アサヒグループHDの将来性とESGの取り組みは?株価推移、配当・優待情報も【2022年10月】

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アサヒグループホールディングスといえば、ビール・発泡酒などのアルコール、緑茶・コーヒーといった飲料の製造・販売を手掛ける大手企業です。また近年注目されているESG分野に注力している企業でもあります。現在の業績や配当・優待はどのようになっているのでしょうか。

今回はアサヒグループHDの株価推移や業績、ESGに関する取り組みを紹介します。興味のある方は参考にしてください。

※2022年9月26日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. アサヒグループHDの概要
  2. アサヒグループHDの10年間の株価推移と業績
  3. アサヒグループHDのESGに関する取り組み
    3-1.気候変動への対応
    3-2.プラスチック問題への対応
    3-3.持続可能なコミュニティの実現
  4. アサヒグループHDの将来性
  5. アサヒグループHDの配当・優待情報
  6. まとめ

1.アサヒグループHDの概要

銘柄 アサヒグループホールディングス
証券コード 2502
株価 4,603円
PER 15.92倍
PBR 1.13倍
配当利回り(会社予想) 2.41%

※2022年9月26日時点のデータ

アサヒグループHDは東京都墨田区に本社ビルを構え、従業員数は連結で30,020名、連結売上は2兆2,361億円(2021年12月期)となっています。本社ビルは22階建ての「アサヒビールタワー」で、ビールジョッキをイメージした外観デザインとなっています。

アサヒグループは下記のように、飲料を中心としたブランドを数多く展開しています。

アルコール スーパードライ、クリアアサヒ
飲料 カルピス、十六茶、WONDA、ウィルキンソン、三ツ矢サイダー
食品 MINTIA、一本満足バー、クリーム玄米ブラン、ディアナチュラ、エビオス錠、アマノフーズ

1889年にビール会社として設立され、1987年にスーパードライが大ヒットし、1997年にはビール売上No.1を達成(※業界各社発表売上数量より同社調べ)しました。その後は味噌汁のアマノフーズ、カルピス、豪州のシュウェップスなどを自社グループの傘下に加え、幅広いカテゴリーで事業を展開しています。

2.アサヒグループHDの10年間の株価推移と業績

10年間の株価推移を見ると、2013年から2017年にかけて上昇傾向となり、2018年には6,000円近くとなりました。それ以降は下落傾向で、2020年には新型コロナショックで大きく下落しましたが、その後株価は持ち直しました。現在は4,000円~4,500円ほどで推移し、ややもみ合っている展開です。

業績に関して、直近で発表された2022年12月期 第2四半期決算短信によると、売上収益は1兆1,513億円で対前年11.4%増、事業利益は909億円で同1.9%増、営業利益は814億円でマイナス25.6%でした。新型コロナ感染拡大の影響は残ったものの、日本や欧州におけるビール需要の回復により、売上が前年より2桁増となりました。

利益に関して原材料高騰の影響を受けたものの、為替変動の効果もあったことから事業利益も前年比プラスで着地しました。営業利益のマイナスについては、前年に行った固定資産売却の利益の反動によるものです。

3.アサヒグループHDのESGに関する取り組み

アサヒグループHDは、サステナビリティやESGを重視している企業でもあります。「SUSTAINA ESG AWARDS 2022」では、総合部門でゴールドクラスとして表彰されました。同社のサステナビリティに関する取り組みをいくつか紹介します。

3-1.気候変動への対応

同社は飲料や食品の事業を展開しているため、災害・異常気象による農産物や水資源への悪影響は、経営上大きなリスクになります。そこで事業活動に伴うCO2の削減により、気候変動へ対応することを優先的な課題の1つとしています。

具体的な目標として「アサヒカーボンゼロ」として、2050年までにCO2排出量ゼロを目指しています。目標達成のため、再生可能エネルギーの導入、製造における蒸気の廃熱回収利用、燃料転換といった環境施策を実施しています。

3-2.プラスチック問題への対応

近年、プラスチックが気候変動や海洋生物などに与える悪影響について関心が高まっています。同社もプラスチックを多く使用してきたことからプラスチック問題を懸念しており、容器包装の環境負荷低減のため、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を推進しています。

「3R Innovation」の目標として、2025年までにプラスチック容器を100%有効利用可能な素材とすること、2030年までにペットボトルを100%環境配慮の素材に切り替えることを掲げました。なお100%環境配慮の素材とは、リサイクル素材やバイオマス素材などを意味します。

3-3.持続可能なコミュニティの実現

現代は地域社会のつながりが薄れつつあり、それによる社会課題も生じていると言われています。アサヒグループは持続可能なコミュニティを実現するため、世界各地で取り組みを行っています。

たとえばビールに欠かせないホップの世界的な産地の1つであるチェコでは、新型コロナの拡大を受けてすべてのパブが休業し、バーテンダーたちは時間を持て余すようになりました。一方でホップ農家は外国から労働者を呼び集めることができず、困り果てていたそうです。

そこで考え出されたのが、パブのバーテンダーによる農場の支援です。17名のバーテンダーが農場へと派遣され、泊まり込みでホップ農家をサポートしました。農場の主人は、「皆さんが来てくれてどれほど助けられたか。おかげで今年も無事に収穫できそうです」と感謝の言葉を返したとのことです。

4.アサヒグループHDの将来性

アサヒグループの将来性について、業績とESGの2つの面から解説します。まず業績については堅調で、2022年第2四半期決算において売上・事業利益ともに前年増となっています。2022年12月期の配当予想は年間で111円であり、前年よりプラス2円と若干ではありますが増配が予定されています。

燃料や原材料などの想定を上回るコスト上昇に対し、価格戦略とコストマネジメントの強化により、事業利益を計画ラインで進捗させることができました。今後もコストアップは継続するものとし、価格対応力や効率化の更なる強化を図る方針です。

ESG・サステナビリティについては、気候変動やプラスチックを中心とした課題に取り組んでいます。同社はESGに関する目標値や期限を明確に定めており、また進捗状況もホームページなどで公開している点も評価されるべきポイントと考えられます。

以上のことから考えると、現在は原材料高騰など厳しい要素がありつつも経営上に大きな問題はないと思われます。ESGに関しても積極的な取り組みを行っており、今後もグローバル規模で貢献できるものと考えられます。

5.アサヒグループHDの配当・優待情報

1株あたり年間配当(2022年12月期予定) 111円
主な株主優待 グループ商品詰め合わせ

2022年12月期における年間の配当予想は、現時点で1株あたり111円となっています。2021年12月期の実績は109円であり、2円プラスとなる予定です。

同社の株主優待制度では、100株以上の保有者を対象に、グループ商品の詰め合わせなどの贈呈を行っています。対象となるのは毎年12月末時点で株主名簿に名前のある株主です。以下5つのコースからいずれか1つを選択することになります。

1.株主様限定プレミアムビール 株主にのみ贈呈する、非売品のプレミアムビール。ベルギーの醸造方法により厳選された酵母と香りのアクセントにスパイスを使用し、濃厚な味わいとスパイシーで華やかな香りを実現。
2.酒類商品詰め合わせ スーパードライ、アサヒ生ビール、クリアアサヒ、アサヒ・ザ・リッチ、アサヒ ビアリーなどの酒類を中心とした詰め合わせセット。
3.清涼飲料水・食品詰め合わせ 三ツ矢サイダー、ウィルキンソン、カルピスなど、アサヒグループの清涼飲料水と食品の詰め合わせ。
4.環境保全活動への寄付 温暖化対策をはじめ、生物多様性の回復に取り組む、世界最大規模の環境保全団体(国際NGO)「世界自然保護基金(WWF)ジャパン」への寄附を予定。
5.災害支援活動への寄付 災害支援活動の連携強化に取り組む、特定非営利活動法人(認定NPO法人) 「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」への寄附を予定。

各コースで受け取れる優待品の価格は下記のとおりです。また寄付コースの場合、優待品に代えて金額分の寄付が行われます。

  • 100株以上500株未満:1,000円相当
  • 500株以上1,000株未満:2,000円相当
  • 1,000株以上:3,000円相当

まとめ

アサヒグループホールディングスの事業内容、株価推移、ESGに関する取り組みなどについて紹介しました。ビールや飲料で強いブランドを複数保有しており、日本だけでなく欧州や豪州でも事業を展開しています。

ESGに関しても積極的な取り組みを行っており、「SUSTAINA ESG AWARDS 2022」では、総合部門でゴールドクラスに認定されました。今後も業績拡大とサステナビリティの実現を両立していけるか注目です。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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