一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は、休眠預金等活用法に基づく資金分配団体として、実行団体の二次公募を5月1日から29日まで同財団ホームページ上で受け付けている。選定された実行団体に対しては、千万円から最大6千万円の助成をはじめ、活動の持続可能性を確かなものとするため、支援先組織の能力強化を目的とした経営伴走支援と、「地域の活性化」という成果(インパクト)を可視化させる社会的インパクト評価にも取り組む。インパクト評価は、事業や活動の結果として生じた、社会的・環境的な変化や効果(アウトカム)を短期・長期を問わず、定量的・定性的に把握し、事業や活動について価値判断を加える評価手法。
休眠預金は2009年1月1日以降、10年以上取引がない普通預金や定期預金などを指す。金融庁によると、14年から16年度の休眠預金は年間に1200億円規模に上っており、うち500億円程度が預金者に払い戻しされているという。休眠預金等活用法(民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律)は、この預金を社会課題の解決に活用する目的に施行された。
日本民間公益活動連携機構(JANPIA)が指定活用団体となり、草の根活動(全国ブロック、地域ブロック)、新規企画、ソーシャルビジネス形成、災害の5つの支援事業で資金分配団体を採択。SIIFはソーシャルビジネス形成支援事業の「地域活性化ソーシャルビジネス成長支援事業」の資金分配団体として2019年に採択、地域で活用されていない様々な資源を再活性化させることで、地域社会の核となるソーシャルビジネスの形成を目指している。SIIFによる実行団体の一次募集は20年3月31日から4月28日まで行われた。
一次公募についてSIIFは「期間中、大変多数の申請があり、現在、第三者の外部専門家等から構成される審査会議において審査を行うべく、組織内で準備を進めている」という。二次公募でも「志を同じくする実行団体の多数の申請をお待ちしている」と呼び掛けている。また、三次募集を6月1日~6月30日まで実施する予定だ。
SIIFは、日本財団が日本における社会的インパクト投資普及のために財団内に発足した社会的投資推進室を前身に、18年、社会的投資推進財団として設立。19年に一般財団法人社会変革推進機構と合併し、社会変革推進財団と改称した。社会課題の解決と多様な価値創造が自律的・持続的に起こる社会を目標に、自助・公助・共助の枠組みを超えた社会的・経済的資源循環のエコシステムの実現のため活動。ソーシャル・インパクト・ボンドをはじめとするインパクト投資のモデル開発や実践、普及のための環境整備、調査研究・政策提言などを行っている。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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