を見定める必要があります。ここを間違えると、トレード判断も見誤ることになるので、必ず注意してください。

そして仮想通貨の場合、大口の注文が出たり消えたりします。これは「見せ板」と呼ばれる相場操縦の手法ですが、仮想通貨の世界では横行しているのが実情です。

見せ板とは何かと言うと、例えば注文量が合計100BTCしかないときに、1,000BTCの注文を出すことで、価格変動を誘導する規模の注文を出すことです。

板読みを知っている投資家は大口の注文が入ると、誰もが「その手前で止まる」と予測するでしょう。つまり、その方向へ攻めにくくなります。大口の注文者は、実際にトレードする気が無くても、単に注文を見せるだけで価格を操作できます。

これは株の世界では厳密に禁止されており、犯罪行為です。しかし、仮想通貨の場合はまだ規制や法律が整備されていないため、無法地帯となっています。また、仮想通貨の世界ではbot(ボット)と呼ばれる「自動売買取引」が、取引量の多くを占めています。これらのbotは、大口の注文が入るとその手前に注文を出すようなロジックが組まれています。価格操作の中には、こうしたbotの特性を逆手に取る手口も横行しています。

そのため、板取引で大口の注文を確認した時には、冷静に判断するように心がけてください。

まとめ

板読みは、直近の価格の値動きを予想するにはとても良いものです。慣れるととても有利なトレードが出来るようになります。また、仮想通貨特有の板の作り方があるため、株取引を経験されている方でも、仮想通貨の板取引に慣れていく必要があります。

同じ金融カテゴリーですが、全く違う商品なので、参加者の性質も異なります。まずは仮想通貨マーケットの動きに慣れることが大切と言えるでしょう。

板読みに慣れると、直近の力関係が視覚的にすぐわかるようになります。しっかりと勉強して利用してみてください。また、「デプスチャート」と呼ばれる板の注文数量のチャート機能もあります。下記ではデプスチャートについて解説しているので、一緒に覚えてもらうといいでしょう。

仮想通貨のトレーディングツール、デプス(DEPTH) チャートを理解しよう

HEDGE GUIDE編集部後記

今回の記事でご紹介した「板情報」はGMOコインの取引所の画像を引用しています。GMOコインで口座開設して、実際の仮想通貨トレーディングに「板読み」を活かしてみてください。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。 【保有資格】証券アナリスト