「イーサリアムは評価B、ビットコインは評価C+」Weiss Ratingsが仮想通貨の格付けを公開

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米フロリダ州の金融関連の独立系格付機関であるWeiss Ratingsは24日、世界初となる仮想通貨の格付を実施した。格付の全容は定期購読の申込(年間468ドル)が必要となるが、同機関では一部の格付と評価の根拠についても公開している。

同機関が23日時点でビットコイン、イーサリアムと一部のアルトコインについて格付を公開している。

ビットコイン(評価 C+:まぁまぁ)はそのセキュリティの高さと採用の実績から素晴らしい評価を与えている。しかし、ネットワークの障害や遅延、高額なトランザクション費用という課題もある。先行者としての成功がありながらも即座にソフトウェアコードのアップグレードもできない仕組みとなっている。

イーサリアム(評価 B:良い)は仮想通貨のなかでも2番目に広く活用されている通貨だ。さまざまな障害にも関わらず、更新性の高い技術とより良いスピードによって利益を得ている。

また、24日には仮想通貨投資家からのさまざまなフィードバックに対してのコメントという形で、ビットコイン・リップルの評価に関する説明も公開している。

なぜ私たちがビットコインに評価Aを与えなかったかというと、ビットコインは採用性、ブランド、セキュリティの面では評価Aに値するが・・・それは私たちのファンダメンタル評価の視点で見た場合だ。ビットコインは私達のリスク評価(極端な価格のボラティリティ)、技術評価(ビットコインのガバナンスの脆弱性、エネルギー消費量とスケーラビリティ)で課題を抱えている。これらが改善されることでビットコインの評価は更新される。

リップルに高い評価を与えなかった理由は、リップルはビットコインと同様にファンダメンタルでは評価Aに値する。だが、リップルは度重なる価格暴騰と暴落が私たちリスク評価にネガティブとなった。また、リップルの技術は中央集権の度合いが強くリップルにコントロールされていることから技術評価も損なう結果となった。

Weiss Ratingsは1971年に設立された格付会社で、55,000の機関と投資を評価している。S&P、Moody’s、Fitch、A.M. Bestなどとは異なり、Weiss Ratingsは評価する団体からのいかなる形でも報酬も受け取っておらず、その独立性と正確さは米国政府会計検査院(GAO)や大手メディア各紙からも注目を集めている。

同機関が「議論を巻き起こすだろう」と述べている今回の格付に対しては既に賛否両論分かれているが、少なからず仮想通貨投資家が今後の投資対象を検討する際の道標となるだろう。

今回の評価による仮想通貨全体の価格変動は限定的だが、イーサリアムなどの高い評価を得た一部通貨では価格上昇が見られている。こうした第三者格付機関による通貨の評価や法規制の動向に応じて価格が大きく変動する状況は、現在の仮想通貨市場が抱える矛盾を象徴しているようにも受け取れる。

ビットコインをはじめとする仮想通貨の多くは国家や銀行といった中央集権型の第三者機関による信用や管理がなくともPeer to Peerでトラストレスに価値を取引できる脱中央集権型システムの実現を指向しているにも関わらず、実際には仮想通貨投資家の多くが未だに分散型システムそのものよりも既存の権威ある第三者機関を信用していることの裏返しでもあるからだ。また、現時点では仮想通貨そのものも権威によるお墨付きを必要としていることが分かる。

いまだ発展途上の仮想通貨が今後どのように既存のシステムと折り合いをつけながら社会の仕組みを変えていくのか、引き続き注目していきたい。

【参考サイト】Weiss Ratings
【参考記事】Weiss Ratings Issues First-Ever Rating Agency Grades on 74 Cryptocurrencies. Bitcoin Gets C+ (“Fair”). Ethereum Is B (“Good”).
【参考記事】Thank your for feedback! Here’s our response …

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